表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/72

*

何の疑いもなく私の前に立つあずささん。

身長は150センチ台だろうか。


「どのような症状ですか?」


至って冷静を装いながら、私は問う。


「風邪をひいてしまって頭痛があります。でも妊娠しているので薬飲んでいいかわからなくて…。」


悪気のない、いらない情報が私の胸を突き刺す。

もちろん、この情報は薬剤師として大事で把握しなければいけないことだ。

私情は挟まない。


わかっている。

わかっているけど、私、平野つばさ個人がそんなことは聞きたくないと心の中で叫びまくっている。


私は震えそうになるのを抑えながら、今できる精一杯の笑顔で対応する。


「こちらの薬は漢方薬なので、赤ちゃんに影響はありませんので安心してくださいね。」

「わかりました。ありがとうございます。」


薬を受け取りながらにっこり微笑むあずささんが眩しすぎて、私はもうどうしようもない気持ちになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