日常の終わり
初投稿です!
1章完結まで毎日投稿します!
素人作品なので暖かく見守って頂けると幸いです。
よろしくお願い致します!
走る。とにかく走る。あいつから逃げる。
どうしてこうなったのか、どこで間違えてしまったのか。
後悔と恐怖から涙があふれて前がうまくみえない。
窓から夕陽が差し込む廊下をひたすらに走る。
いつもなら、まだ部活動で残った生徒達のこえが聞こえるはずの時間。
なのに今は自分の足音と荒い呼吸音しか聞こえない。
あいつはまだ後ろから自分を追ってきている。
全力で走っている自分をゆっくりとした動きで、それなのに全く距離が離れない。
誰もいない校舎をただひたすら走る。
そして私は部室棟の最上階のつきあたり、逃げ場のない場所に追い詰められてしまった。
呼吸が落ち着かない、足に力がはいらない。
思わずその場に座り込んでしまう。後ろをみればそれは先ほどと変わらない速度で、ゆっくりと確実に近づいてくる。
「いや……助けて……」
歯が震えてカチカチと音が鳴る、涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃ、呼吸が苦しい。
「死にたくない……」
さっきまで一定だったはずの距離は一歩、また一歩と縮まって行く。
もうすぐ手を伸ばせば届く距離。目の前には女の飛び出した目とだらしなく開いた口から溢れた出た舌がはっきりと見える。
ユ…ル…シ…
女は何かを呟きながら私の前に立ち、ゆっくりとこちらに手を伸ばす。
「嫌……嫌!誰か助けて!」
ゆっくりと私の顔に迫ってくる手。
死にたくない。死にたくない。死にたくない‼︎
頭の中がそれだけで埋め尽くされたその時 、
「邪魔」
私を追ってきた女。その背後から聞こえたその声の主は、
手に持っていたカバンを思いっきりそいつの頭にフルスイングした。
その瞬間、そいつは霧のように消えていなくなった。
さっきまで聞こえなかった運動部の声が聞こえてくる。
異常だった空間がいつも通りの日常に戻ったのを感じる。
私はぐしゃぐしゃの顔のまま、視線をあげてカバンをフルスイングした人物を見る。
そこには、さっきまでとはまた違った現実離れした光景があった。
腰まで伸びた黒髪ストレートはまるでカラスの濡れ羽のように窓から差し込む夕陽を反射し、不機嫌そうに歪んだその顔は、まるで人形のように整いすぎて人間味がなく、まるで汚いもの払うように、カバンを払うその指先は、まるで白魚のように白く、美しい。
自分と同じ、西宮高等学校していの黒いセーラー服に包まれた身体は、黄金比と呼ぶに相応しいプロポーション。肌は新雪のように白くすべてが現実的ではない。まるで幻想のような美少女がそこにいた。
その少女は私に一瞥もくれることもなく、私の横にあった部室棟の一室、その扉を開けて部室の中へ消えて行った。
目の前で起こったことに頭が追いつかない。
とりあえず、彼女が入った部室のプレートに目を向ける。
「ボードゲーム部……?」
そこには歪んだ文字で書かれた紙が貼り付けてあった。
思考がまとまらない。ただ一つだけわかったのは
「助かっ……た?」
正確には助けてもらったのだろうか、
もしかしたら彼女なら今私が抱えている問題を解決できるかも知れない。
そう思うと、私はいてもたってもいられなくて、
急いで立ち上がり勢いよくボードゲーム部の扉を開けて叫んでいた。
「あの!助けて下さい!」
「嫌よ」
これが私、仁村 かなでと橘 詩織の出会いだった。
今日はもう1本投稿します。




