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俺がふざけて作った育成モンスターが異世界に落ちた  作者: 夜逃げ丸
第1章〜ふざけた魔物〜
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アイアン寮

「・・・しくしくしく」


僕はモツです。今、僕は悲しみの淵にいます・・・だって。


「気持ち悪いです〜・・・」

『だから、言っただろ?蟻が来るって』


昨日一晩をマイルームによって過ごしていたです。だけど、夜寝ている内に何処からか蟻が大群でやって来ました。そして、部屋の中のお菓子、更には寝ていた僕の身体にまで集って来たです。


あの大量の蟻たちが身体を這い寄る感触・・・今、思い出してもゾッとするです。


『お菓子の家・・・正確には部屋だが、現実には不可能だと思い知らされたな』

「ううう・・・現実って厳しいです」


現実の壁は厚かったです。気持ち悪いのは邪神様のお力で身体を綺麗にしてもらいました。お菓子の部屋は懲りましたです。よって、僕は無難な部屋に再改築しました。


「・・・まあ、こんなものですね」


とりあえず、リッチな家具付きのスイートルームが完成しました。これなら、蟻が入ってくる事は無いでしょう。


「・・・さてと、ブランさんにでも会いに行きますかね」


明日、起きたら会いに来るよう言われていたです。何でも、これからの話がしたいからとか。という訳で、僕は寮の玄関を開けて中に入りましたです。


「おや?モツくん。何か御用ですか?」


エントランスには管理人のヒグラさんが居ましたです。


「ブランさんに会いに来たです。起きたら来るように言われているです」

「そうですか。二階が寮生たちの個室になっています。せっかくです、この寮の案内もしてあげましょう・・・暇ですしね」

「ありがとうです」


ヒグラさんに寮の案内をしてもらう事になりましたです。まずは、一階を回り食堂や調理室、湯浴み室などを見せてもらいました。ちなみに湯浴み室はお風呂と言うよりも、ただ身体を洗うだけの場所みたいでしたね。


そういえば、昨日この寮や寮生の事を少し、教えてもらいましたです。この寮の名は【アイアン寮】と言い、学園に四つある寮の一つらしいです。


学園にある寮は何故か鉱物のランク付けがされているようです。一番上から【ゴールド】、【シルバー】、【ブロンズ】、【アイアン】となっているみたいです。ちなみにこの寮の名前は冒険者のランクでもあるそうですね。よって、寮によって学園での待遇が違うとか、ここは最底辺の寮らしいです。それ故のボロさですね。


そして、ヒグラさんの案内を終えてブランさんの部屋に案内されたです。ブランさんの部屋は二階の左側の一番奥でした。


「では、私はこれで・・・」

「ありがとうです〜〜!!」


ヒグラさんと別れて、ブランさんの部屋のドアを開けましたです。


ーーーーガチャーーーー


「え?きゃああっ!?の、ノックくらいしなさいよ!!」


・・・何と言うお約束。ブランさんは着替えの真っ最中でした。ちょうど、脱いだ所だった為に下着姿です・・・ところでノックって何ですか?


『激しいパンクな音楽だ』

「それはロックじゃないですかね?」


僕の知識にはかなり偏りがあるみたいです。何故か常識が欠落しているのに、どうでもいい知識がたまに入っているです。一体、どうなっているんでしょうか?


「〜〜っ!いいからさっさと出て行きなさい!!」

「は、はいです〜〜!!」


部屋にあった本を投げつけられて、僕は部屋から退散しました。


『白か・・・それに、意外と良い身体をしてたな』

「邪神様、本人に言ったら殺されるですよ」


邪神様の呟きに、僕はそれを口にした場合の予想図が頭に浮かんだのです。


『所で・・・なあ、モツ。その本なんて書いてあるか分かるか?』

「え?これですか?・・・え〜と、はい読めますですよ」


邪神様は本に興味を持った様子です。僕は本のタイトルや内容を読み上げました。どうやら、翻訳玉は書いてあるものも訳してくれるみたいですね。


『・・・魔法関連の本か。実に興味深いな』


この本は魔法について書かれている本でした。魔法の概念?などとチンプンカンプンでした。


『お前も単純な魔法が使えるかも知れんぞ。せっかく、魔法が使える世界にいるんだから、使ってみたらどうだ?』

「それもそうですね。後でやって見るです」


そして、しばらく本を読んでいると部屋のドアが開いてブランさんが出てきたです。


「・・・もういいわよ、入って来なさい。ん?魔法書を読んでいたの?あなた魔物なのに変わっているわね」


まぁ、普通魔物が魔法書など読みませんからね。それはともかく、僕は本を持ってブランさんの部屋に入っていったです。


『・・・これが、女の子の部屋か。どうだ?いい匂いとかするか?』

「いえ、普通に埃っぽい部屋ですよ」

「失礼ねっ!ちゃんと掃除してるわよ!!・・・たまには」


どうやら、掃除はあまりしてない御様子。まぁ、貴族のお嬢さんのようですし、得意では無いのでしょうね。


「それで話って何ですか?」

「これからの事・・・強いては明日の事について話しておこうと思ってね」

「明日ですか?何かあるんですか?」


ブランさんは真剣な表情で頷いて、口を開いたのでした。


「明日は、学園でダンジョン探索の実践授業があるの。浅い層だけど、ダンジョンに潜るのよ。当然、従魔であるあなたも行くのよ」

「な、なんですとーーーー!?」


いきなり始まるダンジョンへの初挑戦。僕は無事帰還することが出来るでしょうか・・・ところでダンジョンって何ですか?


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