アイリスと買い物
本作初のデート?
俺達は山賊騒動の後、護衛依頼は失敗に終わったが、山賊を討伐し、囚われていた女性達の救出の功績からCランクに昇格した。
帰宅した後、俺の神眼スキル(中)で自分を確認したら、
【属性:次元】
【スキル:剣聖、魔聖、薬才、高速、魔力変換】
となっており、属性は次元属性が新たに発現した。
剣聖と魔聖は、剣才と魔才が進化したようで、能力上昇が小から中に上がった。
薬才は、薬草などの使用効果が小上昇だった。
高速は、俊敏が小上昇である。
因みに、能力上昇系のスキルは常に発動している。
魔力変換は、俺が洞窟から脱出する際に、生命エネルギーを魔力に変換した事で身に付いたようで、自分の体力や生命エネルギー(命)を魔力に変換出来るようだ。
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山賊騒動から数日後、囚われていた女性達を送り届ける為、キャトレイさんは領地内の他の村に出向くことになった。
カトレアはキャトレイさんの付き添いで付いていった為、数日間はアイリスと二人きりである。
俺とアイリスは、朝から修行に励んでいた。
「ふ〜。」
俺は息を吐き出した。
「はぁはぁはぁ。」
アイリスは息がだいぶ上がっていた。
「今日はこれくらいで終わりにしよう。」
俺はアイリスに声を掛けた。
「ふ〜。そうね。……今日はこの後どうしよっか?」
アイリスも呼吸を整えた。
……どうするかな。
「取り敢えず、着替えてご飯食べながら考えようか?」
このままじゃ風邪引いちゃうからね。
「うん。分かった。また後でね。」
俺とアイリスは中に戻った。
「……もぐもぐ。アイリスは何かやりたいことある?」
俺は朝食を食べながら、アイリスに質問した。
「う〜ん。特に無いかな。」
アイリスも予定無しか。
俺はアイリスの服に目が止まった。
そう言えば、アイリスの普段着って殆ど見たことなかったな。
……よしっ! 決めた!
「じゃあ買い物に行かない?」
俺はアイリスに提案してみた。
「買い物? うん。買い物しに行こ!」
アイリスも乗り気みたいだ。
「ご飯食べたら出発な!」
「うん。」
俺たちは朝食を食べ終えて商店街へ向かった。
「サクラは何が買いたいの? 防具? 薬草?」
そう言えば、アイリスに買う物伝えてなかったな。
「アイリスに服をプレゼントしようと思ってね。」
俺は買い物の目的を伝えた。
「えっ? 私の服?」
アイリスは目を見開いて驚いた。
「今日はお金持ってきてるから、なんでも買っちゃうよ〜! なんて、いつもこれに入ってるけどね。」
俺は右腕のネペンテスを指さした。
アイリスと話しながら歩いている内に、洋服屋に到着した。
「いらっしゃいませ〜。」
あれ? 入る店、間違えたかな?
俺は扉を閉めて看板を確認した。
看板には、『洋服屋〜チャイニーズハット〜』と書かれていた。
「どうしたのサクラ?」
アイリスは俺の行動に首を傾げていた。
「……疲れてんのかな?」
俺は再び、扉を開けた。
「ちょっと〜何でいきなり閉めるのよ〜!」
……目の錯覚では無かった。
俺の目の前には、金髪のズラを被り、厚化粧をしたマッチョなオカマが居た。
「……間違えました!」
俺がそう言って素早く扉を閉めようとしたが、扉に手を差し込まれ、扉が動かなくなった。
なんだこのチカラは!?
全く動かないだと!
「開けたんだから、ちょっとは見ていきなさいよぉ〜。」
俺は全力で抵抗したが、オカマのチカラに負けてしまった。
くそっ!? なんてオカマだ!
オカマが俺の後ろに居たアイリスに目が行った。
「あら〜アイリスちゃんじゃない。いらっしゃぁい。」
馬鹿な!? こんなオカマとアイリスが知り合いだと!?
「ご無沙汰してます。カロミアさん。」
……本当にアイリスの知り合いなんだな。
「ア、アイリス姉さんは、このオカ、……カロミアさんとは知り合いなの?」
動揺し過ぎて、オカマって言いかけちゃったよ!
