ゼロ様、また何人泣かせのですか?
そんなに、都合良くフラグや伏線は現実には有りません。
実家への旅だが、来た道を戻るのはアレだから、別ルートで向かっている。
「しかし、盗賊しか釣れないな。」
「そうだね。」
交代制で馬車の御者をしていたら、盗賊が良く現れた。
勿論、村や街とかはまだ先だから、盗賊共には運が無いが、首チョンパでアジトから全財産回収を繰り返している。
多くて10人程度の集団で、点在している。
やっぱり、縄張りが有るのだろうな。
目標の街まで後、1時間だ。
馬車の中では、魔力制御、魔力操作向上に繋がる、「魔力お手玉」をしている。
コレが結構キツい。
最初は自分の得意な属性の魔法でお手玉を作り、慣れたら数を増やす。
10個が出来たら、自分の得意な属性魔法と、次に得意な属性魔法の御手玉を1つずつ出して、また魔力お手玉を始める。
こうやって遊びながらだけど、続けていくと、魔力の制御と操作がかなり向上する。
「もう直ぐ、目的地の『カサンドーカの街』に到着するよ。」
「分かった。」
この森を抜ければ、目の前にカサンドーカの街の壁が見えるという所でイベント発生。
「助けてくれ~。」
わざわざ、俺達の近くに寄ってから、カサンドーカの街に逃げやがった!
トレインはそれなりの重い罰を受けるのになぁ。
注:トレインとは、モンスターから逃げている者が、他者に追ってくるモンスターを擦り付けて、逃げている者だけが助かろうとする卑劣な行動をトレインと呼ぶ。
「キサラ、阿呆共を捕まえといて。」
「分かったわ。」
「ギャウン……」×10匹
追ってくるモンスターのフォレストウルフ10匹を雷撃針で討伐して、マジックバッグに仕舞う。
トレインした阿呆共には、罪人移送用の括り型で連行した。
そして、徒歩が居る為のろのろと進み、馬車用の列に並び、待つこと20分。
やっと俺達の順番が廻ってきた。
門番にトレインされた事を伝え、後、盗賊討伐も伝えた。
因みにトレインの罰則は、1ヶ月の街内の美化労働に毎日駆り出され、その後は、また1ヶ月の冒険者ギルドでの戦闘に関する座学と訓練。
途中で逃げたら、冒険者資格は凍結され、鉱山労働送り。
罰則金を払い終われば、また街内の美化労働。
と、コレを繰り返す。
逃げずにやり終えたら、冒険者として経歴とかを抹消され再スタート。
勿論、ランクもGランクからだな。
トレインがこんな重い罰則になるのは、最悪スタンピードが発生するからだ。
モンスターにも縄張りが有るからなぁ。
そういう訳でトレインは罰則が重い訳だ。
盗賊の討伐報酬を貰い、とりあえず馬車を預けられる「良い」宿屋を聞いて、そこに泊まる事にした。
うん、悪くないな。
それじゃあ、街の散策をしますか。
と、その前に、討伐したフォレストウルフ10匹を換金しないとな。
周りの人に冒険者ギルドの場所を教えて貰い向かった。
到着して、中に入り、受付嬢に換金をお願いして、解体場に案内され、フォレストウルフ10匹の解体をお願いする。
併設された酒場でジュースを飲みながら待っていると、受付嬢に呼ばれ、フォレストウルフ10匹の討伐報酬と換金代を貰う。
大銀貨1枚と銀貨5枚になった。
その後、受付嬢に何かないかと聞いたら、1週間後にオークションが有るらしい。
誰でも参加出来る訳ではないが、冒険者パーティーの場合、最低でも1人はCランク冒険者が居る事。
所持金が1人最低でも、金貨2枚以上を持っている事が条件らしい。
何でも、入場料が1人金貨1枚で、過去最低落札が金貨1枚だった事から決まったらしい。
……という事は、俺達の場合、金貨10枚が最低限になる訳か。
興味を引いた俺は、現段階で見せれるオークションのリストを見せて貰った。
やっぱり奴隷が多いな。
パラパラと見ていると、ティアとルシアが反応した。
「ティア、まさか、コレは……」
「うん。もしかしたら……」
ティアとルシアが見ている内容を見ると、女奴隷のプロフィールで、内容は、性別女、年14歳、碧眼、緑髪、元子爵令嬢、片目損失、両腕損失。
と書かれていた。
……まさか、な。
一応、一通り見るとリストを受付嬢に返し、オークション参加に関する取り決めを確認してオークション当日参加資格証と人数分の顔を隠す為のマスクを金貨11枚で買い、俺達は宿屋に帰った。
「……ゼロ君。」
「オークション当日まで、荒稼ぎしてくるから、ティア達も此処で頑張って稼いでくれ。キサラ、悪いがティア達を頼む。」
「ゼロ君!」
「ゼロ兄さん!」
「アタイに任せておきな。」
「ゼロ様、行ってらっしゃいませ。」
「ああ。行って来る。」
俺は、街を出て、適当に森に入り、深く入った後、上空まで飛び、また地元の魔の森に向かった。
しかし、伏線とか無かったよな。
まあ、漫画やラノベじゃあ有るまいし、現実だと都合良くフラグや伏線が出たり分かる訳ないか。
こうして、俺は前回と同じ方法で荒稼ぎをした。
オークション当日
「ゼロ君!」
「ただいま。」
「お帰りなさい。……それでどれくらい用意したの?」
「白金貨500枚。」
「5……」
慌てて、ティアは自分の口を塞いだ。
「ゼロ様、また何人泣かせのですか?」
「国王と宰相。」
「ゼロ君、何が有ったの?」
「魔の森で討伐生活を送っていたら、洞窟を発見したんだけど、大量のファントムワームを発見した。」
「ファントムワーム?」
「このファントムワームは先ず市場に流れない。何故なら、このファントムワームから取れる『糸』は、幻の糸なんだ。ハンカチ1枚分で男爵令嬢の結納金になると言われている。」
「わぁ。」
「ゼロ兄さん。どれくらい取れたのです?」
「洞窟内のファントムワームを2割残して全部討伐して、売れたのは2割かな。まだたっぷり残っているから、ティアのウェディングドレスはコレで作ろうな。」
「……ゼロ君。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




