道案内
「ほら、明日香ちゃん、こっちだよ~」
遥さんに案内され、僕は正門から校舎へと続く道を歩いている。
なるほど、僕が通っていた学校とは全く違うな。
僕の通っていた学校は、不良が多いためか空き缶やらタバコの吸い殻が捨ててあったり、ガムの噛んだ跡が道に張り付いていたりと汚かった。
それに比べてここはどうだろう、ごみは落ちていないし、街路樹も綺麗に整備されており、清潔感が凄かった。
他にも、ベンチが凝ったデザインのオシャレな物だったり、建物が何かのお城なのか? と思われる様な物だった。
「明日香ちゃんの下駄箱はこれね。」
昇降口に到着し、遥さんが下駄箱を案内してくれたので、履き替えることにしたのだが、私の下駄箱には上履きが入ってなかった。
「あれ? どうしたの?」
「えっと、本当にこれが私の下駄箱なのか迷ってました。」
「何言ってるの~間違ってな…あれ? 上履き無いね。
もしかして、持って帰ったとか?」
「すいません、覚えてないです。」
「あ、そっか、覚えてないんだったんだっけ。
う~ん、とりあえず来客用のスリッパ借りちゃおうか。」
遥さんが、来客用のスリッパを持ってきてくれた。
「遥さん、ありがとうございます。」
「いいって、いいって、お礼は沢山返してくれればいいから♪
おーるおっけーうぇるかむだよ。」
「そこは、気にしないでと言う所じゃないでしょうか?」
「おぉー! ボケに対してツッコミしてくれるなんて、さては明日香ちゃんの偽物だな!! 本物はどこにやった~!! …なんちて(笑)」
ギクリ…思わず心臓の鼓動が跳ねあがった気がした。
冗談だろうとは言え、ズバリ核心を当てられた僕は、声を出すことが出来なくなってしまった。
それを見た遥さんが謝ってきた。
「明日香ちゃんごめん…記憶無いのにそんなこと言われたら嫌だよね。
もちろん、明日香ちゃんは本物だよ。私が保証してあげる。
だからごめんね。」
「あ、いえ、大丈夫ですよ。
でも、ありがとうございます。」
「あ、職員室に着いたね、担任は山下先生、ほら、あの紺のジャケットをを着ている男の先生がそうだよ。」
40後半か50前半くらいの少しくたびれた感じの先生だ。
「じゃあ、私は先に教室行ってるね、早く来ないと兎ちゃんはさみしくて死んじゃうから急いでね~」
「あ、それってデマみたいですよ。」
「なんですと~! まあいいか(笑)
じゃあ、またね~」
そう言って遥さんは教室へ向かっていった。
随分賑やかな人だったな、もしかして本当に親友だったのかな?
何となくあんな性格の人は誰にでもあんな感じ態度の気もしなくもないですが…
さて、先生のところに行きますか。