「前にギルドの依頼で、子供服のモデルの依頼があったから、一度でお世話になったことがあるの。」
……そんな依頼もあるのか。
「今日はどうしたのかしら? アイリスちゃんのお洋服?」
「そうです。アイリス姉さんに、服をプレゼントしようと思って来ました。」
俺がカロミアさんに答えた。
「な、なんていい子なのかしら? アイリスちゃんの弟くん? オネェさんサービスしちゃうわ〜。」
……なんか、カロミアさんがクネクネしていて、気持ち悪い。
「ど、どうも。……アイリス姉さんはどんな服が欲しい?」
アイリスの服の好みは分からないし、アイリスにプレゼントする訳だから、アイリスが好きな物を買ってあげたい。
「う〜ん。……サクラに選んで欲しいな。」
アイリスは、暫く考えてそう口にした。
「俺!? 俺が選んじゃっていいの?」
……女の子に服なんてプレゼントしたことないから、どんなのがいいか悩むな。
「うん。サクラに選んでもらいたい。」
アイリスは頬を赤らめながら答えた。
俺はアイリスに合う服を考えるのに精一杯で、アイリスの顔を見ている余裕は無かった。
散々悩んだ末に、白地に金の刺繍がされているワンピースを選んだ。
「ど、どうかな?」
アイリスが試着して出てきた。
「……。」
言葉が出なかった。
「……似合ってない? 変かな?」
俺が返事をしなかったので、アイリスは落ち込んでしまった。
「ち、違うよ! 凄い似合ってる! 見惚れちゃってて、あっ!?」
俺はパニクり、見惚れていたと自爆してしまった。
「〜〜!」
アイリスは顔を真っ赤にして、頭から煙が上がっていた。
「仲のいい姉弟ね〜。アイリスちゃん似合ってるわよ〜。こっちも着てくれるかしら〜。」
カロミアは、2着の服をアイリスに手渡した。
「あ、ありがとうございま、って何ですかこの服は!?」
アイリスはお礼を言っている最中に声を荒げた。
……どんな服を渡されたんだ?
「絶対、似合うわよ!いいから着て見せて!」
カロミアさんに言われ、アイリスは再び試着を開始した。
試着室のカーテンが開かれた。
「……恥ずかしい。」
アイリスは、黒地に赤の刺繍がされているゴスロリな服で出てきた。
「これイイ! アイリス凄い似合ってるよ!」
カロミアさんのチョイスは完璧だった。
「ほら〜! やっぱり似合うじゃないの〜!」
カロミアさんが絶賛していた。
「……つ、次に着替えます。」
アイリスは再びカーテンを閉めた。
「どうよ〜オネェさんのチョイスは〜? 弟くんはああいうの好きだと思ったのよ〜。」
俺の好みを一瞬で見抜くとは、このオカマ出来る!
「何これ!? 横の切り込みが……!?」
アイリスが驚きの声を上げ、暫くしてからカーテンを開いた。
「……!?」
俺は待たしても言葉を失ってしまった。
この世界にも有ったんだな……チャイナドレス!
アイリスは、真っ赤なチャイナドレスを着て出てきた。
丈が短いのか裾を手で押さえ、恥ずかしそうにしていた。
「めっちゃ可愛い!」
チャイナドレス最高です!
カロミアさんが神様に思えて来た。
「ほ、ホントに?」
アイリスの問いに、俺は高速で頷いた。
「ワンピースとこの2着を買います!」
俺は即決でこの2着も買うことを決めた。
「えっ!? こっちのも買うの?」
アイリスは驚いていた!
「当たり前でしょ! 買わなきゃ損だよ!」
俺はカロミアさんに値段を聞いて支払いを済ませた。
カロミアさんは、かなりサービスしてくれた。
「また来るのよ〜!」
カロミアさんの言葉を最後に店を出た。
「今日はありがとね。サクラ。」
アイリスが俺に笑顔でお礼を言ってきた。
「どう致しまして!」
俺はアイリスに返事をして、店の扉を開けて外に出た。
たまには、こういうのも悪くないね。
俺達は夕日に染まる街並みを並んで歩き出した。
チャイニーズハットの花言葉は、
可愛らしい、着飾る
だそうです。
着飾るの花言葉があったので、洋服屋さんの名称に抜てきされました。
チャイナドレス出しちゃいました。




