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誘拐された!?④

 ガタガタガタガタ!


「馬車が動き出した見たいだね。」


「……うん。」


「何処かの街に止まるようなら、止まっているうちにこっそり逃げたいんだけど、何処にも寄らずにそのまま目的地の街に着かれたら……逃げるのは難しいと思う。」


「……そう、だよね。」


「目的地に着く途中の街道で降りるのは、帰る方向が分からなくなったり、魔物に襲われる可能性もあるから出来れば避けたい。」


「……? じゃぁ逃げようがないんじゃ?」


「まだ、逃げるタイミングがあるよ。目的地の建物に入る前! 目的地の街に着いたタイミングで荷台から飛び降りて街に身を潜め、助けを求めるんだよ。」


「!!」


「つまり俺たちが逃げ出せるタイミングは、この馬車が街に入ったタイミングだ!」


 女の子は笑顔を見せ、次に暗い顔をした。


「……でも、逃げる為には檻を何とかしないと。」


「それなら俺がなんとか出来ると思う。」


 女の子は驚きながら

「魔法で何とか出来るんですか? 縄を切ったように風で切るつもりなら、さすがに鉄は……。」

と言って、落ち込んでしまった。


「どの道、檻を壊して逃げ口を作らないと作戦を考えても仕方ないからね。取り敢えず檻を壊してみせるよ。」


俺は女の子に微笑んだ。


 俺は、神様から貰った前世の知識で鉄を切る方法を考え、檻の近くに移動し、手を水平に構え、薄く鋭く高速で回転する風をイメージして魔力を練り出した。


「……“風刃(ウインドブレード)”!」


 スパッン!スパッン!


「……!! 本当に壊せた! 凄い!」

女の子は大はしゃぎした。


 初めてやったけど、上手く出来て良かった。

 取り敢えずこれで逃げ口は作れた。

 後は隙間から外の様子を確認して逃げ出すだけだ。


「これでタイミングを見て逃げられる。君も……あっ!? 自己紹介がまだだったね! 俺はサクラって言います。」


「!? そうだよね! 私はアイリスよ。」


 こうして俺とアイリスは出会った。

アイリスはフランスの国花です。

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