24 不実と充実
24 不実と充実
黒部港は小さな漁港で『えちご』は入れなかったから、ボートで上陸した。
リーメや学舎の者と鍛冶職人、それに大工たちは柏崎に行ってもらうため、船に残した。
引き続き、金貨の製造である。
柏崎造幣寮を作ってもらい、そこで金貨・銀貨の生産をしてもらうことに変更したのだ。
今回の獣人の佐渡侵入により、佐渡で金貨まで製造・保管するのは、色々と不都合があると思い直したのである。
金銀の麦粒のまま原料として柏崎に運んでもらい、そこで加工することに変更した。
リーメには寮長をしてもらうが、モトが管理を手伝ってくれるだろう。
実は黒部に着く前に、リーメには「念入りに」お願いしてあった。
「会いに来ていただけますか?」
「うん、夏に砂金麦が運ばれてきたら、金貨の製造を見学に行くよ」
「金貨のためでしょうか?」
「勿論、リーメに会うのが一番だよ」
「リーメはお側にいて、ずっとお世話していたいです」
リーメが涙目で抱きついてくる。
何だろう、この背中に流れる冷や汗のようなものは?
「リーメの仕事はとても大事な仕事なんだ。誰にでもできることじゃない。だから、わかってくれよ」
「お側で仕えるのも、誰にでもできることじゃありませんよね」
そうなんだけど、どう言えばいいのか?
ユキナが選ぶからでは、ちょっと格好がつかないような気がする。
何故、ユキナはリーメを選ばないんだっけ?
多分、俺の知らない、もうひとりの妹とかに似ているんだろうな。
気に入らない相手を選ばないでも済むのなら、普通は選ばないと思う。
リーメには関係無いのだけれど、人の気持ちとはそんなものかもしれない。
となると、俺はユキナを裏切っていることになるのだろうか。
いや、リーメのことも裏切っていることになるかもしれない。
いや、大事な人を大事にするのは裏切り行為にはならないだろう。
(いいえ! あなたの場合はクズ行為です)
でもさあ、黒部に連れ帰る方が拙いだろう?
「実は、金貨ができたら、それで燕国から鉄を買うんだ。それでリーメにはモトたちを使って『装甲艦』を作って欲しい」
「装甲艦?」
「簡単に言えば、鉄板で覆った船だよ」
「そんな、水に浮かぶのでしょうか?」
「それをリーメに考えて欲しいんだ。モトやマハやビクを部下に使って良いぞ」
「で、でも」
「妹たちも使え。これは正式に要請する。伯爵ではなく、吉川から命令書が来るよ」
「リーメの望みは研究だけではないのですが」
「それが成功したら、次は鉄だけで造った船だろ。その次は当然、蒸気タービンエンジンだな」
「蒸気たーび?」
「ああ、風に関係無く凄い速度で船が進むようになる。世界中に行けるぞ」
「あの、伯爵様。リーメの望みは、その」
「それで、リーメが男の子を産んだらアメリカ大陸に行ってもらう」
「伯爵様! それは!」
「いいだろ?」
「は、はい」
俺はリーメを強く抱きしめて、キスした。
初めてのキスなのに、いきなりのディープキスであり、ついでに素晴らしいおっぱいをまさぐってしまった。
リーメは突然の、それも未知の刺激に戸惑いながらも必死になって受け止めていた。
「はぁぁ、うぁんん、くふぅ」
「頼むぞ、リーメ」
「あん、何だか、うぅ、ずるいです。うぁ、ううっ」
俺はお尻も揉んで、リーメの声が上がるのをキスで防いだ。
リーメは処女なのに濡らし、実はキス設定は以前と変わっていないのを発見し驚いたが、取りあえずリーメの強い拘りは少しだけ気が楽になったようだ。
それで、勿論、その後で、ミアと同じことを繰り返した。
姉妹の感触は驚くほどそっくりだった。
反応もそっくりだった。
二人は、当然、見送りに出てこれなかった。
誠実さは欠片もない上に、待ってくれているユキナにさえ不誠実な気がした。
(所謂、結婚詐欺師みたいなものかしら?)
