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勿論、勝敗は別だろうけど。

口裏合わせは大変です。

 学園長やティア達への説明と口裏合わせを始めた。


「ゼロ。先ずはお前の悪魔に対する知識は何処からだ。

 恐らく、大聖女様達すら知らない情報だ。」

「事の起こりは、俺が『魔の森』で鍛練していた頃になります。」


 学園長やティア達には、魔の森で鍛練している時に、旅人に出会い、その人に何故か気に入れられ、悪魔に関する知識を教わった事、その時に悪魔には謂わば2種類存在する事を知った、と学園長に話した。


「それが……」

「ああ。それが、『一般人』と『兵士』だ。」

「……そうか。」

「あの人が言ってたよ。聖女達の知識が全てでは無い、と。」

「なるほど。……それに、『兵士』と名乗ると言う事は、当然、それ以上の存在、例えば『騎士』とか。

 ……そして、命令を下す存在も居るという事になるな。」

「そうなるな。」

「それで、『兵士』という存在とゼロが戦った原因は分かったが、この後の収拾はどうする?」

「何か、ゼロ君が悪い顔になっている!」

「ティア、そういうのは言っちゃあ駄目です。」

「そうなの、ルシア?」

「……巻き添えを食らうからです。」

「え!? いやーーー!」


 ルシアの経験則からの現実的な言葉で、叫び声を上げるティアが可愛いな。


「そうだな。俺の前には、元王族で、元聖女で、学園長という責任者が居るし。更に、元公爵令嬢で、名高き冒険者も居るからな。」

「ゼロ君! 謝るから……」


 ティアはどんな無理難題を押し付けられるのか、と青ざめていた。


「大丈夫だよ、ティア。ティアには簡単な役をして貰うから。」

「本当に?」

「勿論だよ。」

「で、ゼロは私に、何をさせる気だ?」

「先ずは、この『琥珀宝珠』を大きな形で残る様に砕きます。」


 勿論、手袋着用中。


「はあ!? 貴重な『宝珠』を!?」

「次に魔法とスキルの混合で造った短剣と宝珠を合成。

 出来上がったのが、如何にもな感じで砕けた宝珠付きの特別な短剣の出来上がり。」

「ちょっ、ちょっと待て。」

「はい。」

「何処から出した、その短剣?」

「先程、魔法とスキルの混合で造った。旅人から教わった技術だ。」

「そんな技術、聞いた事が無い!?」

「そりゃあ、そうだろうな。独自に考えて修得した技術だって言ってたからな。」

「……分かったわ。それで、謂わば『使えない短剣』をどう使うのよ?」


 演出用に短剣の刀身はボロボロに、鞘もくすんだ色合いにしてある。


「元王族だから、一般人には手に入らない魔道具を王家からコッソリ貰える可能性が有るよな? 元聖女だから悪魔と戦えるよな? 勿論、勝敗は別だろうけど。」

「……何か、王族に対して間違った認識を持っていないか、ゼロ?」

「そして、この場には、学園を辞めたとはいえ、信頼厚い淑女が居る。」

「ね、ねえ、ゼロ君。」

「何だい、ティア。」


 俺は手袋を仕舞いながら、ティアの質問を聞く。


「私も何かするのよね?」

「ああ。簡単な仕事だよ。」

「ど、どんな?」


 ティアは思わず「ゴクリ」と喉を鳴らした、


「あの悪魔は、学園長が討伐したという事にして、俺達がその補助をした。その証明をティアがする。」

「待て、私は『元』だぞ。最早、そこまでの『力』は無い。」

「だから、この短剣を造ったんだよ。『宝珠』は、知る人ぞ知る、幻の鉱石だ。そんな宝珠を使った短剣なんて、一般人は持っていない。だが……」

「まあ、『元王族』で、『元聖女』で、『学園長』の私なら、持っていても不自然ではないな。」

「ああ。学園長は、元聖女として、俺達に指示を出しながら時間を稼ぎ、短剣に封印された『力』を解放し、聖女の聖術と合わせる事で悪魔を討伐する事が出来た。これをシナリオとする。

 勿論、宝珠を砕いたのは、宝珠の『力』を使い果たしたから、で、押し通してくれ。」

「私は?」

「ティアには、今、言った表向きの理由が事実だと皆に言うだけだよ。」

「わ、分かったわ。ゼロ君。私、頑張るよ。」

「ティア、応援しているよ。」

「……ゼロ君。」

「……ティアに、ゼロ。イチャイチャするのは、宿屋に帰ってからにしろ。」

「……あ!?」


 瞬間、トマトになるティアが可愛いな。


「それでは、良いか?」

「あ、ああ。」

「勿論、実際の討伐の報酬は、俺に関する情報の秘匿で。当然、大変だろうけど、神殿や王家にもな。」

「あ、……ああ。分かったわ。」

「それと、大聖女ティリス様には俺達から伝えておくよ。」

「分かったわ。」

「あと、俺達は疲労から動けない振りをする。ティアは聞かれた時だけで良いからな。身体の傷はルシアが治療した事にする。」

「分かったわ、ゼロ君。」

「分かりました、ゼロ兄さん。」

「ゼロ。その、……ルシアのお前の呼び方は?」

「あ、パーティー内の事なので。」


 学園長は、今一納得していない、という顔をしながら引き下がった。


「わ、分かった……」

「それじゅあ、皆を起こすな。集団で気を失ったのは、悪魔の魔力に当てられたからでお願いする。」

「ふう、分かったわ。」

「では、解除。」


 演出用に指をならす。


「あれ、先程のモンスターは?」

「あれ、闘技場が壊れている!」

「あ、学園長!」

「学園長、何が有ったのですか?」

「それをこれから説明する。先程、起きたのは……」




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


8月10日は区切りが付く為、2話連続投稿します。

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