第07話 05 地上に降臨した天使
「イリアちゃんって王女様なんだ・・・」
感心した表情でシルフィーネが言った。
「そうね・・・小国ですけど!」
あまり面白くなさそうにイリアは返事する。
「あれ、器用な魔法ね。」
鳥を媒介として音声を伝達し、果ては自分たちもその鳥を媒介として転移する
「そうね、結構無駄なプロセスの多い魔法でしょ。」
と自慢げにいうと
「でも、基本的な魔方陣で、同じ事されたら警戒するでしょ。」
あっけらかんと答えた。
「そうね・・・私達、いきなりキスする関係になっちゃったものねぇ・・・」
シルフィーネが意地の悪い笑みを浮かべて言った
「あ、あれは・・・不可抗力・・・なんだから!」
ムキになってイリアが答えた。
「・・・と・・・ところで、あなたは精霊とは違うってどういうこと?」
ごまかすように質問に切り替えてきた。
「・・・ん・・・そうねぇ・・・イリアちゃんも身の上教えてくれたから種族みたいなことは教えたげる。」
ふふんという笑みを浮かべてシルフィーネがそう言う。
「・・・種族・・・?」
「う~ん、種族ということになるのかなぁ・・・」
断わりを入れるように言うと
「私、天使から堕ちた堕天使なのよねぇ。」
あっけらかんとした口調でそう言った。
「・・・はっ・・・?」
イリアとヒューイは目を見開いた。
「て・・・て・・・天使!!!」
二人の声が示し合わせたかのように一致した。
ウィドは固まったかのように動かなかった。
「ちょっと!!どういうこと!!あなた、ほんっとに天使なの!!!」
イリアが声を荒げた。
天使なんて存在と、こんなところで会うなんて・・・
「・・・い・・・いや・・・だから・・堕・・・天使・・・なんだ・・・け・・ど・・・」
イリアたちのいきなりの変貌ぶりにシルフィーネはたじろぎながら訂正をする
レオンはそのやり取りを欠伸をしながら眺めていた。
遠目に見える戦場の音が聞こえた。
「で・・・私に何か用事だったのかな?」
シルフィーネがイリアに聞く
ヒューイの視線がシルフィーネからイリアに向けられた。
イリアは強い視線をシルフィーネに向ける
「シルフィーネ、あなたは種族のわだかまりを取り除きたくはないか?」
「・・・。」
シルフィーネは答えなかった。
レオンは彼女の動向を見守った。
ヒューイは彼女の答えを待った。
ウィドは静かにイリアを見た。
「魔族は人間の敵ではないはずよ!」
イリアが言葉を切り出すと、シルフィーネは静かに微笑み
「なかなか良いこと言うわね。」
そう言うと、右目でウィンクした。




