表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】その聖女、悪魔と契約中につき  作者: 葉南子@「ツキヨム」コン大賞受賞
第一章 聖女と悪魔

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/41

プロローグ 〜大聖女の娘〜

 母の話を聞く時間は、幼いマナにとって何よりの楽しみだった。


「おばさん、今日もお話しして」


 寝支度を終えたマナは、いつも決まってそうねだる。伯母(おば)は微笑みを返し、灯りを少し落とした。

 

「一つだけよ。今日は、どんな話がいいの?」

「お母さんが魔女をやっつけたときの!」

「はいはい」


 優しい手をマナの髪に添えながら、伯母はほんの少し目を細める。それからゆっくりと、子守唄を聞かせるように言葉を紡ぎだした。

 

「マナのお母さんはね、自分の命を削ってでも、みんなを救う人だったの。十年前のあの日、魔女を封じて……国を守った大聖女よ」


 ひとつの物語を語り終えた伯母は、遠い記憶を見るように続けた。


「ドロシアは、小さな青い宝石をいつも大事そうに持っていたわ。それは……」

「わたしも、いつかお母さんみたいな大聖女になるんだ!」


 幼い声が勢いよく伯母の言葉を遮る。伯母は驚いたように目を瞬かせたが、すぐに頬を緩め、くすりと笑った。


「そうね、いつかマナもなれるわ」


 再び髪を撫でる手のひらの温かさに、マナのまぶたがゆっくりと落ちていく。

 憧れはどんな言葉よりも深く胸に刻まれ、呼吸するたびに膨らんでいった。


 ──わたしも、みんなを守れる人になるからね。


 幼いマナは毎晩、母に誓いを立てるように願いながら眠りについていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