力自慢 福田!
モンスター「グルルルル……ガッ!!」
牙を剥き出しにしたモンスターが、いよいよ3人の目の前にまで迫る。
時速50キロの突進。衝突まであと3秒――。
悠・えいと「終わった……!!」
木下「いや、まだだ。僕の固有スキル『脳内構成』を発動する。見た目はどこにでもいる普通の男子高校生――木下。だが、その頭脳はすでに異世界すべての事象をハッキングしていた。
このスキルは、世界を脳内でシミュレーションし、さらに「異世界にいる友達が今どこで何をしているか」を完全に把握して、状況に対する絶対的な最適解を導き出せる神の頭脳だった。
木下の脳内に、一瞬でデータが駆け巡る。
『シミュレーション完了。この状況を打破する唯一の最適解は……現在、ここから北に1.5キロ離れた川の上流で、巨大なワニと素手で殴り合っているあの男だ!』
木下「瑛人くん!! 今すぐ僕の言う名前を強く思い出してくれ! 彼の肉体ならこの状況を抑え込める!」
えいと「だ、誰だよ!?」
木下「クラスで一番のフィジカルモンスター、福田くんだ!!」
えいと「よしきた!! 福田ぁぁぁーーーッ!!(お前の筋肉を信じる!!)」
えいとが名前を叫んだ瞬間、3人の目の前の空間が爆発するように弾けた。
光の中から現れたのは、制服のシャツがはち切れんばかりの筋肉をまとった巨漢――福田である。
福田「あ? ……ここはどこだ? 俺は今、妙なトカゲ野郎をラリアットで沈めたところだったんだが……」
悠「福田ァァァ!! 前を見ろ!!」
突進してくる巨大イノシシモンスターが、福田の目の前まで迫っていた。
福田は「あ?」と眉をひそめると、フンッと鼻を鳴らした。
福田「よく分からんが……邪魔だコラァァッ!!!」
ドゴォォォンッ!!!
福田の丸太のような右腕から放たれたラリアットが、突進してきたモンスターの顔面に直撃。
凄まじい衝撃とともに、モンスターの巨体が後ろの木々をなぎ倒して吹き飛んでいった。
モンスター「ぶべらっ!?」
哀れな野生生物は、一撃で気絶してピクピクと震えている。
悠・えいと「……は?」
木下「ふむ、さすがだね。彼のステータスを僕の『脳内構成』で覗かせてもらったよ」
【福田のステータス(確定)】
• 知力:B
• 体力:S
• パワー:S
• スピード:D
悠「パワーと体力がS!!!!!(絶叫)」
えいた「しかも知力Bじゃねえか!! 勉強もそこそこ出来るタイプのゴリラかよ!!」
福田は腕を組み、周囲の森と気絶したモンスターを冷静に見つめた。知力Bがあるため、ここが普通の場所ではないことを一瞬で察したようだ。
福田「なるほどな。状況は分からんが、お前らのその怯え方、それにこのトカゲやイノシシのデカさ……ここは普通の日本じゃねえな?」
木下「その通り。ここは異世界だよ、福田くん。僕たちの目的は生存だ」
福田「いいぜ。とりあえず、このイノシシ、美味そうだな。肉、焼こうぜ。火、起こせるか?」
悠・えいた「俺たちステータスALL Fだから、マッチ一本擦るのすら怪しいです……(涙)」
普通の見た目なのに頭脳だけ神(知力SS)の木下、知武両道のハイスペックゴリラ(パワーS・体力S・知力B)の剛田、そしてゴミ虫2人。
アンバランスな高校生4人の異世界サバイバルが、本格的にスタートした――。




