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その44

お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。


金曜日の夜、「焼き鳥居酒屋雪国」に招待された。

なんでも、「住田錦君の勇気を讃える会」だそうで。

父や母と一緒にお店の扉を開けると、すぐさま、そこにいる全員から大きな声で「いよっ!お手柄大将!」などと、勝手に妙なあだ名で呼ばれてしまった。

「あ、あっ…ども…はい…。」

奥の座敷に誘導されると、お店全体が見渡せる上座へ。

「え〜…なんか、恥ずかしいなあ…。」

照れる僕にお構いなしで、席に着いたらすぐさま「会」が始まった。

僕の隣にメグちゃんと、メグちゃんの両親、それにお姉ちゃんが座ってニコニコしている。

反対側には、僕の両親と帰省している大学生の兄が。

なんだか「お見合い」みたいな感じだった。

ヒロキのお父さんが焼き鳥を焼き、お兄ちゃんが唐揚げを揚げている。

ヒロキのお母さんはその他のメニューを、そして、お兄ちゃんのお嫁さん、バイトのえみちゃんはフロア担当。

みんな、笑顔を絶やさず、忙しそうに動き回っている。

沢山の人が来ていた。

テルと秋田さん、後はベルウッドと辻さんに、男ヤマシタ率いる「男気ヤマシタ塾」の面々、女子のヤマシタさん達などなど、クラス全員が揃っている。

更にヨーコ先生にピョンバシ、イケちゃんに母ちゃん先生、他にも校長先生などの、学校関係者も結構な人数。

テルの家族や、他の親達なども集まってくれたらしい。

他にも塾の先生達や、お店の常連客の皆さんなどなど、沢山の人で店内が埋め尽くされている感じ。

満員電車ってほどじゃないんだろうけど、なかなかのぎゅうぎゅう詰め。

けれども、そこにいる全員が楽しそうに笑っているのが、なんだかとっても嬉しかった。

ピョンバシが乾杯の音頭をとった。

「…じゃあ、皆さん、お手元にグラスやコップ、またはジョッキをお持ちでしょうか?では、まいります!住田錦君の活躍をお祝いして、カンパ〜イ!」

「カンパ〜イ!」

わははははは!うふふふふふふ!ゲラゲラゲラゲラ!ガーハッハッハッハ!

あちこちの席から高らかな笑い声。

テーブルの上には、焼き鳥と唐揚げを始めとした色とりどりの御馳走が、ずらずらっと並んでいる。

中には港さん家の「港鮨」のお寿司も、八紘さん家のパンもいっぱい並んだ。

みんなが持ち寄ったおにぎりや、お赤飯、サラダにかまぼこなどなど。

大人達はビールにハイボール、レモンサワーに赤、白のワインなどなど、ガブガブと呑んでいる。

僕達はオレンジジュースに烏龍茶、後はコーラなどを頂いた。

まだ包帯が取れていない僕は、酔っ払った大人達から「いやあ、住田君…君はすごいなあ〜!ホント、感心しちゃったよ〜!ガハハハハ!」などと言われながら、バシバシとあちこち叩かれてちょっとしんどかったっけ。

それでも、なんだか楽しくて、美味しくて、僕は幸せな気分だった。

まだまだ騒がしい店内から、外の空気を吸いにこっそり出た。

すると、後ろからメグちゃんもついて来た。

「ああ、メグちゃん…どしたの?」

「ん?うん…ニッキが外に出るのわかったから…ついて来ちゃった…てへ…。」

2人で真っ暗な空を見上げた。

繁華街の明かりが邪魔して、星は少ししか見えなかった。

それでも、「あ!流れ星!」

メグちゃんが声をあげ、指さした方を見た。

僕はしっぽの辺りがちょっと見えただけ。

それでも、良かった。

「メグちゃん。」

「ニッキ。」

メグちゃんの両肩に手を置き、2人同時に目を閉じた。

そして、ゆっくり、ゆっくりと接近し、お互いの息づかいや香りがしてきた時、お店の引き戸がバタン!

大きな音を立てて、内側から外れてしまっている。

外れた戸の上に、クラスメイトや酔っ払った大人達がニヤニヤ、こっちを見てきた。

「だ〜ははははは…いや、ごめん!ごめん!お邪魔しちゃったみたいで…あははははは〜…失礼しやしたあ〜!どうぞ!続きを…。」

ヒロキが申し訳なさそうにそう言いながら、倒れている全員と共に、お店の戸をはめなおしてから、そそくさと店の中に。

キョトンとしちゃっていた僕とメグちゃんは、顔を見合わせて大声で笑った。

「やだなあ、みんな…。」

お店の中は、再びどんちゃん騒ぎ。

僕は、そんなのがなんだかとっても幸せだと感じた。

最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はこれで終わりますが、私が書きました過去の作品も、合わせてお読みいただけたら、とってもとっても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。

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