誰だー! カーラに酒を飲ましたのは?
名前だけで選ぶと大変な事になります。
改めて
冒険者達にとっての「クラン」とは?
冒険者が2人以上組むのが、「パーティー」です。
そのパーティーが2組以上が組むのが、「クラン」です。
「その言葉に嘘偽りは無いな?」
「はい。」
俺は例の「手紙」をサブマスターのナージャさんにリン経由で渡す。
「この手紙を読め、と?」
「ああ。」
先ずは誰が書いたかで驚き、中身を読んで更に驚いていた。
そして、リンに手紙を返す。
俺はリンから手紙を受け取り仕舞う。
「やはり、私も撃ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ。」
聖術ですね、分かります。
「それでは、失礼して。……聖火弾。……ありがとうございます。」
実際に放ってやっと安心したのか、どうやら緊張が解けたようだな。
「まあ、気持ちは分かりますよ。自分の日常にいきなり侯爵級の悪魔が現れるんですから。」
「……はい。もう人生の終わりを感じました。それでも、娘の為にと……」
「ナージャさんは、娘さんが居るのね。」
「はい。来週、結婚式の予定です。」
「わあ。おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「それじゃあ、問題も解決したし、此処を出ようか。」
「そうですね……ああ!」
急にナージャさんが、世界が終わった様な顔をした。
「どうしたんですか!」
「聖女ミケル様と神殿騎士達を呼んじゃいました。」
「……まあ、正しい判断だよ、うん。」
そして、連絡を受けて、最優先で来た人達が駆け付けた。
「ナージャさん、無事!」
聖女ミケルと神殿騎士達と、オマケでファラも参上。
「聖女ミケル様。……すみません。」
「どうしたのですか? それよりも、悪魔は、何処……に……」
「お疲れ様です。聖女ミケル様。」
「……あぁ。私からも連絡すべきでしたね。」
「申し訳ありません。」
ナージャさんは、かなり落ち込んでいた。
色んな意味でやらかしたからな。
「良いのです。誤解であり、無事だったのですから。」
「それにしても、やっていた事を全て放り投げないと、この時間に到着出来ませんよ、聖女ミケル様。」
「当然です。元先輩で仲間で、同じ街に住み、冒険者ギルドのサブマスターからの要請ですから。」
この瞬間、ファラは黒い笑顔になった。
「そうですね。本当に全てを放り投げて来ましたから。誰にも見られなければ良いですね。聖女ミケル様の干しかけの肌着が。」
「そ、そうでしたぁー!」
オマケで来たファラが爆弾を投下した。
「て、撤収!」
真っ赤になった聖女ミケルの号令で聖女ミケル達は帰っていった。
その後は、ワイバーンの買い取りをお願いして、サブマスターのナージャさんは、ギルドマスターの「裏」を洗いに戻り、俺達は、カーラ達と食事会を始めた。
「あらひのしゃしゅつしゅい、のめらゃいのか~。」
「誰だー! カーラに酒を飲ましたのは?」
「え!? ファジーネーブルって果実水じゃないの?」
「馬鹿。それは、果実酒だ。」
「ごめんなさーい。」
こうして、楽しい時間を過ごした俺達は、食事会を終わらせて、領主館に帰る事にした。
……俺達はお酒を飲んでいないぞ。
あれから1週間、ワイバーンの買い取り額は街を救ったとかの込み込みで大金貨3枚になって、ルシアの短期集中講座も終わり、今日は、サブマスターのナージャさんの娘レイリーさんの結婚式だ。
蛇足だが、ギルドマスターはやはり「黒」で、金剛の槍とグルであり、関わった者は全員を奴隷に落とした上で鉱山労働行きになった。
そして、金剛の槍がトップだったクラン「金剛」は解散となり、助けられた女性達はトラウマを抱えていたから、神殿が預かり、リハビリを始めた。
そして、レイリーさんの為に贈り物も用意した。
結婚式はとても素晴らしく、暖かい式だった。
ナージャさんも安心した事だろう。
レイリーさんは家庭に入り、何時、「お母さんと同じ聖女に私はなる!」と言い出さないか、と。
因みに贈り物は、例の宝珠の欠片を使った首飾りを用意した。
価値を知らないレイリー夫妻は純粋に喜び、価値を知っているナージャさんはかなり驚いていた。
「ゼロ君。良い結婚式だったね。」
「そうだな。それと、ルシア。」
「はい。」
「ルシアもお疲れ様。」
「あの時のポリーさんの気持ちが分かりました。」
「あはははは。」
「さて、皆。この後は、どうする?」
適当に歩いていると、何処かで会った様な気がする男に声を掛けられた。
「よう。ちょっと話たい事がある。時間は良いか?」
「誰だっけ?」
「ゼロ君。スィーツの人よ。」
「あ、ああ。ティア達にスィーツを奢ってくれた人か。」
「また、奢ってくれるの?」
「違うわ! 冒険者クランの銀閃の煌めきのレシーハだ!」
スィーツの人は何を怒っているのだろう。
それに、スィーツの人じゃないのか?
「そうか。スィーツの人じゃないのか。それじゃあ、さようなら。」
「待たんかい!」
「ゼロ様。流石にそれ以上は可哀想ですよ。」
「そうだな。遊び過ぎたな。」
「……なん、だと。演技だったのか。」
「え~。スィーツの人じゃないの?」
「ティアは、天然で覚え違いをしていますね。」
「えへへへ。ゼロ君が一緒だと、頑張る必要が無いから。」
「……なあ? 話しを進めて良いか?」
「どうぞ。」
「ちょっと面倒臭い事になってな。丸く納める為には1度、本部に来て欲しいんだ。」
「面倒臭~な~。」
「頼む。このまま放置すると、お前達と全面戦争みたいになっちまう。」
「……分かった。」
「すまない。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
確認が出来ていない凄く怖い人から直接何かを受け取るのは難しいだろうと、空気を読んだゼロはリンに手紙をお願いしています。
更に言えば、この手紙のやり取りは、リンは内心喜んでいます。
奴隷根性が抜け切れないリンにとっては、ご主人様のお使いですから。




