もう、居ないな!
黙っていれば誤魔化せる、というのが出来ないのが魔法が使える世界のあるあるですよね。
……どうしてこうなった!?
学園長に王権という交渉材料を使ってお願いして、今、広がっている噂はデマだと伝えて貰っているのだが、何故か、俺達は、正確には俺だけ練武場(運動公園を連想してくれ。)の北隅にある闘技場の上に立っていて、観客席は満席だ。
俺か立つ反対側には、既に、打撲傷の治療を聖女セイカ監修の下、生徒が治癒魔法を掛けている。
「次はボクだ!」
どうやら、噂を信じた阿呆な生徒は、無理矢理の暴力で無ければ良いんだと考え、きちんと学園側に許可を貰い、「戦闘技術向上の為」とかで、闘技場の使用許可を取り、授業の一環とする事で、俺が断れない様にして、一部の先生(俺を睨んだ先生)が中心になって動いた所為で、実現した公開私闘という訳だ。
学園長には、王家の短剣を見せながら俺を睨んだ先生を首にする様に命令して、王宮には、代わりの先生の補充をお願いを書いた手紙を送った。
「キサラさんを助けるんだー!」
「はいはい。」
「げはっ!」
「勝者ゼロ!」
負けた生徒が運ばれると次の生徒が俺の前に立った。
「次は私よ! ティアお姉様をあんたの毒牙の餌食にさせない!」
「あ~……」
「覚悟ー!」
「はいよ。」
「あ……」
「勝者ゼロ!」
首トンで終わらせた。
むしろ、ティアは俺の毒牙に掛かるのを待っている節があるぞ。
何故なら、今、ティアは、両手で頬を包み赤面して身体をクネクネしているからな。
馬鹿馬鹿しいから、全て一撃で終わらしているが、一応、実技の講師としては、それなりの事を見せた方が……
いや、生徒に馬鹿が多い、だから、サービスは要らんだろう。
挑戦者が2桁を過ぎた辺りから数えていない。
はぁ~……
こうなったら……
「1人1人は、面倒だ! 全員で来い!」
「良い度胸だ! 皆、行くぞ!」
「おう!」×男子生徒達
「はい!」×女子生徒達
ちょっと竜○子の真似で、やってみたら結構上手くいった。
なんとか、結果は重症で単純骨折程度に抑えた。
「ふ、ふふ。あれだけの人数と戦ったんだ。相当疲労している筈だ! 最後はオレだ! 全員をオレのハーレムに入れてやるぜ。ふふ。ふへへへ。……死ねぇー!」
「お・ま・え・がな。」
「ぎ、がはっ、ぐはぁっ!」
上段に構えてからの突進を、模擬剣が振り下ろされる前にその速さを上回る速さで懐に入り、右アッパーカットからの左回し蹴りを放ち、決めはハートブレイク系の溜めと捻りを加えた前蹴りを腹にブチ込む。
「もう、居ないな!」
そう言うと、もう誰も反応が無かった。
「それと、今回の騒動の原因である噂を流した奴、調査して、それなりの厳罰にする。これは、学園長も許可が出ている。少しでも、罰を軽くしたいなら、自ら名乗り出るんだな。」
「なっ!?」
「何か、学園長。」
「いや、なんでも。私は、生徒の善意と自主性を信じているぞ。」
これにて、この馬鹿騒ぎが終わった。
噂を流した奴は、厳罰が怖かったのか、この後、学園長室に出頭したらしい。
因みに聖女セイカは、俺の強さを知っている為か、俺が勝つと信じていて、この機に治癒魔法の練習にしようと思っていたらしい。
流石は放浪の、だな。
花咲き乱れる中庭で、ティアと2人きりでベンチに座っている。
他の皆は、察して俺とティアの視界の外に居る。
「馬鹿騒ぎも終わったな。」
「そうね。 ……それで、ね、ゼロ君。」
「何、ティア。」
「あ、あのね。い、何時、こ、こ、こい、恋人の様なこ、事を、し、して、してくれるの!」
ティアが、火傷しそうな程の赤面湯気を「プッシュー」と顔から吹き出して、質問してきた。
「そうだな~。お互いに貴族じゃないから、やろうと思えば、明日にも結婚出来るけど、きちんとやりたいから……
そうだな。 目標としては、『Aランク』を目標にして、達成したら、式を上げるのはどうだ?」
「……そうね。それ良いかも、ゼロ君!」
「そうか。それじゃあ、先ずはAランクを目指そう。」
「うん。」
素敵な笑顔で頷くティアが可愛いかった。
そして、数日後。
街外複合研修の日が訪れた。
「……説明は以上だ。」
「ゼロ君。何故、説明が終わったみたいにしてしないの?」
「1度やってみたかったんだ。」
「ゼロ君。駄目でしょう。きちんとしないと。」
「……はい。」
(や~い。怒られてやんの。)
(うるさい、ライオス!)
「それじゃあ、改めて説明するぞ。」
……と、言っても、俺達が担当するクラスは当初の予定通りで、カーラ達が居る。
ただ、人数が2人減り、その減った2人が組んでいたパーティーにはまだ2人残っている。
暫定的にこの2人は他のパーティーに加わり、これが終われば下のクラスから成績上位の2人が改めて組み直す予定らしい。
さて、今回の内容は、1泊2日の森の浅い所での夜営体験がメインになる。
そして、食料持ち込み不可で、腹が減ったら、森の食えるモンスターを捕えろって事だ。
まあ、薬草採取やモンスター討伐はやっていても、夜営経験は無い生徒が殆どだからだろうな。
勿論、冒険者ギルドには2日前から今回の事を通知と認知を依頼しているから、生徒に手を出す馬鹿は居ないだろう。……多分な。
「きゃあああーーー!」
……何故、起こるトラブル?
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ハートブレイク系とは、はじめの○歩の伊達さんのアレです。




