高くなった鼻を折る事。
肩書きだけで判断する人が居ると大変です。
「それで、俺達に何の用だ?」
「……そのぅ、何だ……」
「まさか、また『俺達を呼べ!』みたいな事か!」
「察しが良いな。その通りだ!」
「……さて、次は何処を廻る?」
「待て待て! 無かった事にするな!」
「面倒臭い。」
「きちんと金は払う。」
結局、承諾してまた本部に行く事になって、着いた場所は、練武場だった。
「とりあえず、他人の尻拭いの代金は幾らだ?」
「金貨10枚だ。」
「内容は?」
「高くなった鼻を折る事。」
「……あ~、はい。つまり、所属している名前だけで、偉くなり強くなったと思い違いをしている連中をボゴれ、と。」
「……そうだ。察してくれて助かったよ。説明するのかなり恥ずかしかったからな。それで受けてくれるか?」
「気晴らしするだけで金貨10枚だからな、受けてやるよ。……だけど、分かっているよな?」
ちょっぴり、オーガが3歩くらい下がる殺気を当てる。
「……わ、分かっている。」
「なら、良い。呼んでくれ。」
「分かった。」
因みに、ティア達は、練武場が見下ろせる貴賓室で、優雅にお茶している。
レシーハは分かっていて、ティア達さえ安全なら俺も大人しいと察している。
そして、ぞろぞろと装備品も、漂う空気も半端な連中が20人現れた。
「ゼロ、悪いがこいつらがそうだ。」
「分かった。おい!」
「レシーハさん。このガキがそうですね?」
「そうだ。」
「なら、オレからだ!」
24分後、「一対一」、「一対多数」を一通りやって、立ち上がる事さえ出来ない、イキがった半端者が居た。
そして、今は、レシーハと模擬戦をしていたりする。
「マジか?」
「化け物だな。」
「オレ達が手も足も出ずに負けた上に、レシーハさんと互角なんて……」
「オレ達、弱かったんだな。」
「そうだな。」
レシーハside
ゼロが勝つとは思っていたけど、何だ、アレは!
まるで、大人と子供だぞ、アレは。
そういえば、ゼロは、学園の講師をしていたらしいな。
つまり、ゼロにとっては、学園のヒヨコ共も、寝転がっている連中も教えられる側か。
20回以上の連戦の上でオレと模擬戦しているが、疲れていないのか、ゼロは!
……あ、互角?
馬鹿言え!
魅せられているんだよ!
改めて決めた!
ゼロ達には手を出さない!
マグーザさんにも強く言っておかないとな。
……って言うか、2度と関わりたくないな。
精神も身体も疲れる。
ゼロside
……もう良いかな、模擬戦。
ほい、チェックメイト。
「ほい。」
「……参った。負けだ!」
「久し振りに動けたわ。」
「……そんな感想かよ。此方は必死だったよ、化け物め。」
「まあ、上には上が有る、という事で、な。」
「分かっている。おい!」
「……は、はい!」
端に居た男性が駆け寄って来て、レシーハに袋を渡す。
「ほい、報酬。」
「……確かに。」
俺は中身を確認した後、仕舞った。
「それじゃあな。」
「おう。悪かったな。」
「貰うモン貰ったから気にするな。」
こうして、気晴らし程度の運動で大金が手に入ったな、一般常識的な感覚では。
領主館に帰って、夕食、風呂に入った後、寝るだけの時に、ティア達と話した。
「明後日、真面目にダンジョン攻略をしようと思う。ティア達はどうかな?」
「ゼロ君、勿論行くよ。」
「ゼロ兄さん、賛成です。」
「ゼロ様が行く所が私が行く場所です。」
「アタイもリンと同じだよ。」
「分かった。明日はダンジョン攻略に必要な物を買おう。」
「はい。」×ティア達
翌日、朝食後に、ダンジョン攻略に必要な物を買い、後はのんびり過ごした。
室内遊戯、まあ、チェスもどきとかトランプもどき等をやり、総合優勝はリン、2位は俺、3位はルシア、4位はティア、5位はキサラだ。
なお、本人には気付かれていないが、一部に忖度が有った事は秘密だ。
……だって、最下位争いで、ずっと泣いているもん、ティアが。
そして、最下位になったキサラへの罰ゲームは、キサラ本体の徹底した手作業での清掃だ。
だから、翌日のキサラは肌艶々で、髪型もビシッて決まっていた。
ダンジョン攻略日
領主のガルバンさん達には最長で1週間くらいと伝えて、俺達のダンジョン攻略が始まった。
正直、20階層突破までは、俺とキサラを前面に出してのタイムアタックみたいになった。
だって、この世界のダンジョンは、「突破した所から再スタート」にならないからだ。
そう。
行きは平等になっている。
10階層のボスは俺の黒雷槍で全滅させ、20階層のボス「ミノタウロス」は、キサラが斬殺した。
そして、11階層からは、気を付けていれば分かるトラップが出始めた。
冒険者ギルドの情報だと、このダンジョンは50階層らしい。
トラップも21階層からは、注意しないと見逃してしまうトラップが増えてきた。
ダンジョンに出現モンスターは、11階層からは、ゴブリン系だけでなく、コボルトだったり、ウルフが出始めて、オークも居た。
21階層からは、ウルフ系、オーク、オーガが出始めた。
俺達は、途中に休憩を挟み、28階層の安全地帯と呼ばれるモンスターが出現しない、入って来れない場所で、今日の終わりの場所にした。
同じ安全地帯には、他にも2組の冒険者パーティーが居るが無視して、夜営の準備を始めた。
「やあ、初めまして。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




