第1話 まま。ありがとう。
ひとりぼっちのこっこ。
まま。ありがとう。
こっこ。笑顔になれる魔法って知ってる?
太陽が顔を出して朝になると、とっても小さな子のこっこは目をあけて、まだ眠い目をこすりながら、のそのそとベットから抜け出して、(毎日している)お家のことをはじめました。
花の模様のカーテンを開けて、真っ白な毛布をたたんで、それから台所にとことこと歩いていきました。
朝ごはんを食べるためです。(ぐーっとこっこのお腹は鳴っていました)
こっこは冷蔵庫から牛乳を取り出して、自分のかわいいくまの模様のあるカップにそそぐと、それからパンを持ってきて、きちんと椅子に座って、「いただきます」を言ってから朝ごはんをもぐもぐと美味しそうに食べました。(こっこはにっこりと笑顔になっていました)
それからこっこは「ごちそうさまでした」を言ってから、丁寧にカップを洗って、いつものようにお家のお掃除を始めました。
お掃除をしているときに、ふとこっこはずっと笑顔だったのですけど、(お掃除している手をとめて)とっても悲しそうな顔をしました。
とってもさみしいけど、泣かないでがんばらないと。
大丈夫です。ひとりぼっちでもきっとなんとかなります。(ごはんもちゃんと食べたし)
よし。がんばります。
そんなことを考えて、こっこはまたにっこりと笑って(泣かないで)笑顔になりました。
それからお掃除が終わると、窓を開けてお家の中に風を入れながら、こっこがのんびりとベットの上で横になっていると、とんとんとん。とお家の扉を叩く音が聞こえました。
こっこは思わず飛び起きるようにしてびっくりすると、震えながらじっと(なるべく音を立てないようにして)扉を見ました。
すると、とんとんとん。とまたお家の扉を叩く音が(まるで小さな音楽のように楽しそうなリズムを奏でて)聞こえました。
こっこはまたびっくりして、思わず自分のベットの後ろにあわてて隠れてしまいました。
こっこがひとりぼっちで暮らしている、『このお家に誰かがやってくるということはありません』。
でも、そのはずなのに誰かがお家の扉を叩いています。
お家の扉の向こうにいるのは、いったい誰なのでしょう。
こっこはこっそりと(隠れているベットの後ろから)顔を出して、みなれたお家の扉を見ながらそんなことを思いました。
「あの、こんにちは」
そんな優しい声が聞こえました。
その優しい声を聞いて、こっこはまたまたとってもびっくりしてしました。
その声は、なんだか『こっこの世界で一番大好きなままの声』に本当にとってもよく似ていたからでした。(こっこは思わず大きな瞳をきらきらさせながら、泣いてしまいそうになってしまいました)




