二、怪談で大騒ぎ5
三人がお風呂から出た後、僕が入り、お風呂を洗ってから外に出る。
出るときお風呂を洗っておけば、次のときスイッチさえ押せば、直ぐにお風呂を沸かすことができるからだ。
一人暮らしで身についた習慣だ。
自分の部屋に行くと――。
布団が川の字に――正確には布団が四つだから川の字より一本多いんだけれど――並べられていた。
三つの布団の上には、それぞれケイ、マナ、ハピが、お馬さん模様、お魚さん模様、小鳥さん模様のパジャマを着て座って僕を待っていた。
三人の目に、何やら固い決意が読み取れた。
「あ、あのーー、皆さん?」
「「「やだ」」」
「まだ何も言ってないんですけど……」
「あのね、今日はケイがここで寝る番ってのは分かってるんだけどね、絆ちゃんと離れていると怖いから、今日は特別ってことで、ここに寝させて」
「いいでしょ絆。ちゃんと言うこと聞いてさっきは三人でお風呂に入ったんだし。頼むよ」
「絆君、同じ部屋に寝ても、別々のベッドだと怖いから、今日だけ四人で一緒に並んで寝ようよ、ね?」
確かに、僕の部屋の二つのベッドはL字形に置かれているから、同じ部屋に寝るとはいっても、二人はちょっと離れているんだよな。
「うん……、まあ、じゃあ、今日だけだよ」
「「「やったーー」」」
大喜びの三人。
なんだか、大好きなおもちゃを買ってもらった小さい子みたいで可愛いな。
「でも、三人だと、一人余るね」
「そうね、絆ちゃんの両隣は二人までだし」
「誰が絆君の隣になるか」
さっきまで無邪気に喜んでいた三人の間に、バチバチと火花が飛んだ。
結局――。
じゃんけんの結果、僕の両隣はハピとマナに。
ケイがぶすーーっとしている。
「じゃ、じゃあ、電気消すよ。おやすみ~~」
僕はもうこれ以上構わないことにして、布団に横になった。
「「おやすみ~~」」
上機嫌な声でハピとマナも言うと、僕の両隣に寝た。
そして、直ぐに僕の腕をつかんできた。
「ちょ、どうしたの二人とも?」
「だって……、つかんでないと怖いよ、絆」
「そうだよ、絆ちゃん」
「もうちょっとくっついてもいいでしょ?」
「あたしも」
そうなの?
まあ、じゃあ、今日は特別ってことでいいけど……、でもそれだと隣にこれなかったケイが……。
ぐふっ。
ケイのことを心配していたら、胸や腹に何かが乗っかった。
「ケ、ケイ?」
「両隣とられちゃったから、私今日は絆君の上で寝るね」
い、いや、上で寝るねって……、おかしいでしょ、それ、大体……、ケイがいくらスタイルよくても中学二年生の女の子が上に乗っかっていると……、お、重いよ。
そ、それに……。
ぴったりくっついてくるハピ。
同じくぴったいくっついてくるマナ。
そして、上に乗っかっているケイ。
これだと……。
こ、これだと、僕……。
も、もう、限界だーー!
「暑くて寝られないーー!!」
ぶーぶー言う三人に、今度こそは聞く耳もたず、僕だけベッドで寝ることにし、三人には布団で川の字で寝てもらうことにした。
なんだよ、三人で寝るなら、別にそんなくっついてないじゃん。
まったくもーー、せっかくお風呂入ったのに、また汗かいちゃったよ。
怪談映画をいっしょに観るのは、もう絶対やあーーめたっと!