国家の大事である。
一個人の感情など、入り込む余地などない。
(一個人の感情で、女を経営してるような気がするんだけど。おっぱいとお尻、どっちが気持ちよかったの?)
おっぱいかな? 柔らかさが半端でなくって。
(クズは、何処までもクズなんだわ。誠実さなんて元々持ち合わせていない者が、誠実さを考えるだけ無駄なのよ!)
しかしだなあ、神様はAIのために、悪辣になって女を犯せとか言ってたんだが?
言うなれば『犯しのライセンス』だろうか?
女神の愛したスパイと言ったところか。
(ずるく、悪辣にとは聞いてたけど、お、女を犯せなんて! そ、そんなことは教えてもらってないわよ。態々ギャルゲー仕様にしているのは何のためなの? 好感度は何のためにあるのよ? クズ! クズ! クズ!)
や、やったぞ!
(な、何よ?)
ナフタが知らないことを発見できた!
(ふん、クズの心なんか知らないし、百年経ってもクズ男の気持ちなんて、気持ち悪いだけで何もわからないでしょうよ! それに好感度と性欲が高い世界で女を犯そうなんてクズじゃなくて鬼畜よ! ふん!)
世界征服のためには、誠実さも不実だし、不実であることも、目的のためには誠実だと言うことだってある。
(詭弁よ。じゃあ、目的のために女を泣かしても構わないの? あなたが誠実か不実かはどうでもいいわ。女が悲しんでも、あなたは目的のためなら平気なのね?)
まあ、心は痛むだろうな。
しかし、誠実でも不実でも、泣かれることはあるだろう。
目的のためなら、心を鬼にしてでもおっぱいを揉みまくるべきだ。
そこには、沢山のおっぱいがあるのだから。
(クズ! クズ! クズー!)
懐かしい黒部の邸が見えてきた時、何故かターチャが立ち止まり、イヤイヤをする。
相変わらずしゃべらないが、こちらの話は理解している。
イチハツと一緒に歩いていたカーチャとミーチャも慌ててターチャにくっつく。
どうも、この二人はターチャの娘たちのような気がする。
ターチャが凄く若く見えるので、妹だろうと思っていたが、娘でもおかしくないのかもしれない。
乳首が小さくてピンク色過ぎる気がするのだが。
(揉みたいんでしょ、クズ)
いいや、吸いたいんだが。
(クズ度が増したわ!)
しかし、そうなると、ターチャはカーチャぐらいの年から奴隷紋をつけていたことになる。
綺麗どころが子供を産むようなものである。
とは言え、奇麗どころは俺の夜伽に選ばれた者たちだから、あり得ないことではない。
ただ、ターチャが奇麗どころのように喜んで役目を果たしたとは思えなかった。
相手は喜んだ、のだろうけど、くそう!
「俺の邸に、何か問題でもあるのか?」
ターチャは、それは美しい瞳で俺をジッと見つめ、軽く首を振り、それから辺りを見回して、小屋を指さした。
勿論、美しいのは瞳だけではなく、顔も肌も髪もおっぱいも下半身も美しかった。
「あれは、水車小屋だよ。人は住んでないし、住めないよ」
少し困ったような顔をする。
それから今度は馬小屋を指した。
ボロい家が望みではなく、俺の邸に住みたくないのだろう。
多分だが、俺の女にされたくないのだと思う。
妊娠しているのだから、そんなことはないのだが、一度住み着いてしまえば、結局はそうなるのだろう。
期待していたわけではないが、拒絶されたようでつらかった。
(ざまあみろ、クズ)
くそう、いつか泣かしてやる。
(できるものなら、やってみなさい、やーい、クズ)
くそう、いつかなか(だし)してやる。
(ええっ! そ、そんなことはできないわよ。多分)
ジョークに対する反応が悪いですよ、ナフタさん。
(ジョークの品が悪いからだからね!)
