閑話 ティアside
これだから、お坊ちゃんは……。
ティアside
よーし、頑張るぞー!
……でも、キサラの姿が見えないのよね。
領主の館でお酒を呑んでいるのなら良いけど、ゼロ君は過保護だからな~。
多分、隠れて私を護衛しているんだろうな。
早く、自分の強さに自信を持ちたい。
それにしても、この生徒達は大人しいな。
礼儀正しいし、浮わついた様な所も無いし。
……だけど、この人達、私の扱いを間違ってない?
何と言うか、護衛騎士達に守られているお姫様?
「ティアさん。どうぞ。」
「大丈夫です。」
今だって、態態、進行方向の木の枝を切って、私に当たらない様にしているし、その時に、私の手を取る動作までしているわ。
確かに、私は籍が無いとはいえ、公爵家の娘だから、お姫様の様な扱いは日常よ。
でも、今の私は冒険者よ!
何を考えているのよ!
『天の声』
ティアは気付いていないが、挨拶の時に、ティアの美貌に当てられて生徒側が無意識に貴族的な挨拶をしてしまい、ティアも釣られて無意識に貴族の挨拶をした為に、生徒達はティアを貴族の娘だと思い、繋がりを持とうとした。
更に、公爵家令嬢の時に叩き込まれた営業用の笑顔に堕ちた生徒達は、ティアにアピールを始めたのだった。
あら、あっちの方角から何か向かって来ているわね。
……森狼だわ。
え~と、3匹ね。
どう対処するのかしら?
……え!?
何故、私を護衛するかの様に囲むのよ!
違うでしょう!
……ほら、みなさい。
本来の陣形を崩しているから苦戦しているわ。
この4人は……
前衛の槍使いでハーベス。金髪碧眼の年齢よりかは背が高い。
後衛だけど、前衛で剣も使える風属性を操る魔術士のマリカス。
後衛だけど、一応護身術を覚えている水属性を操る魔術士のヤーグル。
後衛で、火属性を操る魔術士のゼネーバ。
……というメンバーよ。
苦戦しながら何とか討伐した4人は、討伐証明と毛皮を剥ぎ取り、残りは土中に埋めたのは良いけど、ちょっと注意しないとね。
「先ほどの戦いはなんですか?」
「え!?」
「今、此処に居る意味を分かっていますか?」
「は!?」
「貴方達は、今、授業の一環で、森に入りモンスターの討伐をしているのです。そして、森の中とはいえ、まだ浅い所で比較的安全でも、それでも命を失う危険性が有る事を自覚しなさい!」
「「「「はい!」」」」
私がピシャリと厳しく言った事で気持ちを改めたのか、その後は順調に進んだわ。
そして、4人の本来の陣形になる事でモンスター討伐も安全性を充分に取った戦い振りだったわ。
槍使いのハーベスが攻撃して、その隙を風属性を操るマリカスが風魔法で攻撃して、怯んだ所を水属性を操るヤーグルが水魔法で足場を奪い、止めに火属性を操るゼネーバが火魔法で仕留める。
討伐モンスターを仕留めるまで、コレを繰り返す。
地味だけど、粗の無い戦術だわ。
もうゼロ君も森の中に入ったかなぁ。
そんな事を考えていると、Eランクだけど、今回の採点対象外のゴブリンが5匹、私達に向かって来た。
でも、このゴブリンは後ろを気にしながら走っているわ。
もしかしたら、後から強いモンスターが出るかもしれないわね。
……警戒を解かない様にしないと。
集団のゴブリンは危険だけど、流石に5匹くらいなら、驚異にならずにあっさり討伐したわ。
討伐したゴブリンから一応は魔石と討伐証明だけ取り、後は土中に埋めた後は、私の警戒は無駄に終わり、移動を再開した。
……ゴブリンのアレは何だったのかしら?
私の警戒は空しく無駄に終わった事にちょっぴり悔しく思っていながら移動していると、モンスターが現れた。
現れたモンスターは、Dランク上位の森魔猫だわ。
この森魔猫は、樹上からの攻撃が厄介で、すばしこいのよね。
本来ならCランクでも良い強さだけど、この森魔猫は、身体が70cmくらいしか無い上に軽いのよね。
だから、力で抑え込む事が出来る事からDランク上位になった。
ただ、注意しないといけないのは、この森魔猫は、群れで行動しないけど、比較的近くに仲間が居るのよね。
群れで行動をしていたら、Cランク中位だけど、群れていないから、やっぱりDランク上位なのよね。
でも、コレを討伐すれば、ノルマ達成よ。
今回、依頼を受けた冒険者はアドバイスは良いけど、直接的な介入は禁止なのよね。
介入出来るのは、命の危険が迫った時だけ。
そして、ハーベス達は、まだ降りてこない森魔猫に対して先制攻撃を仕掛けた。
マリカスが風魔法で周りの枝を切り視界を塞ぎ、ゼネーバが火魔法で攻撃する。
火魔法の攻撃でダメージを負いパニックになった所をヤーグルの水魔法で口と鼻を塞ぎ、落ちて来た所をハーベスが冷静に森魔猫の急所に槍を突き刺す。
見事な連携で、格上とも言える森魔猫を討伐した。
これで、ノルマを達成したけど、この後はどうするのかしら?
「これで僕達は撤収しようと思いますが、良いですか?」
「異存は無いわ。」
「分かりました。撤収しましょう。」
ここで、撤収する事は、別に悪い事じゃないし、既に目標を達成しているのだから、撤収は問題無いわね。
ただ、思っていたよりも、奥に来ているから注意しないとね。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




