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Option of Amazoness  作者: カピパラ48世
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36話 傷つきしもの

「私は・・・どこへ行けば・・・いいの・・・」


シルフィーネは薄暗い空間で呟く『私』の視界を確認した

視界が安定してないわりに、視点が高い・・・『誰か』に支えられているようだ・・・・

どこを歩いてきたのか、美しかった脚は擦り傷だらけで、あちこちに血の跡があった

体中に小さな痛みを感じるので、おそらく全身に渡りそういう傷があるのだろう

”一体・・・どうしたというの・・・”

何があったのか?眩いばかりの空間はどこへ行ったのか?あの二人の姉はどうしたのか?

わからない事が一気に視界に押し寄せてきたのだ

悲しみに暮れる『私』の中でシルフィーネは走馬灯のようなイメージが頭の中へ押し寄せてくるのを感じ、ハッとした。

殆どが霞がかかったようによくわからない・・・が、この空間で仲良く過ごす3人姉妹の様子が、ひどくノイズのかかったイメージで頭の中を過ぎて行く


・・・そして・・・


「・・・あなた達は早く逃げなさい!!」

ノイズの混じったイメージの中で幼顔の姉の声が聞こえた

そして、そう遠くはない場所で聞こえる叫ぶようなうめき声・・・

「『———』・・・」

『私』が、黒い長髪の姉の名前を呟きその方向に顔を向けようとすると、それを制止するように幼顔の姉が『私』の頬を両手で優しく抑え、『私』の視線を自分の顔の正面に合わせる

髪も整えずに、ところどころに擦り傷のあるその顔は、悲しみとも優しさともとれる強く優しい笑顔を見せる

「・・・『———』・・・行きなさい・・・もうここには来ちゃだめよ・・・」

はっきりとした優しい声がかけられる


「・・・じゃぁ・・・ね・・・・」


頬に当てていた両手を『私』の肩に下ろし、強く弾き飛ばすように突き飛ばした

「・・・あぁ・・・」

数メートル先に倒れ込む『私』は、すぐに上体を起こし幼顔の姉を見る

視線の先に強い光が起こり、すぐに淡い光に変わる。

二人の間に垂直に立ちふさがるその淡い光の壁に『私』は呆然と視線を投げる、淡い光の先に見えるかつて眩い空間だった場所は瓦解した姿として目に映る


・・・そして・・・


気丈に立ち、静かな笑みを見せる幼顔の姉が見えた。


そこで走馬灯のようなイメージは、ゆっくりと緞帳がかかるように暗くなっていく


暗闇に残される『私』・・・

暫く声が出せなかった・・・


「・・・人は・・・どこから・・どこへ・・・行くの・・・かしら・・・」

不意に絞り出すような・・・問いかけるような・・・呟きのような『私』の声が聞こえた。


そして・・・

『私』が泣いているのがわかった・・・・


シルフィーネは声を失った。どう接していいのか答えが出なかった。

暗闇のイメージから抜け出る、『私』が『誰か』に支えられていた。


『私』を支えている『誰か』もシルフィーネと同じ気持ちなのか、

黙ったまま『私』を支え直すように強く抱きしめる

『私』は、その『誰か』にしがみつき声を殺して泣き崩れた


シルフィーネがいたたまれない気持ちを持ったままこの状況を見ていた

・・・なんだろう・・・この悲しさは・・・

・・・なんだろう・・・この・・・


・・・やるせない気持ちは・・・


その時、自分が引っ張られる感覚に襲われる。

この感覚は、夢から覚める前兆だ。

シルフィーネは抗えないこの夢の出口に身を任せる。

そして・・・

現実へと引き戻されるシルフィーネが呟く・・・


「・・・人は・・・」


なぜそんな答えが出るのか自分ではわからない、ただ無意識に・・・


「・・・孤独から・・・愛を求めていく・・・」


薄らいでいく意識の中、シルフィーネは現実へと引き戻される


そして・・・

夢の記憶がないシルフィーネは泣いている自分に気付くが、何故涙を流しているのかわからなかった。

「どうしたの!フィーネ!」

シルフィーネのあり得ない涙にびっくりしたカレンの問いに

「・・・わからない・・・」

更に涙が溢れる

「分からないけど・・・寂しいの・・・」

シーツに顔をうずめシルフィーネは泣いた。

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