ツンデレか!
「アヤメ。少し寄り道して帰る。先に邸に戻ってもいいぞ」
「では、シャガ。あなたが先に行って、伯爵様のお帰りを告げてきなさい」
「はーい」
恥ずかしい話だが、黒部村長のことをアヤメから聞いて、家まで案内してもらった。
クズ頭には、記憶障害があるのだ。
黒部は土着の猿人で高齢者だったが、信用できる人物のようだった。
娘夫婦や息子夫婦たちが沢山いて、総出で出迎えてくれた。
実は雑婚であるのだが。
野生馬の群れである。
野生猿だったが。
誰と誰が夫婦かなんて、誰が気にするというのだろうか?
日本も、明治時代になるまでは不倫など(夫以外は)誰も気にしなかった。
気にするのは、世継ぎ問題が出てくる上流階級だけである。
村祭りがある日に、娘たちは男デビューを果たし、その後は夜這いなどで男たちを試し、誰かを選んで結婚して長男を産めば、また祭りの日に帰ってくるのだ。
二度目のデビュー後は、もう雑婚である。
しかし、村一番の男も、二番の男も、三番の男も試してから結婚できるんだし、できなくても後で試せるのだ。
駆け落ちや心中を選ばないで済むし、親の進める相手との結婚も受け入れられやすい。
現代なら、女子大生時代に大学のイケメンと遊びまくった女が、ガリ勉の官僚と結婚するようなものだろうか?
いや、良く知らないけど。
ちゃんと遊べたのだから、諦めて真面目に結婚をすると言うことなのだろう。
それはそれで、いいことだと思う。
少なくとも、遊び人のままよりはずっと良いことである。
貞淑さなど、聖と俗が分離した神道や仏教の社会では問題を起こすだけである。
ある意味、誰と誰がくっつこうが離れようが余計なお世話なのである。
リア充は死ね、爆発しろ、ゴジラに踏みつぶされろ、ゾンビ化してしまえええ、である。
(一夫一婦制だと、自分が選ばれないからでしょ?)
うるせえぞ。
「伯爵様。わざわざのお越し、光栄でございます」
「やめてくれよ、黒部。それより、急な話で申し訳ないんだが、空き家はないかな?」
「空き家ですか。はあ、近くに下の息子が住んでいた家がございます」
「息子はどうしたんだい?」
「それが、直江津でお好み焼き屋を始めたいと、女子供を連れて引っ越してしまいまして、どうやら成功しているようです。これも、伯爵様のお陰でございます」
「俺は関係無いだろう?」
「それが、伯爵様に屋台のチヂミを召し上がっていただいた時に、色々ご意見を賜ったそうです」
そんなこともしていたのか、俺。
「イチハツが初めて護衛について行った時ですよ。何でも、豚玉と牛玉、イカ玉とエビ玉が揃わないとお好み焼きじゃないとか? 後は、直江津には生姜を売りに来る者がいるとか? それに、焼きそばは定番って言ってたかな」
本人が覚えていないのに、良く覚えているな、イチハツ。
見直したぞ。
「まあ、食べ物のことですからね」
「アヤメ隊長、ひどいです。そりゃあ全部、食べましたが」
食べたんかい!
