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かみさまスコップ ~神器で始める開拓農業ライフ~  作者: かわち乃梵天丸
第四章 神器と始める無人島生活
24/102

苗木

 ミーニャはあれから散々迷った挙句、僕のことを選んだ。

「じゃあ、僕がいればパンは要らないんだね?」と言うと物凄い涙目をしていた。

 あんまりからかうと、かわいそうなのでやめておこう。

 明日のお祈りポイントで、またパンを買ってあげないとな。

 

 そそ、お祈りなんだけど、一日に何度もやったらダメみたい。

 一日一回しかポイントがもらえないらしい。

 

 『お祈りされるのは嬉しいけど、そんなにされても、わらわはポイントを払えないのだ。わらわのおこづかいが無くなってしまうのだ』と、シナトベさまの涙声が聞こえてきた。

 

 新たに知らされる事実!

 かみさまポイントって、シナトベさまのお小遣いだったのかよ!

 びっくりだよ。

 童女のお小遣いでヒモ生活。

 童女まで泣かせる僕って罪深い男さ。

 

 *

 

 さてと、ポイントの使い道をミーニャと二人で相談だ。

 

「のこり50ポイントなんですけど、なにに使うつもりなんですか?」

「僕はトウモロコシの種を買いたいと思う」

「畑の拡張のことを考えるならば、防風林の為に杉の苗を買った方がいいんじゃないんですか?」

 

 たしかに防風林は必要だ。

 この島は絶海の孤島。

 その為、風がものすごく強い。

 防風林がないと、耕した土が吹き飛ばされる。

 その為、風除けの石塀の設置に手間が掛かっている。

 なので、ミーニャの言うように防風林は必須だ。

 

「まあ、それは買わなくてもどうにかなるから」

「買わなくても増やせるんですか?」

「おう。僕に任せて!」

 

 僕は畑に向かう。

 最初にお試しの種を植えた畑だ。

 僕はそこで生えている植物を指さす。


「これさ!」


 そこには、クリプトメリアの若木と、ロランジュの苗が育っていた。

 ロランジュは僕の腰ぐらいの高さだけど、杉の若木は僕の背を軽く越していた。

 

「これで杉を増やすつもりなんだ」

「たしかに杉ですけど、種を付けるほどには大きくなってないですよね? これでは増やせないですよ」


 たしかにミーニャの言う通りだ。

 多分、種を付ける成木になるには、この成長の早い畑でも一か月ぐらい先のことだろう。

 

「防風林を植えるためには、苗木を買って増やした方がいいんじゃないでしょうか?」

「買わなくても増やす方法はあるんだ」

「増やせるんですか? さすがジーンさまです!」

 

 期待度満点の尊敬のまなざしで僕を見てくる。

 まあ、任せてくれ。

 杉の増やし方ぐらい、木こりのおっちゃんから聞いてるからな。

 

 僕は、杉の新芽を折り取る。

 新芽とは枝の先端の10センタメトルぐらいの部分。

 まだ、明るい黄緑色で若々しく柔らかい芽の部分だ。

 それを集めて泉の浅い部分に漬けておく。

 水に漬けておくことで、切り取った部分から根が出やすくなる。

 

「これで株分けするんだ。これを耕した土に植えれば、すぐに根が出て苗木になる」

「さすがジーンさま! なんでも詳しいのですね」

 

 詳しいのは山関係だけだけどな。

 その前にやることをやっておかないと。

 

「さ、杉を植える場所を耕しに行くぞ」

「はい!」

 

 僕らは畑を取り囲むように、頂上を耕す。

 枝が足りなかったので、植えたのは風の吹いてくる側だけだ。

 それでも、100本ほどになる。

 石の囲いと、水やりをするのも忘れない。

 きっと、明日には新芽が根付くことだろう。

 

 僕らは夕日の中、座りながら植えた新芽を見る。

 そして、肩を寄せ合いながら苦労をねぎらった。

 かみさまポイント

 ――――――――――

 繰り越し 50ポイント

 ―――――

 なし

 ――――――――――

 合計50ポイント

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