ゼロ君、行くよー。
区切りを付ける為にちょっと短いので、1時間後の午後10時に次を投稿します。
入って来たのは、あの時より少し老けた国王と美貌を保った王妃と、更に老けた宰相とフェリシアと学園長だ。
「待たせたな。」
俺達は儀礼的な挨拶をした後、国王の方から話を始めた。
「話はフェリシアから聞いておる。久しぶりだな、ギリスの息子ヒイロよ。いや、ゼロと言った方が良いのか?」
「ヒイロは公式で『病死』していますから、ゼロでお願いします。それと、何故、此処に王妃様や宰相が?」
「流石に儂だけでは無理だからだ。それに、『娘の命の恩人』に不利益を持たせようとは思っておるまい。」
「分かりました。」
「さて。回りくどい事は止めて話をしよう。」
「分かりました。」
「望みは『冒険者ゼロ』としての自由だったな?」
「はい。」
「本当に要らんのか? ゼロが望むのなら、適当な貴族の所に養子にさせてやれるぞ?」
「いえ。必要ありません。貴族の生活を望むのであれば、『魔の森』に入ったりしません。」
「そうだな。しかし、やはり惜しいな。」
「妾からも言わせて貰うわ。ゼロさん。娘のフェリシアを助けてくれてありがとう。あの時に言えなくて、やっと言えたわ。」
「私にも改めて言わせてください。娘を助けてくれてありがとう。」
「もうそれくらいで良いです。あの時にきちんと報酬を貰ったのですから。」
「そうだ。報酬だ。本来なら、大々的にしたい所だが、そうなると、神殿と事を構える可能性がある。だから、大っぴらに出来ぬから大した褒美が出せぬが、何か希望は有るか?」
「……そうですね。これから、俺達は色々な所に行きたいと考えていますが、そんな時、先々に居る貴族と事を構える可能性があります。そうなると、ティア達も困るので、何か対抗出来るものが有ればと思います。」
「仲間を大切にしたいと言いながら、さらっとキツいお願いを言いよるわ。……良かろう。その願いを叶えよう。」
「お父様。私とレビィナ叔母様は、短剣を渡したわ。」
「レビィナだけではなく、フェリーもか!?」
「そうよ。」
「……むぅ。」
「陛下。唸らずに渡せば良いでしょう、短剣くらい。」
「しかしだな。レビィナやフェリーとは違うのだぞ?」
「あ・な・た。」
「……分かった。ゼロよ。此度の褒美として、王家の短剣を授ける。」
「謹んで拝領いたします。」
「宰相よ。」
「取ってまいります。」
色んな意味で固い立場の宰相が居ない間に雑談が始まった。
「この場での敬語は禁ずる。」
「分かった。」
「ゼロよ。後ろの猫の獣人族は奴隷であったな?」
「ああ。」
「それでは、もう1人とはどんな関係だ?」
「騎士が仕えるべき主に剣を捧げた様な関係だ。」
「もう少し分かり易く。」
「それ以上、聞かないのが冒険者の礼儀だ。」
「つまり、聞くなという事だな。」
「そうだ。」
少し雑談していると、宰相が戻って来たが、雑談の華は、やはり、「ティア弄り」だった。
やっぱり学園ではフェリシアに弄られ、それが王族にも漏れていたみたいだし、10才の時のティアの照れを覚えていたから。
国王がちょっと咳払いして、場の空気を変えて、俺は国王から王家の短剣を下賜された。
因みにこの「短剣」の所持者には権力を保有出来ないが、「信頼の証」として渡されるので、相手に因っては下手な権力よりも強かったりする。
まあ、ティア達を守る時以外では悪用する気は無いけどな。
可愛いは正義だ!
それと、フェリシアが国王におねだりをしていた。
「お父様。ティア達が王都に居る間に王宮に来て貰って遊んでも良いでしょう?」
「まあ、構わないぞ。」
「やったわ!」
「ティア。また昔みたいに遊びましょうね。」
「ええ、良いわよ。」
「フェリー。その時は、妾も呼ぶのですよ。」
「は~い。ティア、宿屋が決まったら冒険者ギルド経由で迎えを出すから伝えといてね。」
「分かったわ。」
こうして、俺達の王族との「話」は済んだから、もうティアの安全を遠くから気にする事は無い。
俺達の冒険はこれからが始まりだ!
……暫くは王都に居る事になるけどな。
(締まらないな、ゼロ。)
(だあー! 分かっているよ。)
(ゼロらしいと言えば、ゼロらしいがな。)
(ライオス。これからもよろしくな、相棒。)
(ああ。よろしくな、相棒よ。)
「ゼロ君、行くよー。」
「おう!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
起承転結の「起」が終了しました。
次からは、「承」が始まります。




