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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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第二章  エピローグ



 死者を想い続けるのは、つらいでしょうに――。

 女神とて、万能ではないがゆえに、彼を哀れむほかに何も出来なかった。

 すでに、与えられるだけの力を与えて、送り出したのだから。



 女神にとっても死は絶対で、体が滅びてはどうにもならない。

 別の入れ物を用意しても、それに耐え得る魂がなくては、入れる事さえ出来ない。

 彼の家族の魂は、酷く傷付いてしまって、転生に耐えられるものではなかった。



 魂の素質。それから、その者の性根が、なるべく美しくあるもの。

 でなければ、たとえ別世界であったとしても、送り出せるものではない。

 崩壊を早めてしまうことになってしまうから。



 そのせいで、何百年も待たせてしまった。

 彼は特別に強く、そして美しい魂を持っていたから。

 それに見合う魂でなければ、惹かれ合うはずもない。



 それがようやく叶う。

 女神でさえただ待つしか出来ず、ただ時が経つのを見るしかなかった。

 それが、ついに叶った。



 極上の魂を、力作の入れ物に込める。

 それは互いに共鳴するように、すんなりと馴染んだ。

 あとは、彼のもとに送るだけ。



 女神とて声が弾んだ。

 するべき説明を忘れるほどに、舞い上がったままに。

 彼が万全ではないことを失念したまま。



 されどそれは杞憂に終わる。

 あとはもう、また時の流れを見守るだけとなった。

 女神は胸をなで下ろし、世界を見守り続ける。



  **



 少年は生き延び、強くなった。

 王となり民を統べ、それを護った。

 心に穴を空けたまま。



 それは続いた。長く続いた。

 王として慕われ、その国は笑顔であふれた。

 その笑顔に救われ、王は心を失わなかった。



 やがて、彼は最も求めたものを拾う。

 手に入れたい衝動を抑え、それのための振舞いをした。

 もはやそれで良いのだと考えたのだろう。



 だが、運命も彼に微笑んでいたらしい。

 少しの手助けか、ただの偶然か、流れが変わった。

 それが手に入る時というのは、唐突なものだった。



 やがて彼は、心の安寧を取り戻していった。

 それは惹かれ合う魂の、その効果だった。

 失ったはずのもので、少しずつ満たされていった。



 失いたくないという痛切。

 それに応えようとする伴侶。

 魂の片割れ同士のごとく、彼らは添い遂げる事になるだろう。



  **



 曰く、魔王ルガルアディの切望は満たされる事となった。

 本来であれば、満ちる事のなかった想いが。

 最愛の妻の、深く広大な愛によって、満たされゆく。



 曰く、魔王ルガルアディの心は報われる事となった。

 (きよ)く強い魂を持ち続けた結果の、報われぬ傷が。

 最愛の妻の、全てを受け入れるその情によって、報われゆく。



 使命を与えた女神は想う。

 ただ苦難の中に投げた後悔を。

 失う痛み(ロストペイン)を刻んだ慚愧(ざんき)を。



 それらを、その優しさと愛で包み込む、女神に等しきひとりの人が救った。

 魔王だけでなく、女神さえも。

 それは、サラという名の、麗しき聖女。



 ただひとりのために生まれ、ただひとりを愛す。

 だからこそ、全ての傷を癒す。

 断たれた望みも、失った痛みも、その愛によって。



 聖女サラ――。

 ただひとりを癒すために生まれた、新しき愛の女神。




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 何卒よろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕



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