第九話
この話から1000文字投稿にしてみました!
次の日、午後から学園へ呼び出されていた。
手続きをするらしく、校長室へ来ていた。
「初めまして、学園長のダビドだ。」
「4等級冒険者のアキミチといいます。」
「うむ、4等級冒険者がうちに入学してくれて非常に嬉しいよ。」
ギルドの根回しで入学試験とかもろもろ吹っ飛ばしてくれたらしい。
「学園は基本クラスみたいなものはなくてね、それぞれが必要な授業を受ける方式なんだ。まぁ例外的にキャッスル戦の準備期間はクラスみたいな振り分けはあるがね。」
大学みたいなものか、集団イベントのときのみクラスが必要になるということだろう。
「君は、実践試験は受けなくてもいいが筆記はきちんと受けてくれ。まぁ1年で辞めるとかなら必要ないがね。」
筆記は受けないといけないらしい。
この世界のレベルがわからないから難しすぎたら1年でやめよう。
「以上でわしからの説明は終了じゃな。授業の取り方などはすでに仲良くなっている生徒もいるみたいだしの、その生徒に聞くのがよかろう。」
「わかりました。聞いてみます。」
アヤさんのことを言っているのだろう。
「では、制服など学校に必要なものは君の入寮する部屋に送っておくぞ。」
「了解しました。」
「では、君が役割をしっかり務め実りある学園生活になることを祈っておるよ。」
爺に祈られても嬉しくはないが、敵意を向けられるよりマシだな。
「では失礼します。」
この顔合わせは、お互いの立場目的を確認する意味合いが強い。
俺は学生の中では規格外に強いはずだ、学園長として面識をもっておくのはなんら不思議ではない。
俺は2週間弱の入学を楽しみにしながらも昨夜戦った相手を思い浮かべながらレベル上げに励むのだった。
午前は塔にこもりレベル上げ。
午後はアヤさんと合流して指導&情報交換。
夜は見回りを兼ねた街並みの把握。
学園からのメールで殺人事件のことについて注意喚起があったのであの事件はアヤさんも知っているそうだ。
「アキミチさん!最近みんなに見違えるようになったな!って褒められるんです!」
「そうか、それは教え甲斐があるな。」
「はい、最近近接もできるようになったのでみんなの負担が減ったんです!」
「そうか、でも無理はしずぎないようにな。」
「はい!でも...」
アヤさんが少し沈んだような顔をする。
「メアリーさんが上手くいかない?」
「はい、色々頑張ってはいるんですけどどうしてもアイテムで回復しないとパーティが安定しなくて。」
白魔導士のメアリーさんの役回で悩んでいるらしい。
俺が指導すれば解決する自信はあるが、こういうのは本人達が考えていった方が成長する。
それに今苦労してる分俺が教える時にすごい吸収してくれると期待しているのだ。
しかし今は事件を追わなければならない、もう少し余裕ができたらこちらから何か提案してみるのもいいかもしれない。