苗木
ミーニャはあれから散々迷った挙句、僕のことを選んだ。
「じゃあ、僕がいればパンは要らないんだね?」と言うと物凄い涙目をしていた。
あんまりからかうと、かわいそうなのでやめておこう。
明日のお祈りポイントで、またパンを買ってあげないとな。
そそ、お祈りなんだけど、一日に何度もやったらダメみたい。
一日一回しかポイントがもらえないらしい。
『お祈りされるのは嬉しいけど、そんなにされても、わらわはポイントを払えないのだ。わらわのおこづかいが無くなってしまうのだ』と、シナトベさまの涙声が聞こえてきた。
新たに知らされる事実!
かみさまポイントって、シナトベさまのお小遣いだったのかよ!
びっくりだよ。
童女のお小遣いでヒモ生活。
童女まで泣かせる僕って罪深い男さ。
*
さてと、ポイントの使い道をミーニャと二人で相談だ。
「のこり50ポイントなんですけど、なにに使うつもりなんですか?」
「僕はトウモロコシの種を買いたいと思う」
「畑の拡張のことを考えるならば、防風林の為に杉の苗を買った方がいいんじゃないんですか?」
たしかに防風林は必要だ。
この島は絶海の孤島。
その為、風がものすごく強い。
防風林がないと、耕した土が吹き飛ばされる。
その為、風除けの石塀の設置に手間が掛かっている。
なので、ミーニャの言うように防風林は必須だ。
「まあ、それは買わなくてもどうにかなるから」
「買わなくても増やせるんですか?」
「おう。僕に任せて!」
僕は畑に向かう。
最初にお試しの種を植えた畑だ。
僕はそこで生えている植物を指さす。
「これさ!」
そこには、杉の若木と、ロランジュの苗が育っていた。
ロランジュは僕の腰ぐらいの高さだけど、杉の若木は僕の背を軽く越していた。
「これで杉を増やすつもりなんだ」
「たしかに杉ですけど、種を付けるほどには大きくなってないですよね? これでは増やせないですよ」
たしかにミーニャの言う通りだ。
多分、種を付ける成木になるには、この成長の早い畑でも一か月ぐらい先のことだろう。
「防風林を植えるためには、苗木を買って増やした方がいいんじゃないでしょうか?」
「買わなくても増やす方法はあるんだ」
「増やせるんですか? さすがジーンさまです!」
期待度満点の尊敬のまなざしで僕を見てくる。
まあ、任せてくれ。
杉の増やし方ぐらい、木こりのおっちゃんから聞いてるからな。
僕は、杉の新芽を折り取る。
新芽とは枝の先端の10センタメトルぐらいの部分。
まだ、明るい黄緑色で若々しく柔らかい芽の部分だ。
それを集めて泉の浅い部分に漬けておく。
水に漬けておくことで、切り取った部分から根が出やすくなる。
「これで株分けするんだ。これを耕した土に植えれば、すぐに根が出て苗木になる」
「さすがジーンさま! なんでも詳しいのですね」
詳しいのは山関係だけだけどな。
その前にやることをやっておかないと。
「さ、杉を植える場所を耕しに行くぞ」
「はい!」
僕らは畑を取り囲むように、頂上を耕す。
枝が足りなかったので、植えたのは風の吹いてくる側だけだ。
それでも、100本ほどになる。
石の囲いと、水やりをするのも忘れない。
きっと、明日には新芽が根付くことだろう。
僕らは夕日の中、座りながら植えた新芽を見る。
そして、肩を寄せ合いながら苦労をねぎらった。
かみさまポイント
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繰り越し 50ポイント
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なし
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合計50ポイント




