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虹の架け橋  作者: 藤井桜
本編
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新米と可愛い悪戯と



 遥くんから、荷物が届いたよ、という連絡が来たのは、十月の半ばだった。九月の終わりに実家に帰った時に、(よし)くんに手伝ってもらった稲刈りで収穫したお米を、浅生(あそう)家と古川家に送ったのだ。

 嘉くんには最初断られたんだけど、やっぱり、うちの実家のお米食べてもらいたい、と言ったら折れてくれた。作ったの私じゃないんだけどさ。嘉くんのお父さんの実家は、農家なので、やっぱり、お米を作っている様で、毎年、お米が無くなると実家から貰うらしい。


 古川家の方は相変わらずサプライズだ。嘉くん、古川家にはすごくお世話になって、東京での実家のような、感じだったらしい。東京に出てからは、自分の広島の実家よりも通ったらしい。連絡先は実家にも伝えていたので、それ伝いで、住所を知って送った形だ。

 ひとめぼれとササニシキのどちらを送るかで本気で悩んだ。私の好みはササニシキなんだけどね。実家に送ってもらう時は、決まってササニシキを送ってもらっている。育てやすさでは格段にひとめぼれの方が楽だって、悠兄が言っていたので、そのうち、ササニシキはやめて新しい品種にしようかなと思っているらしい。


 それ、すごく残念だけど、仕方がないよね、やっぱり、育てやすく、手間がかからない方が格段に良い。それは、農業高校出身なので、よく分かる。



「麻衣ちゃん、お願いだから、サプライズだけはやめてくれ。宮城県の住所だけで親が名前だけ見てもピンとこなくて、間違ってるんじゃないかって俺に連絡寄越した」

「あう、ごめんなさい」

「嘉の悪戯に付き合う必要ありません」

「遥くん、まるで、お母さんみたい」

「麻衣ちゃん、反省してる?」

「ごめんなさい。反省してます。っていうか、なして、私だけ怒られてるの?」

「嘉は何度言っても、反省しない。麻衣ちゃんがあいつを止める事。一緒になって、悪戯の共犯にならない」

「ううん? なんか、それ小さい頃にも親から言われたような気がする」

「もしかして、麻衣ちゃんのそれ、昔からか。そのうち、誰かに騙されるよ? 騙されるのは嘉だけにしとけ」



 いや、嘉くんにも騙されたくはないかな。でもね、送りたかったんだよ、古川家にもいつもお世話になっているから、そう言ったら、今度から前もって連絡しなさい、と言われた。やっぱり、遥くんはお母さんみたいだ。


 兄と一緒に遊んでは、悪戯してその度に、親に怒られた。小さい頃の悪戯なんて可愛いものだ、近所の無花果の実を食べたり、カエルを捕まえて、家の中に放したり、後何かあったかな。

 線路の上を歩いた時も怒られたな。それは、悪戯ではないか。


 まぁ、約四十年間、生きて来てなんとか生きて来れたので大丈夫だと思う。確かに流されやすい性格しているなと思わなくもないけれど。それと、きっと、嘉くんに言われたらまた、付き合っちゃう可能性ある。

 だって、あの声でお願いされるとノーって言えないんだもの。そして、きっとまた、遥くんに叱られるんだ。



 そして、今度はお米だけではなく、野菜や果物、海産物なんかも送ろうと思います。秋は、色々ものが美味しい季節だからね。嘉くんも遥くんも好き嫌いが無いので、嬉しい。農家冥利に尽きるよね。



 宮城のお米って言ったら昔はササニシキ、今はひとめぼれですね。最近、だて正夢とかも出ましたね。それよりは、まなむすめの方が好きかなー。あれは、もうないのかな。

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