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King of Sords  作者: カピパラ48世
21/53

第08話 01 迫りくる獣人

「イル様、私とってもウキウキしますわ!!」

タニアの声にイルはギョッとした。

「こらこら、戦争にそんなことを言うやつがあるか!」

呆れた顔で嗜める

生き生きとした表情でにたりとした笑みを浮かべタニアはペロッと舌を出した。

「大丈夫ですわ!だってイル様の前でしか こーんなこと言わないですからっ!!」

「おいおい・・・」

困った表情に苦笑を交えイルは軽く窘めた

金髪に映える黒いドレスのようないで立ち、死神の持つような大きな・・・そして装飾の施された紅い鎌を軽々と持つタニアは恭しく微笑んだ。




「八華炎舞」

タニアを中心に八角形の魔方陣が地面に現れた。その頂点に小さな八角形の魔法陣が垂直に現れる

タニアの衣装が魔法陣から出る風に、大きく揺らいだ。

現れた八つの魔方陣から相対する敵軍にいくつもの炎の玉が吐き出される

敵軍はしどろもどろになりながら、統率なく散らばった。

そんな中、獣のような体毛と、ヤギのような大きな角を生やした一人の大柄な戦士が火の玉をかいくぐってタニアに近付いてきた。見るからに手練れだ。

その筋肉質でガサツな風貌にタニアは少々嫌悪感を抱き

「あ~ん、イル様~!!」

と甘えた声を出した。

「こらこら、らしくないことをするんじゃない。」

深紅のフルプレイトアーマーを着た戦士がその二人の間に割って入る

「まぁ、イル様!私を助けてくださるのですね!!」

目をキラキラと輝かせて称賛する。

ガキン!!

と剣がぶつかり合う音が木霊した。

「イル様!頑張って!!」

タニアの弾んだ声が聞こえる。

"全く!他人事みたいに"

フルフェイスのヘルムの中で、イルは苦笑いした。

「獣人の戦士殿、できれば殺し合いはしたくないのだが、おとなしく引き上げてもらえぬだろうか?」

鍔迫り合いをしながらイルは、その獣人に語りかける。

獣人の戦士は一瞬躊躇したが・・・

「・・・そんな提案は受け入れることはできんな・・・」

獣人は素っ気なく答えた。

イルはニヤリとした。

「その言葉聞き入れた。」

そう言うと獣人を圧倒的な力で押し返す。

「・・・なっ!!」

まさかパワーで負けると思っていなかったのか、獣人から驚きの声が上がる。

「なら、俺の仲間になれ!」

イルは体勢を立て直して獣人に真っ直ぐ向くと、そう言い放った。

「なんだと!!」

困惑した表情で獣人は声を上げた。

「タニアのあの火炎をくぐり抜けるその脚力、そのパワー、太刀筋、申し分ない!俺の仲間になれ!」

フルヘルムの中での表情が見て取れるほどの、嬉々としたその口調に、獣人は思わず一歩後ずさった。

「なんだ・・・こいつ・・・」

「なんだと言ったな!俺の名はイルグド・モルベス!「イル」と呼べ!」

イルは、噛み合ってるような噛み合ってない返事をした。さらに獣人は困惑する。・・・すると、

「ガルド!無事か!!」

五人の獣人が助けに来た。

「おお、まだこんなにも有望な戦士がいるのか!」

訳の分からないことを言いながら赤い鎧の戦士イルは、単身で五人に襲いかかる。

「お前は不合格、かえれ!」

「お前もだ!」

戦いながら、評価をつけ始めた。

「おお、お前と、そこのお前!いい腕だな!俺の仲間になれ!!」

圧倒しながら、三人を不合格、二人をスカウトし始めた。

「ガ・・・ガルド!なんだ、こいつは!!」

耐えかねて、ガルドに質問を投げかける。すると、

「だから、俺はイルグド・モルベス!「イル」と呼べ!!」

再び噛み合わない返事が来た。

大柄の獣人ガルドは、呆気にとられ言葉が出なかった。戦いの中で、こうも気軽にスカウトされるとは思って見なかったし、助けに来た仲間にもスカウトしてしまうこいつは・・・。

「そうだな・・・」

「おお!仲間になる気になったか!!」

すかさず反応するイル。すると

「あら、イル様!仲間ではなくて下僕としてお迎えあそばせ!」

タニアから冷徹な一言が来た。ガルドはタニアの声は無視して

「そのヘルムの下の顔が見たい。」

ハッキリとそう言うと

「その豪胆な態度が本心か偽りか、確かめたい。」

続けてそう言い放った。


「いいだろう」


この戦場の中でイルは迷わずヘルムを頭から外す

精悍な顔立ちの青年が現れた。

ガルドはニヤリと口角を上げ、剣を振り上げる

「バカめ、その首貰った!!」

と、イルの頭めがけて自分の剣を振り下ろした。

ガキィンという金属音が響いた。

「ぐぬぬ!!」

ガルドが唸る。自分が振り下ろした剣が、大鎌で受け止められていた。

イルは楽しそうにガルドを見ている。

「イル様、こいつ殺してよろしいでしょうか?」

イルの目前にてガルドの剣を大鎌で受けたタニアが淡々とイルに問うた。

「いや、その必要はないよ。」

ニカっとした笑顔を見せ、タニアの好意を遠慮した。

一方、ガルドは渾身の斬りつけが軽々と女に止められたことに驚愕し、目を見開いた。そして、

「俺を殺すのか?」

覚悟した口調でイルに聞いた。

「なんで?」とイルはあっけらかんとした答えを返すと、

「お前は俺を試したんだろ」

「どうだい?俺はお前の眼鏡にかなう奴だったか?」

楽しげに言葉を放った。


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