ソウルメイト
わたしは全身鏡の前でニコッと笑った。
笑顔は重要だからね。
アイドル時代から笑顔の練習は毎朝欠かしてない。
いまのわたしは黒い猫耳にしっぽとミナミチョウの羽が生えてる。
猫目だし猫の主張がやや強い。
肌の白さときめ細かさはばっちり妖精だ。
黒くふちどられた黄色い羽に似合うように黒いミニワンピを着る。
足は長いから見せたい。
びぐるからプレゼントされた牡丹の首飾りを首にかけた。
おしゃれなのでお気に入りだ。
いまわたしは洋風のお城にいる。
定期的に居住エリアを変えて住まいを転々としていた。
家は使わないともったいないからね。
バルコニーに出て羽ばたく。
行先はソウル神のところだ。
約束を果たさないといけない。
魂美術館を見回ってるとソウル神に呼び止められる。
「待っていたよ朝陽ちゃん♩」
「いまは真昼だよ」
「見事に融合したね。さあ、魂をおくれ」
「わかってる。分け御霊の術ッ!」
わたしは手を合わせて分身を作った。
「ありがとう♩さっそく飾らせてもらおう」
ソウルは分身に手をかざし魂だけの状態にする。
桜色の魂を手にして空っぽのケースを開いて入れた。
「すばらしい!これは最高傑作だ♩」
ソウルは子供のように目を輝かせている。
桜色の魂に群がる来館者も増えはじめた。
ざわざわしはじめる。
「お礼にミルクとお魚型ビスケットをごちそうしよう」
館内の喫茶店に移動する。
ミルクとビスケットに舌鼓を打つ。
「うまく行くと思ってたよ。猫とチョウはとても相性がとてもいいんだ♩」
「ヒラヒラ飛んでる蝶を猫は夢中で追いかけるよね」
「猫と蝶を組み合わせた文様は長寿や無病息災を願う耄耋って呼ばれていてね。中国では古くから縁起の良い吉祥文様として愛されてるんだよ」
ソウル神は懐から取り出した巻物を広げて見せてくれた。
黒猫が黄色い蝶とたわむれてる。
「へーそうなんだ」
「その牡丹のアクセサリーもいいね♩ 牡丹は富貴の象徴だから猫 ・蝶 ・牡丹の組み合わせは富貴耄耋っていうんだ。それらがそろった絵は長く生きて(耄耋)豊かで満ち足りた暮らし(富貴)ができますようにという幸福への強い祈りが込められているのさ」
ソウル神は牡丹と猫と蝶が描かれた巻物を広げて見せてくれる。
「富貴耄耋を体現するきみをこれから多くの人々が信仰するだろう」
じゃあ牡丹のアクセサリーはとってもセンスのいいプレゼントだったってことだね。
やるじゃんびぐる。
もうわかってると思うけど、わたしと夜霧ちゃんは魂を融合させてひとつになった。
なので夜霧ちゃんの記憶はわたしの中にすべてある。
いまのわたしは朝陽であり夜霧だ。
決闘前にソウル神に会って「ソウルメイトの術」を授けてもらって夜霧ちゃんが死んで魂が遠くに行っちゃう前にわたしの魂にくっつけた。
好きな人同士だと魂が結びつくっていうしできるんじゃないかと思ってソウル神を訪ねたらできた。
術を授けてもらう代わりに成功したら魂をあげる約束をする。
ソウルメイトの術は魂が反発し合わないように波長が合わないといけないし魂の色も重要で成功確率はかなり低い。
成功したのは奇跡だ。
わたしは真っ赤に燃える魂で夜霧ちゃんは純白の魂だから混ざって桜色の魂が生まれた。
戦闘後、びぐるになんで加勢してくれたのかたずねたら
「夜霧が魔王になったのには気づいていた。ずっと討つ機会を探していたんだ。朝陽との戦いで重傷の夜霧をみていまなら討てると思ったぜ。勝利を確信して油断してたしな」
って言ってた。
夜霧ちゃんの強さはチートだから不意打ちじゃなきゃムリだよね。
びぐると組もうにも浮気を防ぐためにびぐるに猫の見張り番をつけていたから会えなかった。
でも夜霧ちゃんをどうにかしないといけないって気持ちは同じだったみたい。
ビスケットを食べ終わる。
「ごちそうさま♩またくるね♩」
