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デスゲームに巻き込まれたと思ったら天国だった件〜きままな無人島サバイバルライフを満喫します〜  作者: 亀丸物産


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一話ーーキャンプ好きな女

処女作になりますため乱文等あるかと思います。

温かい目でご覧頂けますと幸いです。

読みやすいよう改行を多めに使用しております。

完結まで書き溜めているので失踪はしません。


※本作品はフィクションです。

登場する人物、会社名等とは関係ございません。

都会なんて大嫌いだ。


 毎朝満員電車に揺られ、会社へ向かう。

嫌味を言う上司に頭を下げ、締め切りに追われ、ようやく迎えた休日は疲れて寝て終わる。

そんな人生、あと何十年も続けろなんて言われたら、私は迷わず逃げ出す。


できることなら――自然の中で暮らしたい。


 コンビニもない。

スーパーもない。

SNSで見栄を張る友人もいない。

あるのは山と、川と、風の音だけ。


「そんな場所があったら最高なのになぁ……」


 私は山田海。

三十二歳。

都内の出版社で働く、ごく普通の社畜……

いや、たぶん普通ではない。

趣味はソロキャンプ。

休日はほとんど山で過ごし、給料はキャンプ用品へ消えていく。

同期がブランドバッグを買ったと喜んでいる横で、私は焚き火台を買って喜んでいた。

担当雑誌のキャンプ特集をきっかけに始めた趣味だったが、気付けば生活の中心になっていた。

最近では海外のサバイバル動画を見るのが日課だ。

ライターも使わず火を起こし、現地調達した食材だけで何日も生活する。


「私ならもっと上手くできるかも」


 そんな妄想をしている時間が、たまらなく楽しい。

もちろん、本気で無人島を買おうと調べたこともある。

……一億円。


「無理。」


 即、諦めた。

次に山を調べた。

百万円くらいから買えるらしい。


「よし、山にしよう」


 それ以来、私の仕事のモチベーションはただ一つ。

将来、山を買って暮らすこと。

そんな夢を抱えながら、今日も仕事帰りに行きつけの居酒屋へ顔を出した。


「マスター、生!」


「座るなりそれか」


「今日はね、グランピング特集を却下された!」


「また上司か」


「そうだよ! ソロキャンプとかサバイバル術の記事なら絶対面白いのに、『夏だから海特集にしろ』だって!」


 ジョッキを勢いよく机に置く。


「夏イコール海って安直すぎるでしょ!」


「出版社も大変なんだろ」


「知らないよ! 私はキャンプ記事が書きたいの!」


 マスターは苦笑しながら枝豆を差し出した。

この店に来るたび、私は同じような愚痴をこぼしている。

それでも嫌な顔一つせず聞いてくれるのだから、本当にありがたい。


「そういや明日は休みだったな」


「もちろん!」


 私は満面の笑みで答えた。


「キャンプ!」


「知ってる」


「今回はね、ライター禁止で火起こしする!」


「また変な縛り始めたな」


「魚も釣るよ。ちゃんと遊漁券も取ってあるから安心して」


「そこだけは真面目なんだな」


「当たり前でしょ」


 自然を楽しむなら、自然のルールは守る。

それが私の流儀だ。


「よーし、早く帰って準備しよう!」


 会計を済ませ、私は店を後にした。


「行ってきます!」


「おう。楽しんでこい」


 扉が閉まり、店内が静かになる。

すると、カウンターの奥に座っていた男が、静かに口を開いた。


「……店主さん」


「あ?」


「彼女、随分キャンプに詳しいんですね」


「ああ」


 店主は笑う。


「明日にでも無人島へ放り出されても、生きて帰ってくるんじゃないかってくらいにはな」


「なるほど」


 男は小さく頷いた。

そして、意味ありげに微笑む。


「それなら――条件には合いそうですね」


「……何の話だ?」


「いえ、独り言です」


 男は伝票を置き、静かに店を出て行く。

夜風に紛れるように、小さく呟いた。


「彼女なら、きっと楽しんでくれるでしょう」

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