17 早口言葉?
ログハウス目指してもう少しで森を抜けようかというところで、
ふと気になって少年に声をかけた。
「そういえばさ、君の名前はなんていうのかな?」
少年は姿勢を正し、丁寧に、ゆっくりと口を開いた。
「......僕の名は、
シュラディオル=エンヴァル=オルステイン=ラグナリア=
アルマディオルフェンケン
と申します」
「............ほえ?」
聞き取れたの、最後の“ケン”だけなんだけど。
「ごめん、もう一回お願いしてもいい?」
少年は真顔でこくりと頷き、
先ほどと全く同じ速度・丁寧さ・長さで繰り返した。
「シュラディオル=エンヴァル=オルステイン=ラグナリア=アルマディオルフェンケン
でございます」
「......あー、うん。ありがとう。
えーっと......いや、なんて???」
驚くほど、何も聞き取れなかった。すみません。ほんと申し訳ない。
すると、少年は少し困ったように眉を下げた。
「......長くて呼びづらいですよね。
これまでは“シュラディオル=エンヴァル=オルステ......”」
「ヨシッ!ケンちゃんでいっか!」
「............け、けん......ちゃん......?」
少年は完全に固まった。
目をぱちぱちさせて、処理が追いついてない顔。
「うん、ケンちゃん。
シャランなんたら~も素敵でとってもいいけどさ、
ほら、覚えやすいし、呼びやすいし、
どうかな?ケンちゃん!」
少年はしばらく固まっていたが、
やがて小さく、ちょっとだけ微笑んだ。
「......はい。
それでよろしくお願いいたします」
本当に納得したのかは不明。
まあ、よろしくね、ケンちゃん!
長くてめっちゃ舌噛む
麻美、最初から聞き取れてないし




