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空虚な幻
はぁ...
その少年はまた溜息をついた。
明けない夜。朝と夜の狭間に時を止められたかのように成り立つ不安定な世界。
充分な食事はあるのだが、なにか物足りない感じがする。
最近は都市伝説とやらで人が多く訪れる。まぁ、どうせ行方不明になるだけなんだけど。
妖しげな、決して心地よいとは言えない風が少年の美しい銀髪を撫でる。良く見ると少し桜色がかかったサラサラの髪は少年の顔の美しさを際立たせる。
そう。まるで人間ではないかのような...
また1つ、少年はため息をついた。桜の枝に座り、咲き誇る花に包まれたその美しい少年の姿は幻想的だ。薄紫色の空、白い大きな月。空腹でもなし、知らないことはほとんどない。
なのに何がそんなに不満なのか。
それは少年でもわからないだろう。
少年は、ただ1人の友達から貰った歌を歌い出した。




