160/160
秋の日の散策
気温が下がり、急に物憂い数日を
覚えたとき
そうだ、旅をしよう、と
近くの海まで
1日太陽を浴びて、旅をした
まだ赤くはならないけれど
だんだんと色づく木々
見ているうちに
ボロボロの枯葉までが愛しくなる
もしかすると、ひとは
落ちる1枚の枯葉を何にも感じず
当たり前に踏みしだいて不機嫌を撒き散らす
こころの奥では、そんな自分を、
嫌になっているかもしれないのだ
自分さえもが必ず落ちるみじめな枯葉と
思いたくない足掻きは、
枯葉1枚の美しさすら見逃して
見よ、
落ち行く枯葉は汚くもみじめでもない
ただ枯れて、大地を潤す栄養になることを受け入れて
土に還り
眠る生き物たちを育むのだ