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初陣

1554年1月下旬 信濃国 神之峯城付近 武田信之

 

 布陣が終わり夜が明けるの待ちながら兵たちに睡眠を取らせたが自分自身はよく寝られなかった。

 夜が明けた、武田に認めて貰おうと国人衆達が出丸に取り掛かったが攻めあぐねていた。

「 昌秀、後が無い者達の抵抗は嫌じゃなぁ。そろそろ昼だ、疲れも見えてくることだろう。藤吉郎に合図を出せ。 」昌秀が合図を出すと東の森から下条氏の旗印が靡き出て来て出城を攻めていた部隊の横腹を攻めた。

「 よし、我が部隊の初陣だ。陣を前にだすぞ。 」 「”応”」

前に出て国人衆達と交代し下条の者達を城内へ押し込めた。


 その後は、小競り合いもあったが決着は付かなかった。


 日が暮れると城内から一斉に火の手が上がり出城の門が開いた。

早めに戦闘を切り上げ休息を十分にとった直臣の部隊たちは今か今かと時を待ち門が開くと一気に攻め始めた。

「者共一気に攻め立てい、降伏を促し従わなかった者たちは、根切にせよ。乱暴狼藉は、許さんぞ。褒美は、私から十分出してやるぞ。」意気揚々に攻めあげた。鬨の声を聴いた飯富隊も連動し一気に攻め始めた。そこからは、早く知久頼元を始めとした一族ほとんどを捕縛か討ち取った。更には、同じく籠城していた座光寺信貞を内藤昌秀が討ち取った。これにて神之峯は制圧したのだが城自体燃えてしまい使い物にならなかったので領民たちを説得し同意したもののみ藤吉郎に任せ岡谷に連れて行ってもらい一応飯富殿の配下を城下に残し警戒に当たらせ自分たちは首実験の後高遠に捕虜を連れ帰還した。

 下条の者達はどうなったて?下条は、最初から参戦してないですよ嫌だなぁ。じゃぁ出城を攻めてるとき横槍入れてきた下条の者達は、誰だって?簡単だよ、私の配下だよ。本物の下条は、今頃父上へ臣従の準備してるんじゃないかな?

「 御屋形様、只今帰陣いたしました、無事神之峯城を落とした事と知久親子及びその一族をほとんど捕縛及び討ち取りました。 」

「 して、三郎の初陣いかがだったか昌景。 」

「 此度の戦私は、三郎殿の命令でしか動いていませんが部下の使い方が上手いなと感じこれは、並大抵ならぬ武将になり武田を支えられると思います。 」

 父上は、満足そうな顔をしてくださり自分も嬉しくなると同時に兄が疎ましくかんじた一日だった。


1554年 1月下旬 信濃国高遠城 武田晴信


「 申し上げます、神之峯城三郎様の手により落城したとのことです。知久頼元・頼康親子を捕縛し更には共に籠城いたしていました座光寺信貞を三郎様配下の内藤殿が討ち取ったようにございまする。」

その報告に感激をしてしまい思わず泣きそうになってしまったが家臣の面前で泣くようなことはできないぐっと我慢した。

「 御屋形様、おめでとうございまする。」家臣一同三郎の事を心配していたからか皆自分の事のように嬉しそうだったが一人、いや二人だけ目が笑ってはいないのを見逃してはいなかった。

 



 

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