それで、村長に案内されて空き家を見に行った。
流石の村長も、ターチャたちを見て汗を拭っていたが、説明しないでも納得しているようだった。
多分、誤解だろう。
空き家は大きくはないが、小さくもなかった。
村長の家にほど近く、立地も悪くない。
「ターチャ、ここでいいか?」
ターチャは少し目をそらしたが、肯いた。
「黒部、申し訳ないが、村の女たちに世話をするように言ってくれ。大袈裟にするなよ。普通に生活出来ればいいんだが、彼女は妊娠しているんだ」
「それはそれは、おめでとうございます。何よりですなぁ。男どもが勘違いして近づかないように取りはからいましょう」
それが勘違いだからね。
でも、問題はなくなるからいいのか。
「それから、この辺の畑を少し借りていいか」
「その様なことは、私どもにお申し付けくだされば、何でもいたします」
「いや、少し仕事があった方が土地に慣れ易いと思うんだ。ちょっとした野菜作りとかな。冬に入るから、春までは大根の漬け物作りでもやってもらおうかな?」
「承りました。女たちに申しておきましょう」
「うん。よろしく頼む。金がかかったら遠慮なく邸に来てくれ」
「はい、ありがとうございます」
黒部は、別段、厄介だとかは感じていないようなので、後は任せて邸に帰った。
その夜は、妹たちとの宴会だったが、アヤメたち警護官の4人には同席する許可がユキナから出され、4人はくノ一部隊と兼務だが『女御』の地位を賜ったらしい。
女御は、妹として同衾が許される。
勿論、子供を産んでも良い。
だが、現役を退く時は邸に残らずに何処かの村で生活することになる。
まあ、そこは次婚と同じである。
だが、エリート階級になる。
子供たちは村で大事に育てられ、やがてはくノ一部隊や学舎、女中などの道を選ぶことになるだろう。
男なら官僚や新規開拓村の村長となるべく育てられる。
ユキナは身分制度を見つめながらも、リスク管理もしている。
万一、越が攻められて負けても、累が及ばないように線引きしているのだ。
各村に支配階級の血筋を残し、越の自立がなくならないように配慮を忘れない。
その点、中央集権にして権力を束ねておけば何とかなるだろうという男たちの考え方とは少し違うのだ。
上のカーストが駄目になったら、次のカーストが交替していくのだろう。
直系を支える分家を作っているような感覚である。
その直系となるべき妹たちは、美しく若く華やかだった。
ユキナ。
モル。
サリ。
ウエ。
ナカ。
シモ。
マリー。
ポヌ。
イナ。
うーん、やっぱり格上なのだろうか?
ユキナは俺より趣味がいいのである。
皆がこれから花盛りになるような、少女の魅力を満載していた。
流石に、4人の警護官も着飾ってはいたが、ここでは新人に過ぎなかった。
冬用のセーラー服姿で飛び回る女中たちが、花を求める蜂のようだったが、実は下半身は丸出しで、蜂以上に危険な存在だった。
モモちゃんは久しぶりに会ったというのに不機嫌で、近づいてこなかった。
宴会の最後に、俺はちゃんとユキナを選んで、キスしてからエスコートして会場を後にした。
誰もが、自分たちの順番はわきまえているようだった。
不誠実な男に対して、みんなは誠実だった。
俺はユキナを、一端、風呂担当の女中に預けて自分の部屋で待っていた。
ユキナは風呂上がりにやってくるのだ。
パーティー前にも一度入ったのに。
俺は心臓の鼓動が聞こえるかのように思えた。
まさしく、童貞の心臓だった。
「聞きましたよ。ターチャとか言う女と子供を作ったって」
「誤解だよ、ユキナ」
寝台から身を起こすと、全裸を枕で隠したユキナが立っていた。
入り口の脇には、女中が3人控えている。
今夜の当直なのだろうが、ユキナは恥ずかしくないのだろうか?
