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陽と月  作者: 如月いさみ
全国巡回駐在員

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決心 12

 陽は電話を切るとホテルの部屋から夜の町を見つめた。

 この穏やかな日常は本当は当たり前ではないのだ。奇跡なのだ。様々な人々の見えない努力の上に成り立つ奇跡の上にあるのだ。


 人は時々それを忘れて『それが当たり前』と思うことがある。その心の油断や傲慢さの果てに非日常と言う不幸が待っているのだ。


 直島の駐在所にいた永田泰三は恐喝と暴行罪などで起訴され警察官の職を追われた。

 また牧野剛二の息子は東京の方で強盗を行って服役していたことが分かったのである。


 牧野剛二は島民の代表として大間和利を訪ねて深く謝罪をし、もう一度駐在員と戻ってきてもらいたいと和解したのである。

 当たり前の胡坐をかくことの恐ろしさを島民誰もが感じたのである。


 そして、互いに大切にしていき新しく良い島づくりへと向かって行くことになったのである。

 

 陽は東京の警察庁に報告に行きそれを警察庁長官の浜中勝彦から聞き安堵の息を吐き出した。


 浜中勝彦は陽の報告書を受け取りいつもと違う瞳の色に笑みを浮かべ警察手帳を差し出した。

「これを受け取ってくれるか?」


 陽はそれを見て笑みを浮かべると古い警察手帳を返して敬礼をした。

「全国巡回駐在員の任をお受けいたします」


 浜中勝彦は敬礼をすると

「鷹司警視、宜しくお願いする!」

 と答えた。


 それから更に数十年。

 全国巡回駐在員で全国を走り回ることになるのである。


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