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ヲタク使用人達のご主人様方は人外で殺し屋でした〜でもあのモフモフの尻尾だけはさわりたい!〜  作者: 辰胡


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採用試験だぜ!

 趣味で書いてみました。

 学生が書いているので、間違っている点がいくつかあると思います。その際は教えていただければ幸いです。

 私の名前は谷川天音(たにかわあまね)二十三歳だ。

 大学も卒業し、絶賛就活中である!

 しかし!

 なかなか条件に合う求人が見つからない…

 もうそろそろ仕事に着かないと家賃やばいんだけどなぁ。

 今日も今日とて求人サイトを読み漁っていると、気になる募集を見つけた。


【急募】住み込み使用人募集(個室完備・家賃不要・自由時間あり)


 ■業務内容

 ・簡単な家事全般(掃除・洗濯・料理など)

 ・身の回りのお世話

 ・来客対応(※必要時のみ)


 ■応募条件

 ・口が固く、守秘義務を守れる方

 ・詮索をしない方

 ・家事が得意な方

 ・ゲームが好きな方(重要)


 ■待遇

 ・住み込み(個室完備/家賃不要)

 ・自由時間あり(業務に支障が出ない範囲)

 ・食事支給

 ・高待遇(※詳細は面談にて)


 ■選考フロー

 ・一次審査:書類選考

 ・二次審査:面接


 ■備考

 ・特殊な環境に理解のある方

 ・多少の“イレギュラー”にも冷静に対応で  きる方


 ――詳細は面談にて


「個室に食事に家賃無しだと!?」

「バカな!そんなの…そんなの最高じゃんか!ヲタ活我慢しなくて良いじゃねえか!」

「ん?でもなんだ?口が固い方、守秘義務を守れる方、詮索をしない方…怪しくね?」

「あとなんだよ、ゲームが好きな方(重要)って…それだけじゃなく、特殊な環境への理解?多少のイレギュラー?」

「ああでも!もし、もし受かったら最高じゃんか!」

 というわけで私は採用試験を受けてみることにした。

 受かったらめっちゃラッキー!

 ……まあ、落ちてもノーダメだしな。

 そう軽い気持ちで、私は応募ボタンを押した。


 何日か経って、メールが届いてきた。能天気な私の頭はすっかり応募したことを忘れており、求人のこともついさっき思い出したばかりだ。

「えーと?なんだって?」


 件名:一次審査結果のご連絡


 谷川天音 様


 この度は、当求人にご応募いただき誠にありがとうございます。

 書類選考の結果、一次審査を通過されたことをご連絡いたします。


 つきましては、二次審査(面接)を実施いたします。

 下記の内容をご確認の上、ご来訪ください。


 ■面接日時

 ○月○日(○) ○時


 ■面接会場

(住所)※詳細は下記地図をご確認ください


 ■注意事項

 ・時間厳守でお越しください

 ・当日は指定された場所以外への立ち入りはご遠慮ください

 ・多少の“イレギュラー”が発生する可能性がございますが、落ち着いて対応してください


 ご不明点等がございましたら、本メールへご返信ください。


 それでは、当日お会いできることを楽しみにしております。


 ――採用担当


「え?」

 一度目をこすった。そしてもう一度スマホの画面を見た。

「受かった…え?マジ?」

 ほぼノリで受けたんだけど…これで受かるってマジィ?

「ってか、ねぇ!イレギュラーってなに?イレギュラーってなんだよ!怖えよ!」

「まぁでも、受かったんだし試しに行ってみるか…」

「○月○日(○) ○時ね。忘れないようにメモるか」

 スマホのメモ機能を開いて今度の日曜にある、イベントのことを細かく記したところの数行下に書いた。

 これなら、忘れることはないはず!

 きっと…。多分…。大丈夫なはず…。


 当日。試験会場内にて。

 忘れなかった、よかった!

 朝、目覚めたときの焦りと、時計を見たときの安堵感よ…。

 そういえば、受験の日はいつもこうなってたな…今思えば懐かしい思い出だ。

 …、よし!現実をみよう!

