やっぱり聖女は真面目だな。
やはり、最初は、高い鼻をへし折る所から。
正式な手続きを取る為に、聖女セイカ達と別れた後、ヤカルカさんと一緒に冒険者ギルドに行き、正式に依頼を受け受理された。
出勤日当日
朝食をいつもより早く済ませ、学園に午前7時半に到着する。
学園長が、話を通しているお陰で初対面の職員に案内され、職員室に入った。
「此方の方々が、冒険者パーティー『星屑の翼』の皆さんです。」
俺達を案内した職員に紹介され、此方も自己紹介をした。
……数人、顔を歪めた職員が居たから、顔は覚えておこうか。
因みに聖女セイカ達は既に来ていて、言われた場所に行っているらしい。
やっぱり聖女は真面目だな。
その後、俺達は担当するクラスの時間割り等を聞いて、どんな授業内容かを聞いた。
……まあ、やる事は変わらないな。
そして、最初の授業は、いきなり実技だ。
学園側は、さっさと高い鼻をへし折って、今後の授業を楽にしたいからだろう。
既に、練武場で待っている生徒24人が居たが、その内半数の12人は俺達を見て、驚愕の顔をしている。
……そうか、カーラ達はこのクラスか。
納得だな。
空気を読まない担任の先生は、俺達を紹介した。
案の定、紹介が終わると、噛み付く生徒が出て来た。
「先生。彼らは本当に強いのですか?」
「ボク達と同じ年か下の様に見えますが?」
「それなら、俺が証明しよう。先生、誰かと模擬戦をしましょう。」
「そうですね。それでは、……」
その瞬間、青い顔をして祈る生徒が12人居た。
しかし、祈り虚しく名前が上げられた。
「……バーナ君。」
祈りを捧げていた生徒の1人が指名された。
「じ、辞退します!」
「そ、そうかね。それなら……」
「はん。最近はマシになったと聞いたが、やっぱり弱虫のままか、バーナ。」
なんか、気の強そうな少年が、バーナにヤジを飛ばした。
「彼にしましょう。」
「そうですか。……それでは、レラーヤ君対ゼロ講師の模擬戦を始めます。」
お互いに模擬戦用の武器を、レラーヤは木剣を、俺は木刀を選ぶ。
そして、禁止事項等の説明を受ける。
「準備は良いな? 模擬戦、……始め!」
「ふん! どうやって入り込んだが知らないが、化けの皮を剥いでやるぜ!」
俺は神経を逆撫でする目的で薄ら笑いを維持してレラーヤの攻撃を防ぎ躱し、たまに軽いアザが出来る程度の攻撃をしていたのだが、レラーヤは俺が全く力を出してない事に気付きぶちギレた。
「馬鹿にすんじゃねえ!」
「馬鹿、止めろ!」
「きゃあああ!」
レラーヤは木剣を捨て懐から、ナイフを出して切り掛かり、生徒達は、制止の声を上げたり、悲鳴が出た。
「死ねぇ!」
「ゼロ君!」
そう言って切り掛かって、わざと頬に1cm程の傷を付けた後、聖女様くらいじゃないと、完治しないじゃないかと思える程にボコボコにした。
直ぐに、生徒の1人が聖女セイカを呼びに行き、俺達を知るカーラ達は仕方無いという顔をして、それ以外は、驚愕や非難、恐怖の顔をしていた。
「ゼロ講師、説明を。」
「ああ。あの生徒は謂わば場所を変えたんですよ。」
「……場所を変えた!? どういう事ですか?」
「あの生徒は、学園の行う安全な模擬戦から、街の外で行われる生死を分ける殺し合いの場に、ね。殺されないだけ、まだマシですよ。」
「しかし、だからと言っても……」
「あの生徒が、木剣を捨てナイフを持って切り掛かった時点で、立場も環境も場所も関係無い。あの生徒の自業自得です。」
「それはそうだが……」
「もう良い! ここまでする必要は無い筈だ!」
生徒の1人が前に出て来た。
「決闘だ!」
「受けて立つ。」
「ゼロ講師!」
「ああ言った奴は言葉では無理ですよ。」
「レラーヤの敵を討ってやる!」
そう言って、模擬戦用の刃引きした剣を構えた。
「簡単に終わると思うなよ。」
「その思い上がりをぶち壊してやるよ。」
そう言って、俺は木刀を構える。
「……馬鹿にするな! 武器を代えろ!」
「当たらなければ、どうと言う事はない。」
「……良いだろう。その言葉を後で後悔するが良い!」
担任の先生は、諦めて、私闘にならない様に号令を上げた。
「模擬戦、始め!」
「喰らえ!」
生徒は、上段に構えて突進してそのまま振り下ろす。
「……がっ……」
俺は、振り下ろされた模擬剣を躱して、横一文字に腹に一撃を入れて沈めた。
俺の視線を受け、担任の先生は宣言した。
「勝者、ゼロ講師!」
その時、走って来た聖女セイカ達が到着した。
「怪我人は何処ですか?」
「聖女様! 此方の2名です。」
「それでは、これから治癒を開始しますが、治癒魔法をより修得したい者は居ますか?」
「はい。」
「私も。」
「ボクも。」
何人か名乗り出て、教えながら2人に治癒を施した。
その後は、パートナーを組んで組み手を始めた。
そして、担任の先生と聖女セイカが俺の下に来た。
「ゼロ講師、幾ら何でもやり過ぎでは?」
「私もそう思います。」
「俺はそう思わない。」
「何故です!」
「先ず、レラーヤは、たかが模擬戦で苛ついただけで、俺を殺しに来ました。ソレを徹底的に矯正しないと、いずれは、取り返しのつかない事をするでしょうね。しかも、『ボクは悪くない。皆、あいつが悪いんだ。』とか言いながら、ね。」
「それは……」
「もう1人も、友情を大切にして義憤から動いた様に見えるが、レラーヤが自分で用意したナイフを自分の意思で取り出し、俺を殺そうとした事実を無視している。アレは、いつか、口先だけの言葉だけを信じて、冤罪で誰かを殺すかもしれませんね。」
「流石に……」
「俺は警告したからな!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
知っている中では、パーティーの途中で冤罪を被せ、その場で主人公を切り殺す、というのが有りました。
まあ、タイムリープで、不幸の切っ掛けが起きる前に戻り、1周目の記憶付きで目覚めたので、順番にざまぁをしましたが。
因みに1周目では、主人公を冤罪で殺された父親は、正に怒り狂い、解毒剤が存在しない遅効性の毒薬を使い、馬鹿王子の血縁者を毒殺したり、硫酸系でざまぁヒロインの顔を焼いたり、口先だけの宰相の子は喋れない様に舌を切って声帯を潰したり、無垢で純真な父母弟妹が拷問の様な毒薬で殺してやると、心をなぶったりしていました。
最後は生きたままモンスターの毒殺用の餌に。




