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俺の上司が凄すぎて自称天才エンジニアの俺がポンコツに見える件  作者: 慧梓
第1章 東都の日常

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第24話「新人、気づく」

俺は自称天才エンジニアである。


理論は完璧。

ロジックは美しい。

想定外は想定済み。


――の、はずだった。


午後。


新人が黙っている。


珍しい。


普段は


質問

質問

質問。


なのに今日は


静か。


俺は聞いた。


「どうした」


新人は言う。


「先輩」


「ちょっといいですか」


スマホを見せてくる。


動画。


また


アルディア・パーカッション


新人が言う。


「これなんですけど」


動画再生。


ステージ。


白い衣装。


長い黒髪。


ドラム。


叩く。


速い。


正確。


新人が言う。


「この人」


止まる。


「上司さんに似てません?」


俺は答えた。


「気のせいだろ」


新人は言う。


「でも」


動画を止める。


画面。


白い衣装の女性。


笑っている。


新人が言う。


「目」


俺は画面を見る。


確かに


少し似ている。


新人は言う。


「あとドラム」


「この前会社で叩いてたの」


俺は黙る。


新人は言う。


「同じリズムなんです」


俺は答えた。


「偶然だ」


新人は言う。


「でも」


コメント欄を開く。


「リーダーは女性ドラマー」


「ドラムの鬼」


「カリスマ」


新人は言う。


「全部一致してません?」


俺は言う。


「仕事しろ」


新人は言う。


「先輩」


「もし本当に」


そこで


後ろから声。


「何の話?」


上司だった。


新人が固まる。


俺が言う。


「動画の話です」


上司は聞く。


「どんな?」


新人が答える。


「昔のバンドです」


上司は言う。


「へえ」


新人は言う。


「すごいドラムで」


上司は少し笑う。


「ドラムはいいわよね」


「リズムは裏切らないから」


それだけ言って


席に戻る。


新人が小声で言う。


「絶対そうですよ」


俺は答える。


「たぶんな」


新人は言う。


「先輩」


「なんで普通に働いてるんですかね」


俺は言った。


「知らん」


でも


俺も少し思った。


この人


本当に


何者なんだろう。

人は意外と、


過去をあまり話しません。


すごいことをしていた人ほど


普通にしていることがあります。


たぶん


その方が


楽だから。


ちなみに新人はこの日から


上司のことを


ちょっと怖くなったそうです。


気持ちは分かります。

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