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かみさまスコップ ~神器で始める開拓農業ライフ~  作者: かわち乃梵天丸
第八章 おっさんと始める無人島生活
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変なおっさん

 不審者が島に入ってきては危険だ。

 あらがすべを持っていない僕らは蹂躙されてしまう。

 僕はおっさんにどこからやって来たか聞いてみた。


「あのー」

「なんや?」


 人懐っこさそうな笑みをこぼすおっさん。

 ただし、顔はちょい悪おやじである。


「いきなり現れたんですが、ここにはどこからやって来たんですか?」

「あー、兄ちゃんよく見てなかったのかよ。おっちゃん思いっきり頑張ったのに、見てくれなかったのはガッカリやわ」


 がっくり肩を落とすおっちゃん。

 本当に悲しんでる様子。

 なんで悲しんでいるのか、わからない。


「人間大砲って知っとるか? 大砲の弾代わりに人間を打ち出すんやけど、知らん?」


 大砲の弾代わりに、人間を撃つ?

 そんなことして、なんかメリットでもあるのか?


 あー、わかった!

 高速移動が出来るのか。

 ふむふむ。

 でもさ、高速移動は出来るけど、衝撃が物凄いから発射や着弾と同時に死ぬんじゃないの?

 意味が分からない。

 すると、おっさんは得意げに語る。


「さっきの、大砲の弾がわいや」


 なにそれ、怖い。

 よく生きてるね。


「よく無事でしたね?」

「無事じゃないで。ポーションを飲むのがコンマ5秒遅かったら死んでた。がははは!」


 なに、このおっさん!

 やっぱり思った通り!

 危ない人じゃないか!


「でも、笑いに命を賭けるのがおっちゃんの生き様や!」


 関わっちゃいけない人かもしれない。


「面白かったやろ?」

「面白いとかじゃないです! そういうレベルじゃないですよ! 死ぬほどびっくりしました」

「そかそか」


 僕の言葉を好意的に受け止めたのか、喜んでる。

 それ、好意的に取るとこじゃないから!

 抗議してるんですよ。

 抗議!

 

 でも、おっさんはそんな僕の気も知らず、ニマニマと笑っている。

 何か思い出したおっさん。


「せやせや。ここに来た用事を思い出したぞ」


 そういうと、おっさんは肩に背負った白い袋から、大きなものを取り出した。

 それは、僕が見覚えあるものだった。


「ただいま、ぴょん」

「ラビィ! おまえ!」

「てへへ」

「そんな袋の中から出てきて、どうしたんだよ?」

「大黒のおっちゃんに助けてもらったぴょん!」

「大黒?」


 それを聞いたおっさんは僕とラビィの間に顔をずいと割り込ませる。


「わいのことや! まあ、おっちゃん。若いころに暴れすぎて破壊王とも呼ばれてな。本名を名乗れなくなったのもあるんやけど……親愛を込めて大黒様と呼んでいいんやで」

「大黒様は命の恩人ぴょん!」

「せやで! 海の上の小さな岩の上にこいつがおってな。それを助けてやったんや」

「サメに追い詰められて、死ぬかと思ったぴょん!」


 あー、ラビィの奴、結局サメから逃げきれなかったのか。

 まあ、食われなくてよかった。

 生きててよかったな。


「こいつに話を聞いたら、ここに住んでいる奴がおるって話だから、挨拶ついでに商売のネタを探しに来たんや。なんか面白いものあるか?」


 という事だったらしい。

 王子が攻めてきたかと思ったら、新たな来訪者のちょい悪おやじの商人が来たという話でした。


 めでたしめでたし?

 おっさんは大黒様でした。


 大黒天

 七福神の一柱。富を司る神。

 破壊と再生の神シヴァが元になっていると言われているが、本作は無関係。

 ちなみに、バイクに変形したり、腰に気合を入れまくって氷魔法を使うお姉ちゃんのシヴァは同名の別人。

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