光り輝くような肢体は、恥ずかしがる必要は微塵も無いような気がするけど。
「凄い美人なんですよね」
「まあまあかな?」
「では、ユキナの方が美人だって言ってください」
「そりゃあ、なあ、勿論、ユキナが世界一の美人に決まってるさ」
ユキナは俺の上にのしかかってきて、ジッと俺の目を見た。
「さあ、もう一度、言ってください」
「ユキナが、世界一の美人だ」
ユキナは俺の上から脇に移動し、抱きついた。
湯上がりで、とてもいい匂いだ。
そして、何処か懐かしい。
これだけは、間違いなく俺にとっては世界一である。
「ユキナはもう大人ですから、そういうことにしておきます」
「本当だって」
「まあ、クズ兄様、次にモルが来て同じ質問をしたら、どうお答えになるのでしょう?」
「それはっ、そのぅだな。何というか」
「意地悪を申しました。では、解決策を教えましょう」
ユキナは上からキスをしてきた。
軽めのキスだが、顔が真っ赤である。
「女の子は、男の人が考えてるよりずっとキスが好きなんです」
「そうなの?」
「はい。男の人の興味はすぐに身体の方に行ってしまいますが、女はもっとキスして欲しいものですよ」
「そうだったのか」
「ええ、キスは女にかける魔法です。弱いと子宮が開きません。ちゃんと魔法がかかれば、美人だ、一番だと言う言葉を素直に信じてしまいます」
「気をつけることにしよう」
「でも、使いすぎは駄目ですよ。あちこちでキスしたら、ユキナの方の魔法が解けてしまうかもしれませんから」
「解けたらどうなるのかな?」
「そうですね。何処かの村で空き家を探すかも?」
「ぐほっ! だ、だから誤解だってば」
「いいえ、クーリャはそうしましたよね」
「うほっぅ!」
言葉がヘビー級のボクサーのボディブロウのように効くと言うのを実体験した。
クーリャが住んでいるのは、空き屋ではなく新居だったが、今はそれが問題ではないだろう。
「さあ、兄様、魔法が足りませんよ。女を黙らせる方法は教えましたよね」
「はい、頑張ります」
俺は仕返しに、キスしながらユキナのおっぱいを揉み続けた。
「ふぁ、兄様、ずるいです、あぁぁん」
「おっぱいにも魔法はかかるようだな」
「うぁん、ち、ちがいますぅ、もう、かかってるから、いっぱいかかってるから、だから、うっ、ううっ、ああん、あぁーん」
「さあ、ユキナ、覚悟はいいか」
「あぁ、クズ兄様、ユキナは少し怖いです、もっと、魔法をうぅ、ひっ! ひいぁーいや痛いですぅ」
「もう少しだから」
「あぁー、兄様ぁ、兄様ぁ、優しく、あああ、そんな! うぁぁぁんんん」
終わっても涙を流し続けるユキナを優しく抱いて、やっと周囲に目が行くようになった。
寝台はいつの間にか白いレースのようなものに囲まれていて、枕元の灯り(行灯みたいだ)だけになっていた。
部屋自体は暗くなっているのだ。
寝台の方は逆に明るく感じるが、外からは見えるのではないだろうか?
そう言えば、ユキナは紋章ができたのだろうか?
「いやっ、クズ兄様、まだ見ないで!」
「でもなあ」
「いいから、少しだけ目を閉じていて! 何があっても開けては駄目ですよ。約束してください」
「う、うん」
「破ったら、空き家を探しに行っちゃうんだから!」
「わかったよ、良いと言うまで目は開けない」
「絶対なんだからね。見たら赦さないんだからね!」
「約束します」
ユキナは少しゴソゴソしていた。
何となくだが、恥ずかしがり屋の女子中学生みたいだった。
「キリ、手拭いを」
「はい、ユキ姫様」
空気が微妙に動いて、人が出入りしたのがわかった。
毛布がめくられて、俺もすべてが晒されているのがわかる。
シーツまで拭かれている感じだった。
「うっ!」
約束だから目は開けないぞ!
開けないけど、俺の下半身を拭っているのはユキナではないような気がする。
濡れ手拭いが、少しだけひゃっこいぞ!
ユキナは左側にいるのに、拭っている人は右側にいるよね!
誰だか見ていい?
見ていいよね?
だが、約束は約束である。
ひょっとしたら、ユキナが寝台を降りて、反対側に回っただけかもしれないじゃないか!
