その26
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
最寄駅に到着し、そこで「解散」となった。
けれども、僕と男ヤマシタ、それに鮎川と一橋と後藤で、そのままベルウッドの家まで一緒に荷物を持って行こうとなった。
「なんか、ごめんな。」
ベルウッドがすまなそうに言うけれど、僕達の方が「ごめんね」って思った。
知らなかったとは言え、1人でこんなにみんなの役にたつ物を、沢山持って来てくれたんだもの。
ベルウッドには感謝しかないよ。
女子のヤマシタさんは、多分、本当は男ヤマシタと一緒に帰りたかったんじゃないかな?
「えっ…鈴木君ちまで行くの?…」って、悲しそうな顔をしてたから。
テルは、秋田さんと仲良く帰って行った。
あの後、テルに「好きって言わないの?」と尋ねたけれど、テルは首を左右に振って「言いたいけど、言えない、かなあ…」とこぼしていた。
ダブルヤマシタのことが、引っ掛かっている様子。
わかる、わかる。
僕も同じだ。
男ヤマシタと女子のヤマシタさんの、あの騒動を思い出すと、そして、今の2人を見ていると、とてもじゃないけど「告白」する勇気なんて起きない。
必ずしも、ダブルヤマシタ達の様になるとは限らないんだろうけど。
限らないんだろうけども…一橋も言ってたっけ、そんな心配。
わかりすぎちゃって、どうにも身動きできない感覚。
なんか心が苦しくなってしまう。
坂口メグちゃんは熱中症っぽい一文字を心配して、結局、そのまま家まで送って行くって、行っちゃった。
自分とベルウッドの荷物を持ちながら、反対側の方向に歩いて行く2人の背中を見送った。
仲良さそうで、正直に「いいなあ」と思った。
ヒロキはやっぱりまだ足が完全じゃないから、迎えを呼ぶと行って駅に残ってた。
八紘さん、辻さん、石川さんは、3人で楽しそうに帰って行った。
夕暮れ時が随分と早くなった気がする。
ベルウッドの家まで荷物を運んで、「じゃあな!夏期講習で!」なんてみんなと別れた後、薄暗くなって来た帰り道を歩きながら、僕は浜辺で拾った薄ピンクの、形が綺麗な貝殻をバッグから取り出して眺めた。
今日の「記念」として、帰りに坂口メグちゃんにあげようと思っていたけど…
なんか、あげるチャンスを逃しちゃったな。
そう思って、再びバッグにしまいこんだ。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き読んで頂けたら、とっても嬉しいです。どうぞ、宜しくお願い致します。