 今私の目の前には大衆がいる。

「これ多分、みんな採用試験を受けた人だよな…倍率高そー。」

 何人いるかな。うーんと、見える範囲でだいたい50人くらいか?かなり倍率高くね?

 ちなみに面接は集団だと思ってたけど、個人で驚いた。私に充てられた番号札は24番だから、だいたい中間くらいだ。

「20番の方、こちらへどうぞ」

 案内の人が声を張る。

 ああ、もう20番台だ。そろそろだな、緊張してきた。

 今になって緊張してきた私の側でどんどん人が呼ばれていく。 

「24番の方」

「はいィ!」

 やってしまったー!声が裏返っちまった!

 ヤバすぎ!恥ずかしすぎるんだが…。

「こちらへどうぞ」

「は、はい…」

 恥ずかしさで少しうつむきながら、案内の人に連れられて部屋の中に入る。

 中には1人のキリッとしたイケメン面接官がパイプ椅子に座っていた。

 つい、その御尊顔を拝もうとしてしまったのを、慌てて堪えた。

「どうぞお座りください」

 声もイケメンだわ

「ありがとうございます」

 平静を保て、私。

 この人はラノベで言ったらクール冷静魔導師キャラだな、推せるわ。

 とか考えるんじゃない!今面接中だぞ!


 その後はドラマや小説で見たことあるような質疑応答が繰り返された。もうそろそろ終盤かな、と思っていると、予想外の質問を掛けられた。

「人ではない存在。いわゆる人外についてどう思いますか」

「じ、人外、ですか」

「はい。人の姿をした人ではない存在です」

 面接官にふざけている様子はなくむしろとても真剣な眼差しをしていた。

 どういう意図の質問か分からなかったので、思ったことをそのまま言うことにした。

「正直、信じることはできませんが、もし仮にいるのなら話をしてみたいなと思います」

「話をしたらどうするのですか?」

「人間と同じです。いい人だったらお友達になりたいですし、自分に害がありそうでしたら距離をとるだけです」

「ふふっなるほど。ありがとうございます」

 面接官が笑った意味が分からなかった。

 面接官は崩れた表情をもとに戻して質問を続けた。

「では、仮にあなたが雇われたとして、不信な者が来たとします。その場合、避難の優先順位は主人と自分と同僚のうち、どれが一番高いですか」

「正直に答えてください」

「自分です」

 あ、食い気味に答えちゃった。でも仕方がない。自分を大切にできないと結果的に周りにも迷惑をかけちゃうもん。

「なるほど。ありがとうございます。面接はここまでです。お気をつけてお帰りください」

「ありがとうございました」

 ほんっとうに疲れた、すぐにでも帰ろう。

 部屋を出て建物の出口に向かおうとしたところ、誰かに話しかけられた。

「あの、ちょっといいですか?」

「なんでしょうか」

 案内の人かな。…いや、微妙に違う!

 めっちゃ似てるけど別人だ!なんか目の下のホクロの位置が逆だ!

(わたくし)についてきていただけますか?」

どういうことだ?

「…はい、分かりました」

疑問に思ったけど、とりあえずついて行った。

部屋に入ると、封筒を渡された。

「これは…」

「谷川さんは一人暮らしで、家賃がギリギリなんでしたよね」

「え、そ、そうですが、なんでそのことを知って…」

「本来なら言ってはいけないのですが…」

少し口を濁したがすぐに続けた

兄貴(あにき)…あ、面接担当の者が合格を出しておりまして」

「え!そうなんですか!?」

「はい。ですので、その間の生活費を、という話になりました」

「15万円なんですが…足りますか?」

「いえいえいえいえ!余裕で足ります!」

「本来なら断らないといけないのでしょうけど、かつかつなので受けてとっても良いですか?」

「どうぞ!お役立てください!」

「ありがとうございます!」


やったあ!!

これで当分暮らしていける!

それにラノベと漫画が買える!

よし!家に帰ろう!


なぜ、一人暮らしであることや、家賃の事情を知られていたのか。

なぜ、案内の人と似た人は面接に同席していなかったのに合格について知っていたのか。

なぜ、"人外"について訊かれたのか。


そんな違和感は頭の隅に押し込んだ。

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