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イギリス式かフランス式か、それが問題だ

ハイラル生活が楽しすぎてメインストーリーが進まない。



異世界主人公は、“としての”を使うのが好き。勇者としての力、聖女としての力、巫女としての力、貴族令嬢としての自分は云々……。普通に勇者の力ではだめなのかな。聖女に備わった力とか自分の立場上とか。

あ、そういえば逆ハーされる側も大好きですね、「彼女は、王子としての俺ではない、ただの俺自身を見てくれた(キリッ)」って感じで。

いや、使うなと言ってるわけではなくて、ほら、こむるだって使わないわけじゃないしね、あまり多用してるとなんか笑いが込み上げてくるっていうか、その、あれだ。



 月桂樹に渡されたロープには、真っ白になったシーツやタオルなどなどがはたはたとはためいている。


 満足げに手をはたいて、サキは、そろそろこの現実と向き合うときが来たとため息をついた。


 視線の先には、ラズベリーの花と実が入り乱れたつるの絡まったアーチ付の木戸。

 魔法屋敷と裏の果樹園を繋いでいる……ように見えるもの。それがいったいどこに続いているのか、この木戸をはじめて見るサキにはさっぱり予想がつかなかった。


 今日は絶好の洗濯日和と、髪をおさげにまとめて白いエプロンをつけ、洗い物をまとめた籠を手に庭へ出て――見つけてしまったのだ。


(やったあ、ラズベリーが自前で調達できるわ……)


 昨日までは確実に存在していなかったものが目に飛び込んできて、サキはどういう反応をしたらいいだろうかと少しの間悩み、とりあえず洗濯をまずはすませてしまうことにした。







 そして、今サキは木戸の前に立っている。


 夜中に親切な小人さんがせっせと作ってくれた、ただの木戸だとは思わない。

 なぜなら、魔法の気配がぷんぷんしているからだ。


(うーん、転位の魔法……むしろ、門……?)


 木戸を通ると転位魔法が発動するというよりは、魔力を媒介に、こことどこかをつなぐ道が木戸という形で現れたという感じがする。


「なんて考えてたところで、実際に通ってみないことにはわからない、と――」


 よく熟れたラズベリーの実をひとつ口に入れ、サキは木戸を押し開けた。











 アーチを通り抜けると、こぢんまりとした庭に出た。どうやら広い庭園の、白とピンクのバラをメインにあしらった区画、その片隅にツルバラに隠れるように据えられたアーチとつながっていたようだ。


 突然あらわれたサキに驚いて、すぐ傍らの水盤で水を飲んでいた小鳥が逃げる。


 辺りを見回すと、灰色の石造りの城が見えた。なるほど。ここはお城の一角だったのか。


 しかし――


(……ここ、どこのお城?)


 サキにはさっぱりわからなかった。







 とりあえず、建物に向かって歩いてみる。

 もし不法侵入を咎められたら、魔法で逃げればなんとかなるだろう。最悪、ペンダントの魔法が発動してアルスが助けてくれる――はず。


 生け垣で区切られた小さな庭をいくつか通り過ぎ、まがり角にさしかかるたび怖々顔をのぞかせ、ずいぶん城が大きくなってきた。色とりどりの大輪のバラが幾何学的に配置された迷路を抜けたところで、横からやってきた誰かとぶつかり尻もちをつく。


