建築者 青野!
福田「よし、肉を焼く前に、まずは夜を明かすための安全な『家』が必要だな。だが俺のパワーじゃ木をなぎ倒すことはできても、組み立てる知恵がねえ」
木下「僕の『脳内構成』でシミュレーションしたけれど、このままだと夜の気温低下と夜行性モンスターの襲撃で、僕たちの生存率は12%まで落ちるよ」
悠「12%!? ほぼ死ぬじゃん! 、誰か建築が得意な奴はいないのか!?」
えいと「建築……家作り……あ!! プラモデルから日曜大工まで、ものづくりならあいつの右に出る奴はいない!! 青野ーーーッ!!!」
えいとが叫んだ瞬間、またしても空間がベリベリと裂け、一人の男子高校生が頭から突っ込んできた。
青野「わあっとっと!? ……え、何ここ!? 俺は今、部屋で犬小屋の設計図を引いてたはずじゃ……って、えいと!? 悠!?」
木下「ようこそ異世界へ、蓮翔くん。細かい説明は省くよ。君のステータスを見せてくれ」
蓮翔「い、異世界!? ステータスってこれか? 『ステータス・オープン』」
【青野のステータス】
• 知力:A
• 体力:C
• パワー:D
• スピード:D
• 【固有スキル】:『神速建築』
• 効果:素材さえ揃っていれば、頭の中の設計図通りに一瞬で建物を建築・修繕できる。
悠「建築の固有スキル持ちだァァァーーーッ!!!」
木下「素晴らしいね。僕の『脳内構成』と、青野くんの『神速建築』をリンクさせよう。僕がこの森の素材(木や石)の耐久度を計算して最適な設計図を脳内で作り、それを蓮翔くんに共有する」
青野「え? よく分かんねえんけど、頭の中にめちゃくちゃ頑丈な要塞の設計図が流れ込んできたぞ……! 福田! そこにある大木を適当な長さに叩き割ってくれ!」
福田「おう、任せろッ! ハァァッ!!」
福田(パワーS)が丸太のような拳で周囲の木々をバキバキとジャストサイズに叩き割り、素材が地面に積み上がる。
青野「よし、素材は揃った! スキル発動――『神速建築』!!!」
青野が地面に手を突いた瞬間、バラバラだった丸太や岩が生き物のように動き出し、ガガガガガッ!と恐ろしいスピードで組み上がっていった。
わずか数秒の後――。
そこには、頑丈な丸太で囲まれた、モンスターの襲撃にもビクともしない完璧なコテージ(要塞仕様)が完成していた。
えいと「う、嘘だろ……一瞬で家が建った……」
青野「ふぅ、我ながらいい出来だ。……ところで、さっきから気になってたんだけど、あの転がってるデカいイノシシは何?」
福田「俺の晩飯だ。よし蓮翔、最高の家もできたことだし……肉、焼こうぜ」
木下「了解。……あ、そうそう。さっきは最大出力の魔法しか使えなくて右腕が吹き飛ぶところだったけど、青野くんの設計図を脳内で弄っていたら、魔術の『火力調整』の数式をひらめいたんだ」
悠「えっ、マジで!?」
木下「うん。今の僕なら、パワーDの肉体でも耐えられるレベルに火力を抑えられるよ。……スッ」
木下が格好よくカマドに向かって右手を突き出す。今度はその手のひらは一切震えていない。
木下「『火焔・出力0.001%』」
ボッ……!!!
木下の指先から、ガスコンロの弱火のような、実に繊細でちょうどいい、パチパチと薪を焦がす美しい炎が灯った。
悠・瑛人「知力SSの無駄遣いだけど、めちゃくちゃ有能ーーーッ!!!(感動)」
福田「ナイスだ木下。じゃあさっそく、このイノシシの肉をやこう!」
こうして、最強の「頭脳」「肉体」に続き、最高の「技術」を持つ青野が加入。
ALL Fのゴミ虫2人を抱えながらも、高校生たちの異世界サバイバル生活は、劇的な大進歩を遂げるのだった――!