ああっ、先端までこすり取られてしまった。
あっ、更にゴシゴシしないで! 今は敏感になっているからね。
お願い、優しくして。
ああん。
俺が悶えているうちに、すべては片付いたようだった。
「さあ、クズ兄様。もういいですよ」
目を開けると、真っ白なユキナが、真っ赤になって膝立ちしていた。
両手を交差させて、何となくおっぱいを隠しているが、下半身は丸出しだった。
その美しい、スレンダーなボディラインの中央に、真っ赤に息づく『クズの紋章』があった。
久しぶりに見て、ホッとするというか、これでないとユキナのような気がしない。
「どうです、自分の女を持ったご感想は? これでも、奴隷紋の女が欲しいですか?」
うーん、ターチャは確かに美しい。
ひょっとしたら、ユキナより美しいかもしれない。
でも、美しいけどそれだけだ。
ユキナは美しくて、更に愛おしいのだ。
性欲に狂ってターチャを抱くより、ゆったりとした気分で、ユキナと一晩中愛し合った方が満足できるだろう。
「俺は亜人を助けたい。そう思って頑張っているけど、そもそも、そう思ったのはユキナを愛しているからだ。ユキナのために俺は死ぬわけにはいかないと思ったんだし、今でもそれは変わらない。それに……」
「それに?」
「毎晩、ユキナは俺の夢に現れてなあ。殆ど拷問というか悪夢だったなあ」
「もう、兄様はクズです。どうしてユキナの夢が悪夢なんですか!」
「だってさ、夢の中のユキナには触れられないんだよ、こんな風にさ」
ツンツン。
「きゃー、兄様のえっち!」
うーん、これが聞きたかった。
(やっぱり、クズだわ)
翌日にはモルを抱いた。
念入りに剃られたビキニラインは健在だった。
モフモフとツルツルの組み合わせは、凄く興奮した。
ただ、以前より若返っているので、ムッチリとした感じが少しほんわりとした柔らかい感じになっている。
もう少しすれば、ダイナマイトボディに、グラマラスになると、約束はされているけれど。
「モル、剃り残しがあるんじゃないか」
「えっ、そ、そんなはずは、ガラスの鏡で確認しましたし……」
焦りまくりである。
モルは以前から可愛い少女だった。
普段は姫将軍として恐ろしい存在と思われているし、それが効果的なので、寡黙で押し通している。
だが、ユキナよりもずっと女の子をしている。
押しに弱いと言うのだろうか、そこが可愛いポイントである。
「ほら、ちょっと見せてみろ」
「お、お兄様、それはちょっと恥ずかしすぎますぅ」
俺は、女の子座りをしてあちこち確認していたモルの脚を伸ばして、左右に広げた。
モルは恥ずかしがって脚を曲げて、結果的にはM字を完成させてしまった。
両手で顔を隠して恥じらっているが、ポーズはもの凄いものだった。
乙女が決してしてはならないポーズだろう。
「お、お兄様、もう堪忍して……」
だが、ここは俺の寝室の、それも寝台の上である。
よそではできないことも、ここでは可能なのだ。
「おかしいな。もっと後ろの方かもしれないな。モル、四つん這いになってくれるかな」
モルは、ちょっと恥ずかしいポーズを続けるよりはと思ったのだろう。
素直に四つん這いになった。
「さあ、この枕を抱いて、お尻を持ち上げてみてくれ」
「あ、あの、お兄様?」
「さあ、さあ」
「は、はいぃ」
モルは枕を抱いて、可愛いお尻を持ち上げた。
何と言うことだろう。
これはこれで、乙女が決してしてはならないポーズだった。
「お兄様ぁ、もう、許して……」
涙目で振り返るモルの顔と、可愛いお尻を突き出しているポーズの組み合わせが、とっても背徳的だった。
背徳的って、何?
