ルームメイト
新キャラ登場です!
寮母のペチュニアさんが言っていたように、寮を入って直ぐの所に、部屋割りが掲示されていた。
ペチュニアさんが寮の仕様について、簡単に説明してくれた。
ペチュニアさんの話では、一階が食堂と風呂場になっていて、二階より上は、寮生の部屋になっているそうだ。
また、部屋割りは、クラスの者同士で5人1部屋となっていて、部屋の鍵については、部屋の中に人数分、用意されていると説明された。
【310号室 Aー1、Bー150、Cー78、Cー200、Cー204】
「おっ!あった。……分かりにくいな? 受験番号で書かれてると。」
何とか、自分がどの部屋になるのか見つけることが出来た。
「サクラッチと同じ部屋ッスね! よろしくッス!」
リンドウが笑みを浮かべながら話し掛けて来た。
「よろしくな。取り敢えず、部屋に行ってみるか。」
俺とリンドウは、2人揃って割り当てられた部屋に向かった。
……同じクラスの者同士でも、受験番号しか書かれてないし、名前が書かれてても、誰が誰だか分からないので、部屋に行けば会えると俺達は考えた。
コンコン!
……先に誰が入ってるかも知れないので、しっかりノックした。
「どうぞ〜。」
部屋の中には、既にルームメイトが居たようだ。
俺は扉を開けて、リンドウと共に、部屋内に入った。
部屋の中には、既に3人の姿があった。
「はじめまして。」
「どうもッス!」
俺に続いて、リンドウも3人に声を掛けた。
……1人は、リンドウが絡まれた時に、居た赤髪の青年だった。
「これで310号室、全員が揃ったね。てか、サクラは、はじめましてじゃないでしょ? 新入生代表で、みんなの前に出てたんだから。」
3人を代表して、1人の青年が話し掛けて来た。
……確かに、俺はみんなの前に出ちゃってたな。
4人共が笑っていた。
「取り敢えず、順番に自己紹介するか。代表挨拶でも名乗ったが、名前はサクラ、15歳だ。出身は倭国だが、グラナダ王国の暮らしの方が長いかな。」
俺が簡単に自己紹介を済ませ、リンドウに目を向けた。
「オイラは、リンドウッス!15歳で、出身は、倭国の田舎ッス! 赤髪の兄さん、この前はありがとうございましたッス!
俺は、リンドウが倭国出身と聞いて少し驚いた。
……後で、倭国の状況でも聞いてみよう。
「おお!? あん時の絡まれてた人か! 大変だったな! 俺はストック、16歳だ。出身は、ハプスブルク王国。よろしくな!」
赤髪ツンツンの細マッチョである、ストックが自己紹介した。
「次はクロの番かな? クロの名前はクローバー、17歳だよ。メロヴィング王国の出身だよ。」
クローバーは、緑色のキノコヘッドで、小太り?くらいの体型をしている。
……自分のことをクロと呼ぶのか。
……インパクトがあるな。
「最後は、僕かな? 僕はデイジー=エトルリア、15歳、ランゴバルド王国の第1王子だよ。」
デイジーは、スマートな体型をしていて、白銀のストレートヘアに金色の瞳をした爽やかイケメンだ。
「えーー!?」
「王子様!?」
「どうしようッス!」
「同い年だな。」
3人が驚きの声を上げるのに対して、俺だけピントのズレたことを口走っていた。
「へ〜。サクラは、俺が王子って知っても驚かないんだね。」
デイジーは、ニコニコしながら話し掛けて来た。
「ん〜そうだな。」
俺も王子だったから、とは言えないな。
「そう言う反応をしてくれる人は、中々居ないから新鮮だよ。」
まぁ〜、王子に気安く接してくれる人は、多くないだろうな。
「そりゃ、良かったよ。」
俺は返事をして、みんなでベッドの位置を決めることにした。
「ベッドは、ジャンケンで決める?」
俺の一言に、みんな首を傾げていた。
「……ジャンケンって、何?」
デイジーが聞いてきた。
……えっ!? この世界に、ジャンケンってないの!?
俺はこの世界に来て、15年目にして、驚愕の事実を知った。
俺はみんなにジャンケンの説明をして、ベッドを決めるジャンケンを実施した。
「ジャンケン、ボン! あいこで、しょ!」
俺はチョキ、みんなはグーだった。
……こう言うのって、大抵言い出しっぺが負けるんだよな。
……ベッドは、5台が一列に並んでおり、俺は真ん中に決まった。
「……夕飯、食べ行くか?」
「そうだね。直ぐ行こう! 今直ぐ行こう!」
俺の一言に一番早く反応したのは、予想通りクローバーだった。
ランゴバルド王国→イタリア語
ハプスブルク王国→ドイツ語
デイジー→イタリアの国花、1月4日の誕生花
花言葉は、平和、希望
ストック→1月10日他数日の誕生花
花言葉は、愛情の絆、私を信じて(赤色)
クローバー→4月2日の誕生花(四つ葉42だから?)
花言葉は、幸運、約束




