↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
709/717

畑違いの対談と君の言葉(side嘉隆)*

 七月後半の音楽番組への出演の後に、また、二人での仕事が打診されました。基さんについて、掘り下げています。

 


 広島の地元局の、対談の仕事で、TV局にいる。この収録は十月の始めに放送されるそうだ。嘉隆(よしたか)の対談相手は、ミュージカル俳優の藤堂(とうどう)(もとい)だった。先日も、全国放送の歌番組でも一緒に出演した。基と麻衣がミュージカルで共演しているからオファーが来たと思われる。それと二人とも広島出身なので、取り上げられたようだ。



 シンガー・浅生(あそう)嘉隆 (レーゲンボーゲン)×ミュージカル俳優・藤堂基



 嘉隆は、珍しく恐縮しながら、僕、こっち側でいいんですか、と聞いている。それに、笑いながら、基は君はいつもそっち側でしょ、と言ってくれた。テロップもそれに合わせて、左が嘉隆で右が基になると思われる。


 番組では、シンガーの嘉隆が、歌手として歌ってきた際に、気を付けていることや、学んだことを、基に話す。そして、基側は、ミュージカル俳優としての歌唱について、シンガーとの違いを話す。嘉隆にとっても興味深い内容になるだろう。



「レーゲンボーゲンの浅生嘉隆さんと、ミュージカル俳優の藤堂基さんです」

「今日、浅生くんに、あ、そう呼んでも良い? うん、ありがとう。色々と聞いて見たかったんだ。川村さんとの話とかね」



 そう言って、おどけながら、笑う。嘉隆は、麻衣のことに関しては、話題にしても構わないが、番組としても困るし、後からこの放送を見る麻衣に怒られるかもしれない。

 そして、今日のMCは麻衣がロケでもお世話になっている、櫻井(さくらい)だった。麻衣とかなり打ち解けているので、下手なことはしゃべれない。



「それでも、良いですが、今日はお仕事についてで!」

「あはは、櫻井さん、真面目だね。いつもうちの奥さんがお世話になっています」

「いえいえ、川村さんと言えば、ミュージカルで藤堂さんとご一緒されるんですよね」



 この辺は、仕事に関係があることなのだろう。麻衣と基が出演するミュージカル『森の洋館と二人のアリス』の話が出る。麻衣は、この情報は告知会もあったので、色々と話してくれている。アットホームな現場で、楽しんで出来そうだと言っている。今回、呼ばれた理由もそのミュージカルがあったからだ。基側はミュージカルだが、嘉隆側は新しいシングルの『アステリズム』の宣伝に来た。



「今回は、同郷ということもあって、地元の放送局で対談と言う形になりました。歌手のことや、ミュージカル俳優のこと、色々と聞かせていただけたら嬉しいです」



 声を揃えて、嘉隆と基は「「こちらこそ」」と言って、頷き合う。櫻井は、質問内容が書かれた原稿とにらめっこしながら、質問していく。当たり障りの無い内容から少し突っ込んだ内容までさまざまだ。そして、流れはたまに脱線することがある。



「浅生くんは、どこだっけ、俺は広島市内だけど」

「ああ、僕は吉田です」

「合併してもそう呼ぶの、あるよね」

「あ、安芸高田です、って言っても広いし、地元のTV局なら、これでも通じますよ」

「まぁ、確かに、そうなんだけど」



 基は小中高とずっと地元だそうで、通学距離短くて良いよね、と言われた。嘉隆は、学校も近かったので、徒歩通学だったので、一緒だ。



「たいぎぃって思っていたんで、地元に高校があって良かったです」

「はは、確かに。俺は、結構、選び放題だったかな」

「それ、良いな。流石に、広島市内に通うのは嫌でした」



 その言葉には、櫻井にも苦笑された。広島市内の基は、それなりに頭も良く、何校か選択肢のあったうちから高校を選んだようだ。大学は東京の大学を受験して、大学に通いながら、役者の道を志したようだ。高校の頃に見たミュージカルが、基のその後の人生を変えた。



「すごいですね、僕だったら無理だ」

「大学のサークルに入っていたんだけど、それだけでは、満足出来なかったんだよね」

「そうなんですね」

「浅生くんは、高校を卒業してから、東京に出て来たんだよね」



 その辺の、嘉隆の情報は基の耳にも入っているようだ。高校の時にバイトをして貯めたお金で、東京に出たことを説明して、それから、ストリートライブをしたり、ライブハウスで歌ったりしたことを話した。



「じゃあ、その時に古川くんに会ったんだね」

「ええ、そうです」



 遥との出会いを話して、デビューまでの道のりを説明することになった。番組には、収録時間があるので、少し端折ったところもあるが、概ね間違ってはいない。

 そして、基もレーゲンボーゲンのデビュー曲を知っていてくれた。やっぱり、出身が一緒だと気になるものだよね、と言われたが嘉隆は曖昧に頷いておいた。実は、あまり、気にしたことは無かった。これは、後で、麻衣だけでは無く遥にも突っ込まれるな、と思う。

 その後に、基は大学を卒業して、ミュージカル俳優の道に進んだと言うことだ。養成所に通い、オーディションに応募して、二十五歳の時に夢を掴んだ。それから、ずっと、たまにドラマなどで俳優の仕事をすることもあるが、基本はミュージカルの仕事が多い。

 最近では、ミュージカルがお茶の間にも浸透してきて、TVの音楽番組にも呼ばれるようになったそうだ。麻衣も一度、ミュージカル俳優の幹也と一緒に音楽番組で共演している。



「俺とも一緒にやろうよ」

「僕で良かったら」

「うん、約束だよ」



 その嘉隆と基のやり取りに櫻井も嬉しそうだ。お互いの事務所を通しての仕事になるので、口約束でしかないが、基は乗り気だ。うん、川村さんも一緒でも良いよ、と言った基に、嘉隆は笑顔で、「それは麻衣本人に聞いて下さい」と言った。そして、和やかに対談は終わったのだった。



 このお話の、TVでの放送回は十月のお話で書く予定です。基さんは、高校の授業で見た、ミュージカルに衝撃を受けて、役者の道に進みたいと思うようになりました。大学に進学して、サークル活動をしながら、バイトもして、卒業後に養成所に通いました。そして、オーディションを経て、二十五歳のときにデビューしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。