俺はモルのお尻を掴んで左右に広げてしまった。
「い、いやぁ、お兄様、だめ、だめぇぇ」
「モル、このまましたいな」
「駄目です! 初めては痛いんですぅ、いっぱいキスしてください。キスで麻酔してくれないと、きっと我慢できませんん。お願い、お願いしますぅ」
モルは少しパニクっている。
そうだった。
ユキナにキスは大事だと教わったばかりである。
魔法じゃなくて、麻酔だったのか?
「ごめんよ、モル。お前があんまり可愛いから」
抱きしめてキスすると、モルの緊張が解けてきた。
「お兄様、怖かったの。もっと優しくしてくださいね」
「うん」
「後ろからは嫌です。こうしてお兄様とキスしながらでないと怖いです。抱きしめてもらえる方がずっといいのです」
「わかったよ。でも、最初は少し痛いようだぞ」
「キスしてくれれば、我慢できます」
「モル、ずっとこうしたかったよ」
「モルも寂しかった。ああ、お兄様、うっ、うっ」
ーー 中略 ーー
(単なる、見栄ね!)
うるさいなあ、いいだろ!
(どうせ昨日と同じで、あっという間よ)
ほっといてくれ、頼みます。
モルはキスしたまま受け入れると、それほど痛がらずに、リズミカルに声を上げていった。
「あぁぁ、お兄様、またですぅー」
だが、終わると涙を流した。
「本当に、こんなに痛いなんて……」
「でも、ちゃんと何度も?」
「はい。痛いのに、とっても良かった。モルは変でしょうか?」
モルは素直なところは凄く素直な女の子だ。
変じゃないぞ、可愛いぞ。
だが、俺にはそれほどと言うか、殆ど経験がないのでわからない。
気持ちいいと言われると、素直に嬉しいしね。
「ハギ、手拭いを」
「はい、モル姫様」
ええっ、目を閉じなくてもいいの?
モルの側のレースというか薄絹のカーテンが開いて、女中のひとりがモルに手拭いを渡す。
モルが自分で拭って返すと、今度は新しい手拭いが渡される。
助手がいるようで、って、あれはモモちゃんじゃないか?
だが、確認する前に俺の方のカーテンが開いて、ウメが俺の下半身を太股の辺りから拭い始めた。。
無表情だが、顔はひどく赤い気がする。
緊張しまくりなんだろうが、俺も緊張しまくりだった。
そう、思い出したぞ。
最初の日に、初めてなのでと謝っていたのはウメである。
そして、今、モルの隣で世話を焼いているのが、『しびん』の女の子だ。
ハギという名前なのか。
知ってるはずなのに知らないのは、設定変更で色々と神様が弄くったからである。
わかっているのは、俺と関係がある連中は大なり小なり若返っているということだ。
ハギは俺の視線に気づいて、ニパっと笑った。
目がクリッとして可愛いが、笑ったのは俺に対するものではなかった。
視線が動いたのだ。
ハギの動いた視線の先で、ウメが肝心の部分を手拭い越しにだが、握りしめて上下に動かし始めたからである。
目を閉じているようだ。
それで何となく思った。
昨晩はハギに拭われたのだ。
この、ウメの必死の不器用さと比べれば、そう思っても仕方がない。
敏感になってピクピクしているのに、ウメは全然気づかない。
これに比べれば、昨日は反応を確かめながら拭いていた気がする。
ああん、ウメちゃん、もうやめて、お願い。
それ以上は、なんか出ちゃうからねー。
モモちゃん、隠れてないで助けてー!
(童貞は、早いから)
本当に、もう、だめー。
その後、モルがシーツに残された『処女』を俺に確認させてから拭っていく。
見せまいとしたユキナとは正反対だった。
そして、膝立ちの紋章確認作業があった。
モルは、嬉しそうにしている。
俺の人生は、充実していた。
(充血の間違いじゃないの?)
不実だが、充実していた。
(不潔に充血していた)
まあ、これが、毎晩、続くんだからなあ。
うへへへ。
(気持ち悪いわ。大雪を降らせてやる!)
うえっへっへー。
25へ




