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至高の魔女  作者: みやび
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第55話

俺たちは隠れる様になるべく目立たない屋根の上で集まっていた。

ここへは塀を伝えば簡単に登れた。


『タオもなかなか気が利くじゃないか。俺達も腹ペコだったんだ。

こんなごちそうを持って来るとはなぁ』


「タオー! でかしたー!」


カラスとパルスは大喜びで俺の持ってきたカサスを仲良く突付く様に食べていた

どうせ俺はこんな事くらいしか役にたたねぇよ。


食べながらパルスは早速、集めてきた情報を報告していた。


『やっぱりここのゴミ処理場も本来なら、城や神殿からのゴミは持ち込まれる事はないそうだ。

だけど、このゴミ処理場は帝都でも一番処理代が安いらしいんだ。


それでときどき処理代のピンハネを企む不埒な業者が、こっちへも運び込んで来るらしい。

昨夜も豪華な残飯が運び込まれたと俺の仲間達は大喜びしたそうだ。』


『なるほどな。さっきの西のゴミ処理場よりよほど可能性がある訳だ。』


じゃあ、ルドルフが東と南からローラー作戦を始めたのも・・・・

そっちの二箇所のゴミ処理場が、城や神殿が正規に使ってるゴミ処理場だったからなんだな。

今更その意味が分かった俺だった。


「食べ終わったら急ぐんだぞー!もう夕方だー!

俺は鳥目なんだからなー!月が出たら見えないぞー!」


カラスが危険な事を言い出した。


『おいおい。俺は地図を覚えてないんだからな。

お前が見えなきゃ帰れなくなっちまうじゃないか・・・・』


「だったら急ぐんだー!」


タイムリミットがあるってことなのか・・・・・

この辺りの家屋はあちこち隙間があるので、西の館よりは中まで入り込んで探すことは出来る。


しかし、なんと言っても数が多すぎる。

時間内に探すには無理があるだろう。


しかもあのトラ猫のギルを避けながらとなると、ますます難しい。

明日もまた出直すしかないか・・・俺は覚悟を決めた。


カラスとパルスが食べ終わるのを待って俺達は捜索を開始しようと路地のほうへ降り立った。

その時、俺を呼ぶ声がした。


『タオ!居たわ!こんなところに居たのね。

ずいぶんと探したのよ。』


さっき別れたはずのチャチャだ。


『見付けたのよミーアを!あなたが探していた黒猫よ!』


『なんだって!』


突然の朗報だった。俺は耳を疑った。


『お兄ちゃんのいるペットショップにミーアが居たのよ。

本当に漆黒できれいな毛並みだったわ。赤いリボンもとっても素敵で・・・・』


どうやらミーアに間違いなさそうだ。


『こっちよ!案内するわ。』


チャチャはくるりと方向を変えると先頭を切って走り出した。

俺達はあわてて後を追った。


塀を乗り越え、いくつかの路地を曲がると、そこにペットショップらしき店が見えてきた。

店頭にはまぎれもないミーアが一番目立つ場所に飾られる様にして檻の中に入れられていた。


「いたー!ミーアだー!」


カラスが叫んだ。俺たちは浮き足立っていた。

チャチャが一番先に到着してその店の前に来た時、店の中から店主が棒を持って出てきた。


「こらー!また来やがったな!

毎日毎日、商売のじゃましやがって・・・・」


店主は棒を振り回してチャチャを追い払った。

チャチャは身軽にひらりと身をかわしてその棒を避けた。


そして俺達の方へ逃げて来た。

店主は店の前に立ちふさがって俺達の方を睨んでいる。


『これじゃあ、近寄れないわ。』


『くそう・・・ここまで来ていながら。じゃまな店主だ!』


俺達は様子を見る事にして、店から少し離れたところで待機していた。


『見付けたぞ!さっきはよくも雲隠れしやがったな・・・』


後ろから声がした。

振り返るとそこにはトラ猫のギルが二匹の子分を連れて立っていた。


今度はお前らかよ・・・・

次々とじゃまな奴らが現れるのであった。


『今度は逃がさねぇから覚悟しな!』


グレーの縞の子分が威嚇する。


『お・・よく太ったうまそうな鼠じゃねぇか。そいつを貢物として頂くとするか・・・』


ギルはそう言うと牙をむいて毛を逆立てた。

パルスは震え上がって俺の後ろに隠れた。


カラスは上空へと飛んで逃げた。

チャチャも震えてじりじりと後ずさる。


牙をむき出しにして毛を逆立てる戦闘の姿勢をとった三匹がじわじわと近寄って来る。

俺は絶体絶命のピンチを迎えた。





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