「あっ――」


「まあ、大変!」


 声の主を見上げると、麦わら色の髪をきっちりまとめ、落ち着いた色のドレスを着たお姉さんが目を丸くしていた。

 お城勤めの侍女さんだろうか、片手に花鋏と花の束をまとめて持っている。


「大変失礼致しました、お嬢様。お怪我はございませんか?」


 心配そうにかがんで、あいた方の腕でサキの背を支え、そっと立たせてくれる。


「ありがとうございます、あの――」


「まあまあ、なんてことでしょう! お召し物に土がついてしまいましたわ、申し訳ございません! すぐに替えをご用意いたします」


 ――ここはどこでしょう、と最後まで言わせてもらうことはできなかった。


「いえ、すぐにきれいにできるので――」


 くるくると表情の変わるお姉さんは、サキの肩を抱くようにして歩き始める。たいして力の入っているようには感じられないのだが、なぜか逃げられない。


「さあ、こちらにどうぞ――ああ、ご一緒の方にお知らせしなければなりませんね。お嬢様は、お父上といらしたのですか? それともお兄様と?」


「えっと……」


「大丈夫、大丈夫ですよ、ちゃんとお家の方を探して差し上げますからね! ゆっくりでよろしゅうございますからね、少しずつでもお嬢様のことを教えてくださいまし」


 迷子になって不安がっていると勘違いされたらしい(たしかに、似たようなものではあるのだが)。ふんわりとお姉さんはサキに笑いかけた。


「メイシー、遅かったじゃない、なにかあったの――まあ」


「そちらのかわいらしいお方は?」


「あら大変、お召し物に汚れが!」


「なんてこと! はやく客間にご案内しなきゃ!」


「庭で家の方とはぐれてしまわれたらしいの。どちらの家のお嬢様か誰かわかる?」


「まあ、おかわいそうに……お嬢様、お名前はなんとおっしゃるのですか?」


「あ、サキです……」


「ヘダー卿の末姫様がちょうどこれくらいのお年だったはずよ」


「ここからなら、青の間が一番近いかしら」


「あら、でもあそこのお嬢様は黒じゃなくてオレンジの髪をしてらしたわ」


「わたくし、お湯を沸かして来ますわ」


「あの……」


「じゃあわたくしはお召し替えのドレスを――」


 進むにつれて、わらわらと侍女のお姉さん方があらわれて、サキと最初に会ったお姉さん――メイシーさんというらしい――を取り囲む。


 そして、あれよあれよと服をはぎとられ(きれいにお洗濯致しますねーとどこかに持ち去られた)、お風呂でぴかぴかに磨かれ、ふわふわに髪を乾かされて――サキは、困惑顔で下着姿のまま立ち尽くしていた。








味噌漬けメモ



・味噌はなんでも


・同じ味噌床を何度使うかは、自分の中の潔癖度と相談


・漬けるものは魚介類、肉類から、野菜や卵の黄身などお好みで


・味噌床に限界がきたと感じたら、あら汁や豚汁などの味つけに使うのもよし、野菜を炒めるときの味噌だれにするのもよい。味噌床の用途や、何を混ぜたかで臨機応変に



色々なレシピを見た感じ、だいたい


・味噌大さじ3~4

・酒大さじ1

・みりん大さじ1


を基本とし、


・味にしまりがないと感じる人は、味噌大さじ3にしょうゆ小さじ1か塩麹大さじ1の割合でまぜたりする。


・味噌の甘さや個人の好みで、砂糖や蜂蜜を大さじ1程度加える。


・しょうがやニンニクは、お好みですりおろしをひとかけ程度。チューブの場合は2センチくらい?


・酒とみりんで味噌床のゆるさをお好みに調整する。


・はちみつやしょうが、ニンニクの入った味噌床をうっかり味噌汁にすると、フルーティーな味わいの味噌汁が出来上がってしまうので注意!


・焼くときは味噌をかるくぬぐい、焦げやすいので弱めの火で。


・味噌漬けのとりやぶたを焼く横でタマネギ、ニンジン、キャベツ、キノコなどを焼くと手軽におかずが増えるでしょう。


・広げたラップに薄く塗り広げて漬ける具を重ねていくと少なめの味噌でできる。


・保存容器などに半量の味噌床を敷き、ガーゼを敷いた上に具を置き、ガーゼを乗せて残りの味噌を敷き詰めると、焼くときに味噌を落とす手間が省けるってテレビでやってた。




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