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月と海のリザレクション〜海神ポセイドンの幼女転生〜  作者: 幸田遥
第2章 大西洋航海編

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大西洋へ


 研究船パーズは、南アメリカの先端を通り過ぎた。



 この辺りは、海流の関係で、航海の難所の一つである。


 しかし、沖田船長は航海歴も長いベテランであった。

 研究船パーズは、難なくホーン岬を周り、南大西洋に入っていった。




 今回の航路では、研究船パーズは、南アメリカ大陸には上陸しない。


 水質検査のために、海の真ん中で数回停船するのみである。





「ふぅ、久しぶりにゆっくりできるや」


 シンシアは、海に浮かんでいた。


 水質検査のために、研究船パーズは一時停船中である。アマゾン川の河口の近くである。


 パーズは、赤道直下の地域まで戻ってきたのだ。

 日差しは暑くなり、海水浴に最適な気候である。


 パーズの水質検査のための時間は、シンシアは、海に浸かって海を満喫することに決めている。

 お気に入りの白ビキニに着替えて、海の上に浮かんでいた。



「あれ? 魚がいる」


 シンシアが浮かんでいる足元に、小さな魚が寄って来ていた。


 シンシアの手のひらよりも少し小さいくらいの大きさだ。

 10匹ほどの群れをなして泳いでいた。





「ねぇ、ママ。魚がいるよ!」

 シンシアは大声を出す。

 パーズの甲板にはレイアがいる。アムルを抱っこしていた。



「へぇ。すごい。パパにも教えないと」

 レイアも大声でシンシアに返事をした。


「そうだね」

 シンシアは、起き上がった。


「よし、さーべるちゃん、パパに教えてあげないと」


 シンシアの周りで、犬かきを楽しんでいたさーべるちゃんと一緒に、シンシアはパーズに向かった。シンシアはさーべるちゃんの背中に乗ったのだ。



 ズシャー


 シンシアは海水で柱を作り、さーべるちゃんごと自分を甲板に持ち上げる。



 バシャー


 シンシアを甲板に下ろした海水は、海に流れる。



 シンシアとさーべるちゃんは水浸しになっている体を気にすることなく、ペタペタと、辺りを水浸しにしながら、実験室へと駆けていった。




「パパ! 海に魚がいたよ!」


 シンシアは実験室に入るなり、大声をあげる。


「へぇ、それはすごいなぁ」


 ちょうど実験の空き時間だった博士は、実験室の入り口に来たシンシアに返事をした。



「その魚たちは、アマゾンの方から来ているのかもしれないね。アマゾンには色々といるからね。川にいた何かが自然に進化して、海に適応できるようになったのかもしれないね」


 アマゾン川の流域には、海神ポセイドンが作った生物も、ガイアとの合作で作った生物の両方が生息していた。

 海神ポセイドンが一人で作った生物は、海神ポセイドンの消失に伴って、消失した。しかし、ガイアとの合作で作った生物は消失していなかった。



「ふ〜ん、そうなんだ」


「そうだよ、シンシア、そう考えると、すごいことだよね。研究者たちは、自分たちがなんとかしないといけないと思っているけど。案外、放っておいたら、今いる生物たちが勝手に進化していくのかもしれないね。だって、今の海には、捕食者がいないからね。海に出たら、好き放題できるもんね」




「そう? なの?」

 シンシアは、少し首をかしげた。


 シンシアは、博士の言っている内容がよくわからなかった。


 海神ポセイドンは多くの海の生物を作ったが、その生物たちの進化を制御したわけではない。それぞれの『種(しゅ)』を個別に作り出しただけだ。

 進化論はよく理解できない。



「ごめん、シンシア。ちょっと難しかったかなぁ」


「う〜ん」

 シンシアは、もう一度、首をかしげた。



「つまりだよ、海は徐々に元に戻っているってことだよ。喜んでいいことだよ」



「うん!」

 シンシアは、その言葉は理解できたらしく、大きく頷いた。





 研究室では、博士が色々な形をした魚を作り出していた。

 『鯖(さば)』や『鯛(たい)』のような姿をした魚も生まれていた。これらは皆、アジムのゲノム編集で生まれたのだ。


 もちろん、博士が作製したウニクラゲもガラスビーカーの中で、元気に育っていた。


 一方で、助教の久保信一のマボヤの研究もうまくいっていた。


 赤色の丸い成体がガラスビーカーの中で育っている。個体数を維持できるようになれば、ゲノム編集で違う『種(しゅ)』を作製するための実験を始める予定だ。



 研究船パーズは、北アメリカのニューヨークに向けて、再び発進した。



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i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
好評連載中です!

i493381
砂臥 環さまからいただきました。
リンク先は、『『月』を照らす光〜月と海のリザレクション〜』です。
テーマソングです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 確かに……! 何もいなくなった海で、今度は何がどう進化するかわからないですよね。 生命の力強さを感じました。 [一言] いろいろと、お疲れ様ですー。 更新は無理ないペースで大丈夫です。 大…
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