20 サンクトペテルブルク
大ロシヤ大帝国「サンクトペテルブルク」
バルト海に面した大ロシヤ大帝国の湾岸都市。ハリストスから天上への鍵を受け取った使途筆頭のペトロにちなみ「聖ペトロの街」という意味である。またロシヤ文化の中心であり世界的な作家達の活動拠点でもある。
冬宮殿前
「俺様が来たぞ。開けろ。」
「皇帝をだすのじゃ。」
「何者か!?」
「バルト海人々の平和と安寧の為モノ申す。」
「世界の果てまで来たのじゃ。」
「Net。曲者だ。出会えー出会えー」
門衛が全く話を聞いてくれないので、仕方なく退散した。
「大ロシヤ大帝国人は頭が堅いのじゃ。」
「柔軟な発想が時に大きな躍進をうむのにな。」
「おほほ。私も皇帝に対しての伝手は手元にないのですわ。」
「仕方ないから孤児院にでも行くのじゃ。」
サンクトペテルブルクの大層立派な教会のついた孤児院
「ここの孤児たちは少し痩せておるのじゃ。」
「お国柄なのか静かだな。」
「、、、」
「あなた方は海の向こうにいける船をもった商人でしょうか?」
なかなか立派な服装をした若い神品(聖職者)が近づいてきた。
「私は修行中の身ですが、主教となるため4大総主教庁に行きたいのです。」
「お使いイベントなのじゃ。」
「十字教の中心地といえばバチカノがある「ローマ」か、遠いな。」
「ちょうどよいですわ。私様も東方総主教庁がある街に用があるのですわ。」
「俺様には無い。」
「妾様にも無いのじゃ。」
「私様達のこの街での用事は終わったので出発するのですわ。」
サンクトペテルブルク沖、洋上
「ここらへんも、海賊が多いのじゃ。」
「少々、多すぎだな。嫌な予感がするぜ。」
「貴方の事は私「新生ハンザ同盟」盟主である「ハンザの女王」が保護しますので、安心して船旅をお楽しみくださいませ。おほほ」
「まるで自分の船かのように言いよる。」
「ありがとうございます。あなたにハリストスの恩寵がありますように。」
「前話では宗教なんか糞みたいなこと言ってたのじゃ。」
「それにしても、俺様達はいろいろと忙しいのだぜ」
「ローマまで、行って帰ってきたら凄く時間がかかるのじゃ。」
「その間に大ロシヤ大帝国がちょっかいを掛けてきたら事だぜ。」
「おーほほほ。私の計画どおりなら、すぐになんとかなりますわ。」
「ショートカットでもみつけたのか?」
「ワープゲートは未実装なのじゃ。」
「それだけではなく、我々が抱える問題を一挙に解決できるのですわ。」
「そんな方法があったら苦労しないのじゃ。」
「おーほほほほ。ここに大ロシヤ大正教の重要人物がいますわ。」
「まさか人質にでもつかうのか?俺達は薄汚い盗賊野郎じゃないぜ。」
「のじゃ!!」
「私は聖伝を実行するものとして屈しません。ぷるぷる」(恐怖)
「まさかですわ、先ほど宣誓した通り私の責任で安全を約束しますわ」
「ほっ」(安堵)
「よかったのじゃ。」
「貴方達のこれまでの船旅の話はとてもとても興味深く素敵なものでした。」
「急にエピローグがはじまったのじゃ。」
「エンドロールにはまだ早いぜ。」
「いろんな場所で、いろんな人と出会い、美味しい物を食べ。時には、トラブルなんかに見舞われたりして、それはそれは楽しいお話でした。」
「まぁな。」
「照れるのじゃ。」
「ところで、貴方様方は何処かの国に所属してまして?」
「してないのじゃ。」
「俺様達は自由だ。誰にも縛られない。」
「つまり、世界各地で問題を起こしている謎の武装集団の船に乗せられた、ロシヤの人々にたいへん親しまれている「大ロシヤ大正教」の重要人物を、「新生ハンザ同盟」が保護したのですわ。」
「そいつは聞き捨てならないな。」
「のじゃ!!詭弁なのじゃ!」
「おーほほほ。見るものの目線の話ですわ。」
「それで、俺様達に「バルチック艦隊」を嗾けようって事か?」
「のじゃ!バルト海最強がなんぼのもんじゃいなのじゃ!!」
「おーほっほほほ。そちらの対処もしてましてよ。」
「そういうのいいから早く言え。」
「言うのじゃ?」
「前回ストックホルムを出る前にお手紙を出しましたの。」
「妾も誰かから手紙がほしいのじゃ。」
「孤児院の子供たちにも書いてやるか。」
「これですわ。」
『天下一海賊会開催地変更のお知らせ。バルト海の北風が頬をさす中、我こそは最強であるとお考えの海賊の皆様いかがお過ごしでしょうか。この度は大変勝手な話なのですが、主催者の都合で「天下一海賊会」の開催場所を「サンクトペテルブルク沖」に変更させて頂きました。ルールの変更はございません。眼につく海賊すべてを蹴散らしあい最後に残った海賊が最優秀の海賊です。皆さん奮ってご参加ください。』
「どういう事なのじゃ?」
「つまり海賊で海賊を呼ぶ「天下一海賊会」が開催されるってことさ。」
「つまり「バルチック艦隊」はしばらく動けないという事ですわ。」
「バルト海最強だぜ?野良海賊ごときでどうにかなるのか怪しいもんだ。」
「軍とは組織された暴力なのじゃ。」
「陽気で愉快なバイキングの恰好をしたデンマー軍も参加しますの。」
「のじゃ!?」
「足らなければ、クイーンズネイビーも招待する準備ができてますわ。」
「まぁまぁの相手だな。」
「お腹いっぱいなのじゃ。」
「さらにデザートもありましてよ。」
「ふっ俺様は別腹までいっぱいでな。」
「妾もだいえっと中での。」
「おーほほほほ。これですわ。」
「食べ物じゃなかったのじゃ」
「本だな。赤い表紙の。」
「この本には、みんなで働いて、みんなで分け合ったら、みんなお腹いっぱいになって、みんな幸せになると書いているのですわ。」
「それはとても素敵なことだな。」
「良い本なのじゃ。」
「私もそのように考えまして、大ロシヤ大帝国の皆さんに是非読んで頂こうと、たくさんばら撒いてきたのですわ。おほほ」
「世の中を良くすることまで考えているなんてすごいのじゃ。」
この後、「大ロシヤ大帝国」はなぜかサンクトペテルブルク沖に集まってきた海賊への対応と、社会主義的解放を求める農奴達の運動によって、「新生ハンザ同盟」の躍進を止めるための行動ができないのであった。




