表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/158

大阪マーケットシティ

 竹上は喜々と話を進めた。竹上の考えなのか、それとも別の者の考えなのかは分からないが竹上がこのアイデアにご満悦していることは明らかだった。

「差し詰め、地下50mもあれば土地の所有権なんていらんやろ。普通の家やビルで地下50mも深いところなんて、誰も利用せん。そこを有効活用する」

 確かに地下50m以下で所有権が及ばないようにすれば、用地買収の手間は大幅に少なくなる。そしてルートも縦横無尽に設定することができる。


 当時、大阪市と竹上興産が共同で高層ビル街を開発していた。後に「大阪マーケットシティ」(以後:OMC)と呼ばれるビル群である。

 当地は、元は大阪砲兵工廠であったが第二次世界大戦時の米軍による爆撃で廃墟と化していた。一時、米軍が接収していたが講和条約後に変換される。その後、不発弾の多さから開発が進まなかったが、1970年代くらいから再開発構想が提唱された。そして1974(昭和49)年に京橋竹上ビル竣工を皮切りに大型高層ビルが次々と建設されることになる。

 ただ当地は梅田と異なり、交通の便が悪かった。道路交通は明らかに貧弱であり、鉄道は淀川電鉄淀川本線と日鉄環状線・片町線があり、少しは良かったが貧弱であることには変わりなかった。

 それを改善するため、道路及び鉄道の整備が進められることになる。道路は城見通と玉造筋などの幹線道路を建設し、鉄道は大阪市と淀川電鉄は地下鉄長堀淀川線(後に宝急が加わる)と日鉄北新地線の建設行われるようになる。将来的には長堀淀川線は心斎橋を経由して大正区方面に向かうことなっていた。

 こうして交通の便を改善していくことになる。しかし梅田と比して、決定的に欠けているものがあった。それは新幹線駅と空港アクセスである。


 梅田は新幹線駅があり、更に伊丹空港へのアクセスとして宝急電鉄の空港線があり、利便性で大阪の他を追随させないものであった。この圧倒的な梅田に対抗するため、新幹線駅を当地の地下深くに建設することで利便性を上げようとした。更に新幹線を大阪湾国際空港へのアクセス線とすることで、空港アクセスの課題も解決しようとした。

 これによって当地の利便性向上とブランディングを図るというものである。そして、自分では費用を出さないようにするため、和歌山に建設される3ヶ所の原発と絡めることで政府と電力会社から資金を引っ張ろうした。


 砂岡は感心しながらも、少し意地の悪い話をする。

「なるほど、確かにそれであれば、自由に新幹線を建設することができる。東海道だけでよろしいのですか。一層のこと山陽も引っ張ってくれば宜しいのでは」

「それ最初に考えたけど、山陽新幹線の構造上無理があるので諦めた。まあ、こちらとしては東京と世界とが結ばれたら、それでええ。」

砂岡の意地の悪い思い付きも、既に検討していた。つまり、この新幹線乗り入れは相当前から水面下で検討されていることを伺わせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