Twelve episode
昨日の続きです。リアルが多忙のため8月まで多分更新ないです。
「え、えっと…シュガーさんが一人でいるときにお菓子を作るのもシャンさんは反対なのですか?」
「そりゃな、こいつは皇…こう、こう見えて私の嫁だし高貴な女だからな!作るなんてもってのほかだ。あと、居てもいなくても作った後だと部屋中に甘い匂いがするから駄目だ。私と息子は甘いものが好きではないしな。」
どう考えても言い直したけどそこに突っ込みは入れないとしても高貴だからという理由ならば別にいいのでは?と思ってしまう。てゆうか多分そっちが重要なんじゃなくてシャンさんとその息子さんが甘いものが嫌いというのが問題だと思ったりして…。
「えー!!クーくんは元々甘いもの嫌いだったけどアーちゃんは甘いもの大好きだったんだよ!」
シャンさんは眉間のしわを片手で押さえながら
「それを毎日毎日甘いものを食わせて甘いものを苦手にしたのは誰だ…みんなと君は違うんだよ…あと!!家族以外がいる場でクーくんはやめてくれないかなシュガー!?」と叫ぶ。
「むぅ…クーくんの意地悪…」
シュガーさんはその発言に無言でまた口を膨らませ、腕を組む。
話を半分に聞いてもシュガーさんは大の甘党で大概だと思うけれどシャンさんもシャンさんでお菓子大好きお菓子作り大好きなシュガーさんを縛り過ぎている。
見るからに自由奔放な彼女にとってみればたったそれだけでも多大なストレスであろう。
そしてそんな痴話喧嘩をしている熱々カップルに間に挟まれた私の心は氷河期を迎えて、凍死しそうだったので口を開いた。
「高貴だからってお菓子作りを禁止してしまっては生き甲斐がなくなってきっとシュガーさんもっと逃亡しますよ。この前も私の部屋に来たてたし…。」
シュガーさんは「そうだそうだ。」と背後から言葉を飛ばす。
「まあ、高貴というのは建前で、つまりはシャンさんとアーちゃんさんは甘い匂いが嫌なんですね?でも、シュガーさんはもっとお菓子を作りたいし食べたい。」
「まあ、そうなるな。」
「なんとかならないかしら…」
大の大人二人が真剣に同じポーズで悩んでいる姿が微笑ましく、私はプッと吹き出してしまった。
「そんなにお菓子作りがしたいのでしたらシュガーさんはこれからもずっと私の部屋で作ればいいのではないですか?例の方が来ない日は暇ですし、大歓迎ですよ。」
それを聞いた二人は目から鱗というように目をぱちぱちと瞬いている。
「ムムちゃんの部屋で??いいの??」
「もちろんですよシュガーさん。部屋はそんなに広くないし綺麗でもないので、シュガーさんが嫌でなければですけど。」
シュガーさんとの出会いはとても衝撃的だったが私は彼女が大好きだった。
お菓子を食べていたりお茶を飲んでいると時々現れては手作りお菓子をくれたり、作り方を教えてくれたり、他愛ない会話に花を咲かせたりもしている。
と、いうか今までだって突然やってきてはお菓子を作ったりしていたのでただ私からの任意を得たというだけのことだけだろうが。
二人はそろって大喜びして手と手を取り合っている。
「うむ、お嬢さんの部屋でならいくら作っても文句は言わないが…シーちゃん、夕飯の時にはちゃんと帰ってくるんだよ?夕飯もお菓子なんて絶対だめだよ?」
「大丈夫よクーくん。夕飯はちゃんと食べるしムムちゃんへの迷惑も考えて行くのは多くても週一くらいにするから。」
なんだろ…普通の会話を聞いているはずなのにシュガーさんとシャンさんのラブラブっぷりにそんなにお菓子を食べていないはずの私は胸焼けをしています。
そろそろ体力も気力も限界だと感じ、私は二人の世界を壊さないようにそっと自室へ戻った。




