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第十六話
土曜日、午前9時半に、待ち合わせ場所にした手野鉄道手野駅の海外から来たという噴水前にいた。
たしか、アメリカとイギリスからだそうだが、詳しい話は知らない。
「ごめんねー」
深谷が駆けってくる。
いつもの制服姿とは違い、きれいだ。
一応言っておくと、いつもがきれいじゃないということではない。
いつもきれいだが、もっときれいに見える。
「待った?」
「大丈夫、今来たところ」
待ち合わせ時間に来て、しかもぴったりの時間だ。
「行こうか」
「うん」
手は、まだつながない。
「買い物ってもどこで買うんだ」
「大阪まで出ようかと思ったけど、いったんこの辺りで探そうかなって」
何を買おうとしているのかはわからないけども、まずは深谷についていくことにした。




