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月と海のリザレクション〜海神ポセイドンの幼女転生〜  作者: 幸田遥
第2章 大西洋航海編

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オーストラリア再来


 博士は、メールを受け取った。

 オーストラリアの政府からだ。



 以前に研究船パーズを襲った海賊船に乗っていた研究者の『ウェイ・ヤン (Wei Yang)』が司法取引で刑務所から釈放されたらしい。そして、大城戸博士の研究室に入りたいと言っているらしい。


 要するに、オーストラリアの政府から、彼の身元引受けをお願いされたのだ。



 大城戸研究室のポスドク研究員が増えることには、博士は大歓迎だ。ウェイと以前に一度話した時は、意見の対立に腹を立てたこともあったが、ウェイは芯を持った研究者であると、博士は考えていた。


 その彼が、研究室に来てくれることも、大歓迎ではある。



 博士はすぐに、了承の旨のメールを返信した。





 研究船パーズは、オーストラリアの港に着いた。一年前と同じ、ブリスベンにある大きな港だ。


 パーズの到着を待つかのようにウェイは港に待っていた。警備員に連れられていた。彼が逃げないように、であろうか。



「Nice to see you again. It is second time we meet, isn’t it? (どうも、会うのは二度目ですね)」

 ウェイは、右手を出し、博士に握手を求めた。



「Hi, Wei. Nice to meet you, too. How do you do. By the way, what is your professional of research? (そうだな、これからよろしく頼む。ちなみに、君の専門はなんだ?)」

 博士は、右手を出し、握手をする。



「I study for marine mammals. Whereas, I am familiar with medicine, also. I have a medical license of Chine in addition to Ph.D. (専門は海洋哺乳類ですね。でも私は、医学もできます。一応医師免許も持っていますよ。中国で取ったやつですけど)」


「It sounds great. You can use dolphin and whale, right? (海洋哺乳類か、イルカとかクジラかぁ)」



「That’s right. (そうです)」


「Super nice. I wanted to begin the study about dolphin or whale. So, it is good timing. I am happy you join my lab. (それはいい。ちょうど、そのあたりの研究も進めたいと思っていたんだ。君の働きには期待している。よろしく頼むよ)」

 博士は、ウェイに笑いかける。


 博士は、ウェイを連れて研究船パーズに戻って行った。

 ウェイを連れて来た警備員は、ウェイと博士を見送り、帰路についた。博士は去り際に、右手を振って挨拶をしておいた。






「Why do you wanna join our lab, Wei? (どうして私の研究室を選んでくれたんだ?)」


 大城戸研究室に向かう廊下で、博士は、ウェイに尋ねた。



「The main reason is to know the real of the "Sea PeaceS (SPS)". I mean, I would like to research for marine mammals to save them, and I am really proud of my work. Whereas, I suspect the SPS whether they actually work for saving marine mammals. (一番の理由は、あの組織の実際のところを知りたいからです。私が海産哺乳類を守りたいのは本当です。実際に、私の価値観はそこにあります。でも一方で、あの組織は海産哺乳類を守るために活動をしているのではないかと疑っています」



「What do you mean? (それは、どう言う意味だ?)」


 博士は、そういいながら、辺りをキョロキョロと見渡す。

 あまり他人に聞かれたくはない話である。



「I think their main purpose is not to save marine mammals. I guess they should conceal their main purpose, and they just indicating saving marine mammals to justify their aggressive works. (あの組織は、海産哺乳類を守るために活動しているわけではなく、海産哺乳類を守ることは、別の『何か』のためのカモフラージュでしかない、と言うことです)」



「So, they have another purpose instead of saving marine mammals, right? (目的は、他にある、と言うことか)」



「Exactly! (その通りですね)」

 ウェイは大きく頷く。



「And then, you think we can help you to reveal their purpose, don't you? (そして、真相を確かめたいから一緒に研究させて欲しい、と言うわけか)」



「Yeah! Exactly! (それも、その通りです)」

 ウェイは、もう一度、大きく頷いた。

 口元に大きく笑みを浮かべている。



 博士は、頭をぽりぽりと掻きながら、小さく肩を落とした。


 博士は、海洋生物を守るためには手段を選ばない『シーピーズ』のやり方には疑問を抱いていた。


 それに、研究船パーズが彼らの標的になる理由は、海洋生物を守ると言う目的からは説明できない。そもそも研究船パーズは海洋生物のための研究機関なのだから。


 他に目的があり、海洋生物の保護がそれのカモフラージュであると考えれば、色々なことが説明できる。



「Well, another purpose. I agree you. (そうだろうな。別の目的だろうな)」


 博士は、ゆっくりと、ウェイに目を向ける。

 ウェイも、博士の目を見つめ、首を縦に振った。





「By the way, Wei. Do you have any idea about a rod that the big bear had? (ちなみに、ウェイ。あの大きな熊が持っていた杖を知らないか?)」



 その杖とは、神具ケラウノスのことだ。最高神ゼウスの能力を増幅させるための神具である。


「Yeah, I remember the rod that was brought together with the bear. However, I do not have that. I think my old boss, Michael would have that. (あぁ、あの熊と一緒に杖が運ばれてきたのは覚えています。でも、私はそれは持ってはいません。おそらくですが、私の元上司のマイケルが持っていると思います)」


 ウェイは、答える。



 どうやらウェイは、ケラウノスは持っていないようだ。あの研究室の上司であるマイケルが持っているらしい。


 だとしたら、彼はケラウノスとともに南極にいるはずだ。つまり、南極大陸に行かないとケラウノスは手に入らないことになる。



 「Ummm, I see. (そうかぁ)」


 博士はため息とともに、落胆した声を出した。



「Anyway, do you have any information about him, I mean, Michael? (他に、マイケルの情報は何か持っているか?)」


「I know that he was a professor in an university in New York, so we might get some information about him there. (彼は昔、ニューヨークの大学で教授をしていましたので、もしかしたら、そこで彼の情報が得られるかもしれません)」



「Oh, New York. (ニューヨークかぁ……。)」


 ニューヨークは、今回のパーズの航路にある。

 そこを訪れた際に、ニューヨークの大学にでも寄れば、何かヒントが得られるかもしれない。



「ふぅ」

 博士は、また、ため息をついた。

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i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
好評連載中です!

i493381
砂臥 環さまからいただきました。
リンク先は、『『月』を照らす光〜月と海のリザレクション〜』です。
テーマソングです。
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