逃走劇②
俺はしばらく後ろから追っ手が来ないか警戒していたが、どうやら追ってくる気配は無いようだ。
「……なんとか気づかれないで済んだな。」
「サクラが気が付かなかったら今頃捕まってたね。」
何とか追っ手を免れた俺達は目的の兵かギルドを探し求めていた。
「中々見つからないね。」
アイリスの言うように、中々兵やギルドへは辿り着けず、外は暗くなってしまった。
「通行人も減って来たし、子供二人でうろついてたら奴らに見つかる可能性が高いな。一刻も早く見つけないと。」
そんな話をしていた矢先に前方に兵士の格好をしている者を見つけた。
「やった! 兵の人だよ! これで助かるねサクラ!」
アイリスは見つけた兵士に駆け寄って行った。
……何だろう……この感じ……嫌な予感がする。
俺が嫌な予感をしていた時、アイリスが兵士に話し掛けていた。
「あの! 助けて下さい! 誘拐されて逃げて来たんですが、追われているんです!」
アイリスは必死に兵士に説明した。
「……それは大変だね。君といたもう一匹は何処かな?」
男は笑みを浮かべてアイリスに返事をした。
……もう一匹!? 敵だ!
「!? アイリスそいつは敵だ!! 離れろ!!」
「……えっ!? サクラなにを……っく!」
兵士はアイリスの首をホールドして締め上げた。
「二匹はっけーん! 俺ってツイてるなぁ〜!」
兵士はニヤニヤしながら俺に近づいて来た。
「大人しく捕まってもらおうか。」
どうする。
コイツに捕まったら奴隷商に連れ戻される。
だが、俺の力じゃまともにやっても倒せない可能性が高い。
ここは……
「ダー。」
子供のフリ(今は子供だけど)をして、油断しているうちに魔法を叩き込むしかない!
「おらっ! 大人しくしてろよ!」
兵士の脇に俺は抱きかかえられた。
「これで大金が俺一人のものだ。」
コイツは仲間を呼ぶ気は無いみたいだな。
……だったら!……兵士が鼻歌混じりに歩き出し始めたところで、
「“雷”!」
バチバチバチバチ!!
俺は兵士の脇に抱えられていたので、俺は男なら絶対にダメージを受ける急所に向けてら雷の魔法を叩き込んだ。
「…×○@#/.#&!!」
兵士は声にならない声を上げうずくまり、そのまま白目を剥いて動かなくなった。
「アイリス大丈夫か?」
「……ぅん。」
「ここから早く離れよう。」
俺達は兵士から逃げ出し、ギルドを目指した。
「サクラは何で敵って分かったの?」
「最初は嫌な予感がして、兵士がアイリスしか見てないのにもう一人いるのを分かっていたようだし、俺達のことを人じゃなくて匹って言ったからね。」
「……! サクラって本当に凄いのね。」
「まさか、兵士まで奴らの味方だとは思わなかったよ。こうなるとギルドしか残されて無いね。何人か兵士のように奴らの手下はいるかも知れないけど、俺達の味方になってくれる人もいるはずだ。」
アイリスは頷き俺に着いて来た。
「……急ごう!」
俺達は走り出した。
サクラの魔法で何とか振り切れました。
次はどうなる?