「いつでもどうぞ。ただしボクがいるとは限らないよ。まだ見ぬ美しき魂を求めてさまよい歩いている旅人なんでね」
「いいなぁ。わたしもいつか世界を旅したい。でも、ずっと先のことになりそう」
「きみは天界の王としての責務を果たしたまえ。それが神から与えられた使命だ」
「うん♩」
城に飛んで戻る。
夜霧ちゃんとひとつになってから真昼という名前に変えた。
猫族の優遇政策をやめて貧しい人に富を分け与え差別を徹底的に禁止して道徳中心の社会にだんだん移行している。
天界で徳治主義の国家を実現できたら下界にも浸透させよう。
天井の窓から玉座の間に降り立つとミミが駆けつけてくる。
「真昼様。謁見を求める者が多く来訪しております。みなさま扉の前で待っておられます」
「列をなしてるね。上から見えたよ」
隣国まで伸びてたな。ぜんぶ陳情だ。
天界は広いし改革の途上だからもめごとは多い。
羽が折れない特別仕様の玉座に座る。
「準備ばんたん。お客さんを呼んでいいよ♩」
「はいッ!」
ミミはぴょんぴょん跳ねて扉に向かう。
「どうぞお入りください!」
勢いよく扉が開かれた。
ゾロゾロとお客さんが入ってくる。
わたしは夜遅くまでみんなの陳情をできるだけ多く聞き届けた。
家臣にも問題解決のために迅速に動くように指示を出す。
また明日も陳情をさばかなきゃいけない。
だれの話でも聞いてあげるって言ったからこうなった。
待ってる人には宿も手配してあげてる。
夜霧ちゃんがわたしとびぐるくんを導いてくれたようにわたしもみんなをやさしく導きたい。
部屋に戻るとソファーにびぐるがいた。
猫と遊んでる。
「おつカレーライス。飯食ったか?」
「これから。びぐるくんは気軽でいいね」
ちょこんと横に座る。
「オレに政治はできねぇ。あらごとならまかせろ。真昼をいじめるやつがいたらぶん殴ってやるぜ」
「頼もしい番犬だね♩」
「わん!」
びぐるは犬のモノマネをする。
夜霧ちゃんと混ざったからわたしの戦闘力はめちゃくちゃアップしてる。
宇宙最強かもしれない。だれにも守ってもらう必要なんかないんだけどね。
びぐるは朝陽と夜霧も両方好きだったから混ざって超ラッキーって言ってた。
こいつが1番得してるな。なんか複雑な気分なままびぐるとキスする。
わたしとびぐるのめくるめく恋物語はまた別のおはなし。
でわでわ。またどこかでお会いしましょう。
めでたしめでたし♩
ペルソナとジョジョの奇妙な冒険とハンターハンターを参考にしてます。
シャーマンキングはうろ覚えです。
しっかり読むとあまりにも似てしまいそうで読みませんでした。
既存の作品と表現がかぶるのを避けようと思っても難しいですね。
武器の具現化能力もいろんな漫画がやってますが、なぜオシャレで具体的な武器を出せるのか?といえばそりゃイメージ訓練しているからでしょ?ってなるわけで、ハンターハンターはクラピカさんが具体的にその点について説明していてすばらしかったです。
私の記憶では他の漫画はオシャレなデザインで具体的に武器を具現化できる理由について細かく説明していないと思います。なんとなくうまくできる。読者もそういうもんだと深く考えない。
今後新たな作品で登場する具現化能力についてはクラピカさんの解説をなぞるしかないのではなかろうか。それだけ斬新でした。
みんなが武具防具をなんでも作れるのはチート設定だし戦闘も考えるのが大変でバトルマンガの作者たちのすごさが実感できました。
クレイジーダイヤモンドは自分を治せない!などチートになりすぎない配慮ほんと好き。
バトルには緊張感とピンチが必要ですね。
ドラゴンボールの昔の映画もなかなか変身しなかった。
最後に変身して大逆転。
拙文を最後までお読みいただきまことにありがとうございます!
また次回作でお会いしましょう♩




